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プロ棋士がガッツポーズをしない理由

みなさんこんにちは!先日のスプリングSで、ついに3連単533倍をゲットした藤森です!
馬券をよく見ると6着まで当たっていて6連単が当たっていることに気づきました。3連単を2回にさせて欲しいです。

今回は

「プロ棋士はなぜガッツポーズをしないのか?」

についてお話したいと思います。

これは結構聞かれる質問の1つです。
よく言われます。終局後、両棋士の映像だけだと
いったいどちらが勝ったのか、わからないと。

将棋ファンの方は将棋を指して、勝ったらとても嬉しいと思うし
負けたらものすごく悔しいと思うでしょう。

それはプロ棋士も同じで、日々いろいろ嬉しいことや落ち込むことはありますが
将棋で勝つことが1番嬉しいし、将棋で負けることが1番落ち込むことなんです。

なので本当はガッツポーズをしたいぐらい嬉しいのですが
正直なことを言うと、負けなくてよかったな、といった感じでしょうか。
そして家に帰って落ち着いたら、ジワりと嬉しさが込み上げてくる感じです。

僕は自分のYouTubeチャンネル将棋放浪記でこの話を
爆弾処理班に例えて説明しました。

みなさんイメージしてみてください。
自分が爆弾処理班で、映画やドラマでよくある、赤色か青色の線をチョキンと切るあのシーンです。
最後の大詰めの局面で、相手の王様を詰ます手順を間違えないか。
相手が自分に王手をかけてきて、詰まされないように逃げ切るか。
1手1手慎重に読んで、読んで、何度も確認をします。そこに1つでも読み抜けがあると、ドカーンです。

タイムリミットが迫って、最後の赤色か青色の線を切って、爆弾が解除された瞬間、みなさんはガッツポーズしますか?

ふぅーーーー。助かった・・・。
負けなくて・・・良かった・・・。

になりますよね?

将棋はどんなにリードをしていても、たった1手のミスで逆転してしまう恐ろしいゲームです。なので、勝って嬉しいという気持ちも当然あるのですが、負けなくてよかった、という気持ちの方が先に来るのかなと思います。

あとは将棋は長い戦いで一瞬で決着がつくものではないし、負けるほうはだんだんと負けがわかってきて、勝つほうもいきなり勝ちが降ってくるわけではなく、勝てそうだけど、間違えないように、という考えだからでしょうか。

1日をかけて一緒に将棋を指した、1局の将棋を共有した「相手」のことを尊重してのこともあると思います。昔からずっと1つの世界で戦ってきて、それは相手も同じです。一喜一憂しないということですね。

さて今回はなぜ将棋でガッツポーズをしないのか?
をテーマにお送りさせていただきましたが
競馬では思いっきりガッツポーズをする藤森です
家ではテレビに向かって「差せ!」「そのまま!」と叫びます。

今週もガッツポーズができるように予想していきましょう!
今回は高松宮記念。

気になる馬は2頭で、ルガルとディヴィーナです。
ルガルの西村淳也ジョッキーは勝てば初G1勝利。

そしてディヴィーナのミルコ・デムーロジョッキーは
最近調子が上向いているように見えます。
もうそろそろ爆発する頃とみます。

G1で大荒れするとしたら高松宮記念という気がするので
広めに馬券を買っていきたいです!!楽しみましょう!!

ふじもりてつや
1987年生まれ。将棋棋士 五段。「迷ったら攻める」「攻めっ気120%」の棋風で知られる。映画 「3月のライオン」 前編・後編では俳優陣への将棋指導・監修を担当するなど、将棋の普及に尽力しており、自身のYouTube『将棋放浪記』は、チャンネル登録者数16.7万人を誇る(9月6日現在)。著書多数。
YouTubeチャンネル:将棋放浪記

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