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出資馬選びにおける“血統マイルール”

ダービーが終わり、2歳新馬戦がスタート。2025年のダービーを目指す戦いが始まっています。POGファンの皆さんは、ドラフトを終えてひと段落といったところではないでしょうか。

ですが、休んでいる暇はありません。なぜなら、一口馬主の募集が始まるからです。
私が出資させていただいている社台レースホース、サンデーレーシング、G1レーシングは、毎年、6月が1歳馬募集のタイミング。4月頃には募集予定馬のリストが公開になり、そこから少しずつ全貌が明らかになっていきます。募集価格が出たらあーだこーだ、厩舎が出たらあーだこーだと、仲間たちと意見を交わし、6月の頭に募集馬カタログおよび歩き動画のDVDが届くと、いよいよ本格的な検討タイムが始まります。

このタイミングが絶妙なんですよ。
というのも、6月はプロ野球にとっては交流戦の時期。私はドラゴンズの試合の解説をすることが多いので、パリーグ球団の主催試合になると、移動距離が長くなります。福岡で行われるソフトバンク戦では、飛行機ではなく新幹線を選択し、終点までずっとポータブルDVDプレイヤーと睨めっこ。全く長時間の移動が苦にならず、むしろ夢中になり過ぎて、「えっ、もう着いたの!?」ということもしばしば。
以前にも書きましたが、私は募集動画の動きをAとかBとか評価して、全てカタログに書き込んでいます。測尺や一口ブロガーの方の評価なども書き加えているので、出資馬を決める頃には、私の募集カタログは受験生の参考書のような状態になっています(笑)。
今は募集馬DVDが廃止になってしまい、ホームページ上での動画配信となりましたが、やることは同じです。ただ、スマートフォン上だとどうしても画面が小さくなってしまいますし、何より、DVDプレイヤーを取り出して「さぁ、検討するぞ!」という独特のワクワク感がありました。DVD、復活してくれないかな。

募集馬の検討方法は以前のコラムに書いた通り、募集動画での動きから運動神経を見抜くのが中心ですが、そのベースには“血統”があります。やはり、ダビスタを入り口に競馬を深く知った人間ですからね。

今のように競馬予想に詳しくなかった頃も、同僚から尋ねられて「東京芝だからトニービンの血を持つ馬がいいんじゃない?」なんて答えていました。
つい最近も、血統の力を感じることがあって、それは『POG直球勝負』での矢作調教師との対談の時のことです。フォーエバーヤングの話題になった際「ダートデビューを後押しした一つの材料は、(管理していた)兄のダノンマイソウルのダートでの走りが良かったから」とおっしゃっていたのです。ダノンマイソウルといえば4億円ホースとしてPOGの時期にも話題になった馬でしたが、勝ち上がりはデビュー7戦目のダート戦でした。ダート向きのパワーは母系由来だったということでしょうね。

募集馬選びにおいては、1つだけ、血統の“マイルール”を課しています。それは、「サンデーサイレンスの血が一滴も入っていない馬が検討対象から外す」というもの。日本で行われるスピードレースにおいて、サンデーの血は欠かせないと思っているからです。
以前に、とてもいい馬体で、周囲からはいい評判、高い評価ばかりが聞こえてきた馬がいました。実際に募集時にも人気を集めていたのですが、その時も全く食指は動かず。サンデーの血をもつ別の馬に出資を決めたということもありました(結果的ににはその馬も私の出資馬もあまり活躍はできませんでしたが)。

出資馬選びに迷っている今が、一口馬主という趣味においての最高の時間。あと一週間ほど、頭を悩ませたいと思っています。

やまもとまさ
プロ通算219勝、3度の最多勝、沢村賞、史上最年長でのノーヒットノーラン、50歳での登板など、記録にも記憶にも残る活躍を果たした球界のレジェンド。現在は野球解説者・スポーツコメンテーターとして活動している。ラジコン、クワガタ飼育等、多趣味としても知られる。競馬への造詣も深く、一口馬主としてアルアイン、シャフリヤールに出資する相馬眼の持ち主。
X(ツイッター) @yamamoto34masa

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