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vol.2 教育観を支える理論/実践

前回はこんな記事を書きました。
今までを振り返っても、自分の視座/解像度が高まる瞬間は、ひたすら本を読んでいる時だと思います。

あくまでバランス感ですが、「感覚 (≒感性)」と「理論 (≒バックボーン)」を両立するの重要性を実感しています。

感覚→その場の状況を感じ取り、その場で最適解を見出す在り方
理論→感覚で掴み切れない仕掛けの部分を視野に入れる在り方

様々な経験を積むことで、前者の在り方は養われていく感覚がありますが、後者は、地に足つけて深めていく姿勢が必要になる。

先人の"知恵"に頼ることは最善を尽くす上で重要

今自分に求められている (不足している) 力は、抽象を頭で理解する力ではなく、身体で具体の実践を生み出す力だと認知していますが、実践を自ら生み出すためには、自分の立場(何をバックボーンに敷いているのか)を明らかにしておく必要があります。

教育実習の指導教員からも「non policyはありえない」という言葉もいただいたので、今回は土台にあるpolicyの構造化を試みたいと思います。

教育観の土台にある理論と実践

そもそも、「教育観」が何を意味するか難しいですが、根底にある、こだわり、ゆずれない観点や考え方だと思います。

・教育とは何か。
・それはどうあれば「よい」と言えるのか。
・そもそも何のための教育か。教育の目的は何か。
・教育を通して、どのような力を育む必要があるのか。
・そのためには、教師はどう在るべきか。
・我々は、どのような社会を構想する必要があるのか。
・より「よい」社会を構想するために教育にできることは何か。

「教育の力」(苫野一徳) 参照

教育観を底の底から明らかにすることは、上記のような教育をめぐる「問い」への"答え"を解明することから始まります。

これらの問いを意識しながら、それを層構造として図式化したものが図1
自分の感覚を図に落とし込んだため、この図自体に学術的な裏付けはありません。

図1: 自分のpolicyを定める問い

図の中心部 (緑色)から同心円状に広がっていくイメージです。順番に各層の中身を言語化してみようと思います。

① どのような教育が「よい」のか、そして、教育を通して、どのような社会を構想する必要があるのか。 (公教育の最上位目的)
② ①の最上位目的を実現するためには、学校の教室において、どのような学習環境をデザインすると「よい」のか。(引き起こしたい学びのプロセス)
③ ②の環境を実現するためには、どのような手段が最適と言えるのか。教師は、どのように自らの専門性を発揮するか。(教師の専門性)
④ 日々の授業の積み重ねの中では、目的や状況に応じて、どのような具体的手段を選択・創造するか。(教育方法の選択)
⑤ 授業を通して、どのような資質・能力を育むか。それを社会に向けて、どのように発揮していくか。(公教育で社会をつくる)
⑥ 学習者の学びを支えるために、学校/教師集団ではどのような文化を醸成するべきか。(市民を育成する学校文化)
⑦ 公教育を通して、社会のどのような課題に向き合う必要があるのか。(公教育の構想原理)

①~⑦の関係性を整理すると以下のようになります。

①公教育の最上位目的が、②引き起こしたい学びのプロセスを定める
②引き起こしたい学びのプロセスが、③教師の専門性を定める
③教師の専門性を具体化したものが、④教育方法
⑤公教育で社会をつくることを支える⑥学校文化
⑥市民を育成する学校文化を通して、⑦公教育の構想原理を実現する
①公教育の最上位目的に、学校の関係性を視野に入れたものが⑦公教育の構想原理になる。

自分の暫定解

図1の問いに対する、現時点での自分の"答え"を入れたものが、下の図2です。

図2: 問いに対する暫定解

これらが、自分の土台であり、policyを形成する考え方や実践になります。それぞれのキーワードが、どのように具体的につながるかは、現場で実践しながら探究していきたいと考えています🌱

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