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閉店リスクとシュネルマイスター

 先日『からくりサーカス』にて4度目の万枚を達成しました。と、言っても投資は9万円までに膨れ上がっていたところで獲得が12800枚だったので差枚数になおすと万枚には達していないのですが、投資9万を捲った、投資9万でも心折れずに打ち切ったところを自分でも評価してあげたいと思いました。
 ホールの状況からどこかに高設定はありそうな雰囲気、そして高設定を投入している実績があるホール。正午過ぎに6万弱の負債を抱えていましたが、挙動的に1台だけ明らかに良い台を見つけたので負けが10万になるのを覚悟してでも勝負する価値はあるとみて、打ち始めることに。最終的には設定4以上確定演出が出現して、後は何時まで打つかを考えるだけという状態になったのです。

 パチスロは一撃の出玉性能が上がれば上がるほど閉店リスクを気にする必要があります。大当り・連チャンの最中に閉店時間を迎えることは、以降の出玉が全てパー。せっかくその出玉を得るためにリスクを受け入れたのに、リターンが完全ではなくなる=期待値が大幅マイナスということになります。せっかくの高設定ですからギリギリまで打ちたくなる心情もわかりますが、無駄になる行動をしてまで打つ意味はありません。

 単純にAT機を打っている場合は、

「天井ゲーム数」+「天井ゲーム数まで回すのにかかった枚数を回収出来るゲーム数」+「自分が納得する枚数を出すのにかかる時間」

この数式でどの機種もヤメ時を算出出来ます。

 大事なのは3つめの「自分が納得する枚数」でしょうか。納得する枚数というのは取り切れずに閉店を迎えてもこの枚数なら納得という意味です。これは打っている人によって様々なので、一概に正解はコレ!というのは決められませんが、個人的には「からくりサーカス」を打っていれば5000枚は欲しいところですね。

 実際に「からくりサーカス」で数字をあてはめてみると
「天井ゲーム数」…約1000G
→内部的には1200だが実質ゲーム数で1000はほぼハマらない

「天井ゲーム数まで回すのにかかった枚数を回収出来る時間」…約500G
→通常時1000G回すのに1500枚、1500枚を回収するには1G3枚増のATが500G必要

「自分が納得する枚数を出すのにかかる時間」…約625G
→5000枚出ているということは既に1G8枚増の上位ATに突入しているハズなので625GでOK

トータルで約2125G。時速750G消化出来ると考えると約3時間。つまり3時間前からヤメ時を考えなければなりません。多くのホールは23時手前で閉店でしょうから20時を過ぎて大当りを消化し終わった後は常にヤメ時を意識。以降は機種の知識をフル活用してギリギリまで押し、期待値を最大化出来るかどうかが腕の見せ所になります。
 もちろん、ジャグラーシリーズやハナハナシリーズといったノーマルAタイプのマシンにはヤメ時がありませんから閉店リスクに怯えることはありません。高設定を掴んだと思ったら時間の限りブン回すのが正解になります。

 AT機を打っている人誰しもが嫌がる閉店リスク。これは競馬に置き換えると「脚を余す」という言葉がぴったりでしょう。「脚を余す」と言えば今週のマイルCSに出走してくるシュネルマイスターが真っ先に思い浮かびます。

 シュネルマイスターは過去16戦していて1着は5回。単勝回収率はちょうど80%。追い込み馬の宿命か、いつも何かしらの不利を受けて負けているイメージがあります。凄い脚で追い込んできたと思ったら、後ろから店員さんに肩をトントンされて「お客さん、閉店でーす」って言われてそうな馬です。今年もおそらく1人気になりそうですが、この馬を1着に据えるかどうかが勝負の分かれ目になりそうです。

シュネルマイスターの負けているパターンは大きく分けて2つ。

●外枠
2023安田記念、2022スプリンターズS、2021安田記念

ルメールJ、横山武史Jのような名手といえども、さすがにワンターンの大外は厳しいのかもしれません。

●スローペース
前半3ハロンと後半3ハロンの差が1.1秒以上あるとほとんど負け
2023毎日王冠、中山記念、2022マイルCS、安田記念、2021マイルCS
新馬戦のみ前後半差1.8秒で勝利。

追い込み馬ということもあり、やはり流れてくれた方がいいのは間違いなさそう。今年はぶっ放す逃げで中京記念を逃げ切ったセルバーグがペースの鍵を握りそうで、ここに競りかける馬がいるかどうかも重要。セルバーグが外枠に入って、押して前に行くようであればさらにペースは上がるでしょう。

シュネルマイスターが内、セルバーグが外なら…閉店リスクがないかもしれませんね。

【今週の推定設定6】
11月17日 福島12R 13 ガルムキャット(ドイルJ)

未勝利勝ち上がり後はハイレベルレースを多数経験してきたが、いずれも後方からの追い込みで肩をトントンされてしまっていた。今回逃げ馬がおらず、テンのスピード的に前を取れてもおかしくないメンバー。ドイルJに乗り替わり積極的に前を取れるなら。

ただし、ドイルJはスタートがあまり上手ではない(先週出遅れ2回、落馬1回)のでその分のオッズは欲しい。

単勝50倍なら設定6でしょう。

赤坂テンパイ
パチスロライター。勝負にこだわった店選び、立ち回りを披露する“ガチ系”。勝ち負けをズバッと言い切るトークが持ち味。「狭く深く」が信条で一度ハマったギャンブルはとことんやりつくす。著書に『赤テン 巻一』『勝負師の一打~赤坂テンパイの流儀~』(原案・取材協力)。
X(旧ツイッター) @genkiakasaka

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