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仙籍簿と琅燦

凄いざっくりなタイトルで申し訳ない・・・。『東の海神 西の滄海』のCDブック版付録『漂舶』から、『白銀の墟 玄の月』における仙籍に関する疑問の一部をここにちょっと吐き出してみます。

(既にご存知の方も多いかと思いますが・・・)実は、仙籍からそこに載っている人物の生死の確認が可能だということが、以下の『漂舶』箇所から分かります。

死んではいないことだけが、仙籍に消えずに残った「更夜」という文字から知れるだけだ。
『漂舶』

上記の箇所で六太が更夜の生死を仙籍から確認していたので、仙籍を見ることで少なくともその人の生死が確認できるということがわかるし、死亡時は自然と?仙籍からも消えるシステムになっているよう・・・。

だとすると私としては、なぜ阿選が謀反後、驍宗麾下の行方(生存)を知るために、それを使わなかったのだろうか・・・という大きな疑問をもっており・・・。

阿選がそれについて知らない可能性はあっただろうけれど、一応阿選の諸々の所業に加担していて、博識で十二国記の成り立ちについて疑問をいだき、更に”実験”を行っている琅燦が既存の仙籍制度について知らないというのはかなり考えにくい。

もし昇仙している官吏・武人の生死が仙籍に反映されるというのであれば、王も麒麟もいた状態で偽王の朝の存続を少しでも長引かせたかったのであれば(以下引用部の琅燦の言う「試し」をその一部だと捉えると…)、その事実(生死が仙籍に反映される事)を阿選に伝えないということは考えにくい。(これも琅燦が、完全に驍宗側ではなかったり、戴国民の生死に関心がなかったり、個人の興味だけに執着していたという前提条件の場合…。以下からはそう捉えれるのだけれど・・・。)

「私が台輔をあんたたちのように尊んでいないのは確かだろうね。そしてそれは王も同じ。驍宗様のことは敬うけれども、王だの麒麟だのはどうでもいい」
 言ってから、もう一度小首をかしげた。
「どうでもいい――は違うか。興味は持っている、世の摂理として」
「摂理?」
「驍宗様のことは尊敬しているが、興味には勝てない。私はこの世界と王の関係に興味があるんだ。何が起こればどうなるのか、それを知りたい」
 理解できずに阿選がただ見返していると、琅燦は自分に納得するように頷いた。
「王と麒麟をめぐる摂理に興味があるが、誰も答えは教えてくれないからね。知るためには試してみるしかないんだ」
『白銀の墟 玄の月』三巻73-74項

しかし、阿選は李斎が生きているのも知らなかったので、もし、琅燦がその事実を知っていたとしたら、故意に阿選に伝えていなかったか、もしくは、仙籍簿の性質上、王または麒麟以外に見ることさえ可能ではなかったとするか・・・。

(確認漏れかもしれませんが、琅燦が李斎の生存を知らなかったとする記載がないので、もしかしたら、琅燦はその事実を知っていて、仙籍も確認できる手段を持ち、李斎の生存も知っていたかもしれないけれど、それを阿選に伝えていなかった・・・という可能性もある。――とすると、今度は阿選に教えなかったのは何のためにか、という問題に繋がるけれど・・・。)

もしも、阿選が仙籍を確認できたのなら、驍宗麾下がどれだけ生き延びているかも分かり、驍宗麾下が潜伏するのももっと困難になっていたのでは・・・と。逆に、阿選は現状を(偽朝)をもっと確固としたものにできたはず・・・(不穏分子をできるだけ処分しておこうというのが、当初の阿選のやり方でもあったようなので)。

上に述べたように、仙籍閲覧可能なのを王や麒麟だけだとすると一番簡単なのですが、その辺は疑っており・・・。

ここで詳しい仙籍問題はちょっと省略するのだけれど、幾つかの理由から、私は王でなくてもある一定の位の官を仙籍から除籍すること(その逆の昇仙も)は可能だと考えていて・・・。なので、基本的に逃げていた驍宗麾下は一部を除いて只人だったのでは・・・と思っていたり・・・。またそのあたりは長くなりそうなので、ちゃんと?ある程度の形になった時に・・・。

このあたり他に意見お持ちの方がいれば是非伺いたいです😃

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