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マサかの直接対決

先週の宝塚記念で競馬の世界は上半期が終了。今週からは本格的な夏競馬のシーズン到来です。

宝塚記念は前日からの降雨で重馬場での開催。直線は内側を大きく空けた攻防で、まるでアイビスサマーダッシュを観ているかのようでしたね。勝ったブローザホーンも2着のソールオリエンスも道悪での実績十分で、馬場適性が大きく明暗をわけたレースとなりました。
正直、今年の宝塚記念は京都で開催されるので、シャフリヤールにも出て欲しいと思っていたんです。だから、ドバイの後、クラブから「次走は札幌記念」というアナウンスがあったときが少し落胆していたのですが、結果的には正解でした。シャフリヤールは不良の神戸新聞杯で全く動けなかったぐらい道悪の苦手な馬ですから。幸いなことにシャフリヤールはその後に立ち直って大きいところを勝ってくれましたが、その一戦でリズムやメンタルが崩れて活躍できなくなってしまうケースもあるので、本当に紙一重の世界だなぁと痛感します。

そんな雨の宝塚記念デーに、期待の出資馬がデビューしました。23日京都5Rに出走したサラコスティです。お母さんのサロニカは17年のエルフィンSを勝っており、そのお母さんはサロミナ。サリオスやサラキアなど活躍馬をたくさん送り出している牝系で、この馬のお父さんはエピファネイアです。
出資を決めた経緯を思い出してみたのですが、そんなに記憶がない(笑)。それだけスンナリ決めたということですね。当時の資料を確認してみると、サロニカの他にはチェッキーノやカラフルブラッサム、キングスローズあたりをピックアップしていました。

競馬が紙一重の世界と言いますか、運命の悪戯とでも言いますか、サラコスティのデビュー戦にもちょっとしたドラマがありまして。
この春、POGの電子書籍POG直球勝負の企画で、藤田晋オーナーと対談させていただく機会があったことは前にも書きましたよね。その対談に先立って、ノーザンファームにも取材に行く機会があったのですが、そこで紹介していただいた凄い馬が藤田オーナー所有のエリキング(父キズナ、母ヤングスター)だったのです。一目みるだけで「これは!」と思わせる雰囲気をまとった馬で、実際にPOGのオススメ馬として、この馬の名前を挙げてきました。

サラコスティの方はというと、とにかく出資を決めた段階から今日に至るまで、ずっとレポートが好感触。マイナスなことを書かれていた記憶がないぐらいに順調な成長を遂げ、牧場で取材した際にも育成を担当する山内厩舎長は「こんなに柔らかいエピファネイア産駒は初めて」と褒めてくださいました。山内厩舎長といえばアルアインを育てた方で、思い返せば、アルアインに対しても「これまで感じたことのないような柔らかさ」と形容していました。これで期待するなというのが無理でしょう(笑)。

春先に入厩を果たし、順調にゲート試験にも合格し、ルメール騎手を鞍上に迎えてのデビュー戦が決定。もう、期待は高まるばかりです。

ところが…。

あの牧場でみた大物エリキングも同じ宝塚デーの京都芝1800mでデビューするというじゃないですか。しかも調教では素晴らしい時計を出している、と。
POGでオススメしたし、牧場でそのオーラを感じたし、藤田オーナーとの対談でも「この馬は走りますよ!」と太鼓判を押しました。
だけど今回はさすがにサラコスティよ、勝ってくれ!!

結果はご存じの通り、エリキングが1着でサラコスティが2着。
藤田オーナーはウィナーズサークルでポーズを決めていましたね(苦笑)。
サラコスティは出遅れてしまい、その後も折り合いを欠いたので後方待機策。直線ではエリキングの外から伸びてくれましたが及びませんでした。
ただ、今回はあいにくの重馬場でもありましたし、スムーズなレースにならなかった部分もあります。まだ勝負付けは済んでいない…はず。
この先、ともにクラシック戦線に乗って、どこかでリベンジできたら最高ですね。

やまもとまさ
プロ通算219勝、3度の最多勝、沢村賞、史上最年長でのノーヒットノーラン、50歳での登板など、記録にも記憶にも残る活躍を果たした球界のレジェンド。現在は野球解説者・スポーツコメンテーターとして活動している。ラジコン、クワガタ飼育等、多趣味としても知られる。競馬への造詣も深く、一口馬主としてアルアイン、シャフリヤールに出資する相馬眼の持ち主。
X(ツイッター) @yamamoto34masa

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