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スマスロエヴァのボーダーとリバティアイランドの必要勝率

今月のスロット業界のトピックと言えば間違いなく『エヴァンゲリオン~未来への創造』でしょう。出る前からかなり危ない匂いを感じていたスマスロエヴァですが、蓋を開けてみたら想像以上の極悪スペックだったのです。
その悪い特徴の一つが天井。なんと出玉が増えるATまでの天井が最大3500Gとなっていて初当りまでに10万円以上投資させられる可能性があります。じゃあそこまで吸い込みがきついなら出玉もさぞかし凄いのだろうと思っていたら、差枚数で2400枚までしか出ない一時代前の仕様になっていて多くのスロッターがドン引きしてしまいました。
もう一つの大きな特徴が設定6の挙動。前に紹介したあの「エクストラ挙動」なのです。その中身は…
 
「ほぼほぼ600GでATに当選して1200~400枚近く出る」

という仕様。延々600Gの間、何も当たらない演出を見せられて1時間後に200枚増えているという、お金は増えるけどとんでもない苦行という設定6なのです。

これを競馬で例えると

「中山3600mのステイヤーズSに出走したオッズ1.2倍の馬が絶対勝つと分かっているが、1回に単勝1000円しか賭けられない」

こんな感じでしょうか。まあ、勝てるなら打つのが正解なんでしょうがギャンブルをしたい、一発逆転をしたい人には向いてないですね。

こういう設定6以外動きようがない台を導入してしまったホールが取る行動は大きく分けて2つ。
●設定1で機械代が回収出来るまで放置
●設定6を投入して近隣店との違いをアピール

前者はもちろん行く価値はありません。狙うべきは後者ですが、設定6がどれくらい入っていれば期待値がプラスになるかを考えておく必要があります。

営業形態にもよりますが1日8000Gと仮定すると

◆設定6の収支
3枚×8000G×113.1(機械割)÷100=27144(1日のアウト枚数)
27144(アウト枚数)-24000(イン枚数)=3144枚

となり、1日ブン回すと3144枚のプラス。等価だと約63000円くらいの期待収支となります。

◆設定1の収支

設定6と同様に算出すると
3枚×8000G×97.6(機械割)÷100=23424(1日のアウト枚数)
23424(アウト枚数)-24000(イン枚数)=-576枚

と約576枚のマイナスと…とはなりませんよね。なぜなら600G回した時点で当たらなかったらほぼ設定6が否定されるので1回初当りを引かれた時点で即ヤメられてしまいます。つまり設定1はAT初当り1回分しか動かないということです。8000Gの部分を設定1のAT初当りの分母1/932.3に置き換えると

3枚×932G×97.6÷100=2728
2728(アウト枚数)-2796(イン枚数)=-68枚

なんと1台あたり約-68枚。1300円のマイナスにしかなりません。

設定6を1台投入すると63000円店側のマイナス
設定1が1台稼働すると1300円店側のプラス

63000÷1300=約48

となり、48台に1台入っていれば期待値がプラマイ0ということになります。しかし実際48台も入っているホールなんかありませんよね。つまり、ほぼ「設定6を使えない」ということになってしまうのです。
このようにはっきりした挙動をする機種はボーダーラインを容易に算出することが出来るので覚えておくと立ち周りやすくなります。スマスロエヴァとは逆に設定推測が難しい台はその分設定1が稼働し続けることになるので、ボーダーラインはかなり下がり高設定を投入されやすくなる傾向にあると考えても差し支えありません。
ちなみに設定6がほぼ使えないスマスロエヴァに設定6を使ってくるホールは赤字覚悟でアピールしてきてるわけですから、スマスロエヴァだけでなく周りにも力が入っていると考えてもいいかもしれません。実際に打たなくてもホールの状況がわかるという特殊なケースですね。

競馬でボーダーラインと言えばやはり必要勝率という話になるのでしょうが、今週はみんなが頭を悩ませるであろうリバティアイランドの単勝オッズが戦前からとにかく話題に上がっています。
個人的には単勝1.1~1.3くらいで落ち着くと思っているのですが、実際どれくらいの勝率が必要なのか覚えておきましょう。

単勝 必要勝率
1.1  約90%
1.2  約83%
1.3  約76%

どうですか?
この必要勝率を超えるイメージは沸きますか?10回に1回しか負けないなら単勝1.1倍でもチャラにはなりますが、枠の並び次第では勝率が下がりそうと自分は考えています。具体的には内枠に入って包まれるパターンが怖い。加えてルメールJが近くにいればブロックが強烈になりそうでより勝率は落ちると考えます。外枠を引いた方が無難に走ってきそうですが、今度は京都の内回りで届くのかという話になってきそう。こうやって分からない勝率を考えるのがスロットにはない競馬の醍醐味ですね。

【今週の推定設定6】
10月14日(土) 新潟2R 10リュウノアラス(小林凌J)

ようやく3場開催。出走馬もジョッキーもかなりバラエティに富んでいて楽しみですね。

小林凌Jはダートではかなり先行意識の高いジョッキー。前走はリズム重視の田辺Jが後方から運んで上がり上位の脚を繰り出すも、さすがに道中後方過ぎて届かず。ここで減量+先行策を取れれば一発あっても。

据え置きよりちょっと下がった15倍なら設定6でしょう。

赤坂テンパイ
パチスロライター。勝負にこだわった店選び、立ち回りを披露する“ガチ系”。勝ち負けをズバッと言い切るトークが持ち味。「狭く深く」が信条で一度ハマったギャンブルはとことんやりつくす。著書に『赤テン 巻一』『勝負師の一打~赤坂テンパイの流儀~』(原案・取材協力)。
X(旧ツイッター) @genkiakasaka

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