その恋は光を超えて エピローグ

エピローグ その恋は時を超えて

残ったのはすでに語られた物語。過去に辿り着いたメルトリリスが月から派遣されたというBBと知識を共有し、殺生院キアラに向けて対策させたこと。初期化したもう一人の自分を壊したこと。藤丸立香がやってくるまでの下準備など些末なことである。
自分の経験とはまるで違う「もう一回」の冒険。全ての思い出は輝かしく…そして。

正真正銘、最後のパラディオンの槍としてキアラと刺し違える。メルトリリスはそのつもりだった。しかし変わり果ててしまった/何も変わってなかった「正義の味方」のお節介で彼女は僅かばかりの命を得た。とうに限界を迎えていた彼女の霊基は崩壊しかけている、それでも欠けた視界に藤丸立香を見た。
気を失っているのだろう、最期なのに目を開けてくれないことに少しだけ腹を立てながら、その穏やかな顔を、ただ彼女達を見つめてくれた尊い人を救えたのだと実感する。

(ああ…ようやく、私の恋は届いたのね。)

【その恋は時を超えて 終わり】

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