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あの馬は『獣王』の設定6

 先日の秋華賞のリバティアイランドの強さはまさに圧巻でした。あの馬をパチスロの台に例えるなら間違いなく『獣王』です。しかも設定6の。

 獣王というマシンは4号機爆裂AT機時代の火付け役と言ってもいい伝説的なマシン。通常時は超高確率で15枚役が成立しているのですが、左リールが3択、中・右リールが2択になっていて12択を正解しないと揃えられないという仕組みです。
 しかしAT「サバンナチャンス」に当選するとその12択を完全にナビしてくれて出玉がすごい勢いで増加。1Gあたり+10枚近かったと記憶しています。それにBIGとREG、2つのボーナスが絡んですごい勢いでコインが増えていくのでした。
このサバンナチャンスは当時かなりの社会現象を巻き起こしていて、野球の応援のチャンステーマ(今でも社会人野球で獣王を作ったサミーが使用)に使われたり、テレビの中でもBGMとして使われていたりしました。テレビの中から聞こえた時はアンダーグラウンドなイメージのパチスロもついにここまで来たか!と、感動したのを覚えています。
 もちろん競馬界にも影響を及ぼしていて、実際「サバンナチャンス」という馬がつい今年の1月まで走っていました。1勝クラスを勝ち上がったところで抹消されたのですが、どこまで連チャンするのか見てみたかったですね。

 少し話が逸れたので、サバチャンそのものに話を戻しましょう。
 初代獣王の設定6(機械割約145%)は本当に超が何個ついてもおかしくないくらいのエクストラ仕様でサバチャンの抽選契機となる「ハズレ」を引くと内部状態に関係なく1/1.08で当選します。パーセンテージに直すと約92.5%です。ちなみに次点で当選率が高いのは設定5・高確率状態で1/1.6=62.5%。高確率状態でこの数字で、低確率状態だと約4%まで落ちます。
 こういった仕様のため、設定6が入るイベントではハズレを引こうものなら横目でチラチラみんなが見てくるのがわかりました。どうせサバチャンに入ったらサバチャンランプが光るんですけどね。で、どこかでサバチャンランプが点灯したら「あそこだったかー」とみんながガックリ肩を落とす。そんな感じでした。1台設定6があるだけでも優秀、2台あるホールは本当に稀でしたから、当たりが見えると蜘蛛の子を散らすかのようにみんな帰って行くのです。

 万枚が余裕で見えるスペックの獣王の設定6。それくらいリバティアイランドには安定感が見えました。川田Jが上手く包まれないところにエスコートして、本人曰く「3コーナーで勝ちを確信」していたように、後は走ってくるだけといった感じで抜け出してからは誰も追いつけない。終始先手先手を取り続けた圧巻の内容でした。しかし、あまりにもスムーズ過ぎ。外枠にもう少しリバティアイランドをブロックしてくれるような存在がいれば、92.5%を引けなかったかもしれません。具体的にはハーパー騎乗のルメールJと枠が逆だったらまだわからなかったかな、と。今後古馬との戦いに進んでいくのでしょうが、まずは内枠を引いた時に嫌ってみようと思います。
 余談ですが、マスクトディーヴァの最後の末脚。あれにはゾッとしました。サバチャン29連(MAX連チャン)引いたのかと…閉店間際で取り切れなくなるのと同様に、仕掛け遅れでポテンシャルを最大限活かせませんでしたが直線がもっと長いコースなら逆転もありそう。再戦が待ち遠しいです。

【今週の推定設定6】
10月21日(土) 東京11R 2マテンロウオリオン(田辺J)

とにかくスタートに難がある馬。ただし今回はメンバー的に前に行く馬が隣のユニコーンライオンくらいで、多少出遅れてもリカバリーが効きそう。スムーズに走ればマイラーズC位は走れる。出遅れずにユニコーンライオンの後ろ、ラチ沿いが取れれば突き抜けても。この手の出遅れ癖のあるタイプはオッズが付いている時は常に買い続けたい。

単勝20倍なら設定6でしょう。

赤坂テンパイ
パチスロライター。勝負にこだわった店選び、立ち回りを披露する“ガチ系”。勝ち負けをズバッと言い切るトークが持ち味。「狭く深く」が信条で一度ハマったギャンブルはとことんやりつくす。著書に『赤テン 巻一』『勝負師の一打~赤坂テンパイの流儀~』(原案・取材協力)。
X(旧ツイッター) @genkiakasaka

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