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増税に伴い、銭湯の入浴料も470円へ。あと小杉湯に行ってきました。

令和元年10月1日より、日本の税率は10%へと完全移行しましたが、これは銭湯の入浴料も例外ではありません。

なので、東京都内の銭湯の入浴料は460円から470円になりました。みなさん要チェック


増税による客足への影響はあるのか?

シンプルに単価が高くなった分、客足がより悪くなってしまうんじゃないかと勝手に素人ながら銭湯の経営者さんたちを心配するというお節介をしていました。

まあ、あとボクの暮らす下北沢のボロアパートにお風呂がついていないので、風呂難民である風呂ユーザーとしては大痛手でした。

話を戻しまして、銭湯での客足ですがこの前、高円寺の小杉湯さんへ行ってきました。

何かと噂の銭湯だったので、ずっと行きたかった場所でした。(もちろんいい噂、楽しそうな噂ですよ。笑)

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10月1日。平日で、増税初日だったにも関わらず銭湯の利用者で溢れかえっておりました。

増税という逆境を感じさせない、その活気のある小杉湯にボクは圧倒されてしまいましたが、銭湯内に歩を進めるとまた驚きの連続。

小杉湯を利用した方はもちろん、利用していない方でもご存知の方は多いでしょうが、この銭湯では番台兼イラストレーターである塩谷歩波さんによるイラストがいたるところに貼られており、

利用方法や変わり湯の説明、アメニティの紹介など視覚的なアプローチが非常に緻密に張り巡らせており、独りで銭湯に行ったのに全然退屈せずに入浴することができました。

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入浴中にふと目に入った、これも塩谷歩波さん解説による交互浴図解のイラストを発見したので、おもむろに熟読し、それに倣い交互浴を見よう見まねにやってみました。

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テレビ東京で絶賛放送中のドラマ『サ道』が流行っていることもあり、ボクのSNSのタイムラインは、「整う」ことに心酔した中毒者で溢れかえっていることもあり、ボクもその境地に身を投じることに少し興味があったのでとても良い機会だった。

明快で、ポップな説明があったので独りでも結構簡単に交互浴を通して「整う」という少し宇宙幾何学のような、哲学のようなこの高次元な表現の意味をバッシリと体感することができました。

自分の中で、革命が起こったくらい多幸感に満たされ、このマインドを今、世界から来ている人と共有したい‼︎日本に来ている旅行客にこれを体感して欲しい‼︎東京タワーとか浅草寺の写真なんてプロに任せて、早く身近なとこで交互浴して欲しい‼︎This is a discovery of JAPAN!!

圧倒的にこの世に足りないものは、ただ一つ「整い」だッ!!と誰かに伝えたく、このようにnoteで今シコシコとタイピングするに至りました。


おじさんたちのジャジーな水風呂のポジション取り

人生初の交互浴中、体中の五感の感覚が冴え渡ってくるのを感じるなか

ひとつのことに気づいた。

小杉湯では、その日(10月1日)、ココナッツ風呂、ミルク風呂、コーヒー風呂(当日はコーヒーの日だったらしく、それに付随してそういった変わり湯を日々提供しているようだ。確か情熱大陸で、塩谷さんのご両親が脱サラしてコーヒー屋を経営しているとかなんとかを思い出した。)の3つ温水の浴槽があったのだが、

それに対して、交互浴の肝である水風呂

これが私たちを宇宙旅行へと誘ってくれるわけだが

銭湯のようなところだと、水風呂が比較的小さい浴槽なので

大人3人入って満員状態になる。

最初の方でも述べたが、その日の小杉湯は平日でもほぼ満員御礼であったので

水風呂という桃源郷を今か今かと、突入を試みるおじさん方が10人くらいいた(もちろん私も含め。)

でも実はおじさん達は互いに、無言にコンタクトをとっており、視線の送り合いで水風呂の使用権を

ジャムセッションのごとく規律よく順番を回していたのだが、

ボクのような新参者と、イノセントキッズがその美しき旋律をかき乱したようで

最初のうちはボクが水風呂に入ろうか思い立つと、

湯煙を包んだ茹で熊オジさんに圧倒的なポジショニングの速さでその機会を強引に奪われました。

その後、少しずつボクにもオジさん同士の奏でる規則正しい旋律とボクに順番を譲っているタイミングにも気づけるようになり、

ボク含めその場の全員が平等に水風呂を入れるようになりました。(これから交互浴に行ってみたいと思った方、実際はこんな難しいことは起きてないので安心してくだい。個人の感想です。)

そうなってくるとオジさんが3人掛けの水風呂に、ボクの隣に入るときに

「おおおぉあぁ〜っ!!」という咆哮もなんだか耳心地よくなり、

ボクも「うん、うん。わかるよ。すっごい気持ちいいよね。」とオジさん達の野生的なリアクションにも寛容的になれました。

水風呂に浸かることができた側の人間も、自分たちでタイムマネジメントをしているようで

迷惑のかかるような長居はせず、来たる時が訪れると自主的に

そのスペースを次のオジさんに譲るという秩序が完成されていた。


人類の歴史を遡ると、人間のおぞましい欲求、快楽のために数々の犠牲、不幸な出来事を繰り返してきたが

銭湯の中では、多くの人間が己の快楽を優先・独占をしたいがために、

他人が送るはずだった明るく尊い人生というものを踏みにじるといった卑劣な行為はなく、

互いの幸福を、自分の幸福と捉え、尊重することのできる

世界で最も尊い空間が体現されておりました。

ピース✌️


小杉湯で入浴を通して

最初は冒頭に触れているように、増税後の銭湯シーンでの影響を研究したくて小杉湯に訪れましたが、

廃れつつある銭湯文化の業界でさまざまなアプローチで古参銭湯ユーザーと新規銭湯ユーザーを巻き込み、新時代の銭湯の在り方を提示し続けている

King of 銭湯である小杉湯の魅力にどんどんと惹きこまれていきました。

これがもっと下町の、現地住民の方向けの一般的な銭湯での増税の影響というのは、煽り具合は異なると思いますが、

現時点での増税の影響は、銭湯にはあまりないと思いました。

これが長期的な時間の推移で考えたときはもちろん違った答えになるかもしれませんが、

その一方で、小杉湯さんのような前衛的なイベントを仕掛ける銭湯、『湯沸かし市』のようなアートの導線から銭湯へ帰結させるクリエイター集団が溢れる今日では、

その逆境を跳ね返そうとするエナジーの溢れたを若い人が多いことが尊いなあと思いました。

もちろん我々「FROW;」もその一員として盛り上げ役の頭取になっていかなくては行けませんが、

ひとまず交互浴最高っした。。🤤🔥🔥🔥

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