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競馬デビュー。そして“あの”ゲームとの出会い

競馬評論家の山本昌です。
違いますね(笑)。野球評論家の山本昌です。

ついついそう言ってしまいたくなるほど、今は競馬のお仕事をたくさんさせていただいています。
そういえば、ついにアニメ『ウマ娘 プリティーダ―ビー Road to the Top』では、正真正銘の“競馬評論家”役として声優デビューさせていただきました(声優の仕事って難しいですね)。

毎週末の馬券購入はもちろん、一口馬主としてもシャフリヤールでダービーを勝たせてもらうなど、本当に競馬には楽しませてもらっています。私ほど、競馬を楽しんでいる人間はいないんじゃないかと思うほど(笑)。

ただ、若い頃からずっと競馬にハマっていたというわけではなくて、競馬、特に馬券を買うようになったのは現役生活の終盤近くになってからでした。
そこで、第一回のコラムは、私と競馬のかかわりについて、簡単に振り返ってみたいと思います。

記憶を遡ると、初めて馬券を買ったのは1990年の天皇賞(春)。競馬好きの先輩から「背番号を買っておけ!」と言われたからです。当時は枠連しかなかったので、枠連の3-4。人気馬同士のガチガチの決着でしたが的中しました(編註:1着スーパークリーク、2着イナリワンで枠連3-4の配当は380円)。

中日ドラゴンズのかつての本拠地・ナゴヤ球場はWINS名古屋とは目と鼻の先。競馬を嗜むには絶好の環境で、ビギナーズラックにも恵まれたわけですが、それで競馬にハマるということはありませんでした。
ラジコン、クワガタ…ご存じの通り、私はハマったらとことん突き詰めるタイプ。正直、そこに競馬が加わったら、もう、時間が足りません。
当時の私は、競馬というのは、「赤ペンを耳にさしたオジさんが、朝から晩までモニターに食らいついているもの」という先入観があったのです(笑)。
自分がハマり症だとわかっているからこそ、敢えて競馬を遠ざけている部分がありました。

そんな私が競馬にハマっていく最初のきっかけは、有名なあのゲーム。そう、ダービースタリオン。通称ダビスタです。

ある年のキャンプ中、若手から「競走馬を育成するゲームが流行っているんですよ」と聞いたのが入り口。
今はゲームといえばスマホが主流ですし、Nintendo Switchも持ち運び可能なので、出先でゲームをやるのは当たり前になっていますが、当時は、キャンプ地にゲーム機を持ち込むという発想がありませんでした。そんな面白そうなゲームがあるなら、「じゃあ、買っちゃおう」ということで、スーパーファミコン本体とソフト(ダービースタリオンⅡ)をキャンプ地で購入。
いざ始めてみると…もう、面白くて。こりゃ流行るわけだと、練習終了後は、飲みにも行かずにひたすらやりこみました。

まずはノーリセットでクリアして、あとはひたすら最強馬育成。
とにかくシルバイオーに勝ちたくて…って、今の若い人はピンと来ないか(笑)。
シルバイオーというのは、ダビスタ四天王の一角・横井顕さんが生産したダビスタⅡでの最強馬なんですよ。
『牝馬10代重ね』『60戦無敗理論』など、最強馬育成理論の粋を集めた馬で、確かアスキーの公式BCを優勝していたはず。
この馬を越えるために、毎晩、薄れゆく意識の中、ターボファイルを使って再生産を繰り返したものです。
念のため言っておきますが、私はオンとオフの線引きはしっかりするタイプなので、ダビスタをするのは登板3日前まで。2日前からは一切、コントローラーには触らないようにしていました。

ダビスタを通じて、血統や配合の奥深さを知り、この知識が礎となって、後に深い競馬沼へとハマっていくことになるのです。
(次回更新は7月18日となります)

山本昌
プロ通算219勝、3度の最多勝、沢村賞、史上最年長でのノーヒットノーラン、50歳での登板など、記録にも記憶にも残る活躍を果たした球界のレジェンド。現在は野球解説者・スポーツコメンテーターとして活動している。ラジコン、クワガタ飼育等、多趣味としても知られる。競馬への造詣も深く、一口馬主としてアルアイン、シャフリヤールに出資する相馬眼の持ち主。
ツイッター @yamamoto34masa

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