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【ピン2分ネタ】例えば、



女一人暗転板付き
とうとうと語るネタ

BGMチャットモンチー「例えば、」


「『ハンカチ落としましたよ』男に声を掛けた刹那、その瞳が私を惹き付ける様は、まるで未確認飛行物体が放つ光のようだった。

男はかつての恋人であった。それはまるで合成着色料をたっぷり使ったアメリカのお菓子のように、毒毒しくて甘い恋だった。

男はソーダ水の様に爽やかな笑顔をしていた。
私は例えば、雷に打たれたような、或いは例えば、秋元康の妻がおニャン子クラブの人だったと知った時のような衝撃を受けた。驚きを隠せない私を見て彼は例えば、初めてSUBWAYに来たときのように戸惑いながらも、例えばインコが無理矢理覚えさせられた言葉を話すように『ありがとうございます』と言った。私は、かつての恋人であるということを告げるかどうか迷っていた。例えば人肉を目の前にしたヴィーガンのゾンビくらい迷っていた。
一方で彼が考えているのは全く別の事、例えば90度に腰の曲がったお婆さんをプレスして飛ばしたらブーメランのように帰ってくるのか、或いは例えば、国境線で反復横跳びしたらパスポートがスタンプでいっぱいになるのか、とかを考えていそうな目をしていたが、私が「幸せそうですね」と言うと、彼も気がついたようだった。容姿が変わったとしても、例えば水沢アリーくらい、或いは例えば平子理沙くらい、或いは例えばMattくらい変わったとしても声は変わらないのだ。当たり前である。例えばうんこが臭いくらい当たり前である。

元彼にハンカチを渡した。それだけの事で私の気持ちは大きく変わった。例えばそれは、普通のうんこと下痢のうんこくらい変わった。

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