王様戦隊キングオージャー 第47話「神を黙らせろ」妄想考察

前回第46話に続いて、グローディ編の後半です。
グローディーはもともと死んでいたので、ヒメノの「命を刈り取る力」が通用せず、ジェラミーの永遠の命ギミックをグローディーに撃ち込み、グローディーが命を持ったところを殺そうという算段です。

再び、神の怒りが起こる

ナレーション「だが、力を増したグローディーが覚醒し、
再び、神の怒りが起こる、とさ。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

命を与えた瞬間にさっさと殺せば良かったのに、もたもたしていたせいでチキューが大ピンチ。どう見てもマッチポンプです。

逃げようとするグローディーを止めようとしたところ、ダグデドが現れます。

ダグデド「じゃまするなよ。やっとグローディーがやる気なんだから。
バグナラクの星みたいに、滅茶苦茶にしちゃえー!」

王様戦隊キングオージャー 第47話

番組開始1分で筆者のテンションはだだ下がりです。
何よ「バグナラクの星」って。

ジェラミー「バグナラクの、星?」
ダグデド「そう。お前のご先祖様の星は、グローディーがきれいにしたんだよ。」
ジェラミー「生きのこったバグナラクはチキューに逃げてきた。
で、人間と戦わせたわけだ。

王様戦隊キングオージャー 第47話

筆者は、本作は番組開始前の時点で、結末までの大まかなプロットができており、行き当たりばったりの要素は比較的少ない状態で進行するはずだ、と述べていましたが、本件(バグナラクの星)については完全に後付けだと確信しています。

「バグナラク星」の話が出てくる以前は、バグナラク族はチキューの原住民という設定でした。

ギラはダグデドが作った不良品の泥人形扱いで除外するとして、他の登場人物たちの先祖である人間たちは、キョウリュウジャー世界の「地球」から、本作の舞台であるチキューへ渡ってきたのですが、そこで行われたのは「地球」の人間による殺戮と略奪です。

ダグデドの介入があったにせよ、人間たちは原住民のバグナラク族と戦い、殺戮を行った後、滅ぼしかけるか封印するかして、チキューを乗っ取りました。
またこの戦いの中で、もともと人間態だったバグナラク族は、侵略者に対抗するために「シュゴッド(ソウル)を喰い、異形に変貌する」という外道に落ちています。

主人公(を除く仲間一同)が悪逆の徒であることに対し、何らかのクレームがあったか、製作か提供あたりから指摘の声が上がったのでしょう。

「バグナラクの星」などという設定が発生したところで、バグナラク族に対する殺戮と略奪の事実は変わらないわけですが、「原住民から略奪した」よりは「対等な立場で新しい土地に来た2種族が戦争した」の方がマイルドだと判断したのだと思います。

人間たちがもともと「地球」由来だった点については、壁画だのコーカサスカブト城だの、さんざんギミックをばらまいておいて、「バグナラクの星」についてはこれまで全く断片すら語られなかったことがその証左となるでしょう。

念のため申し添えておきますが、筆者は「後付け設定」を否定しているわけではありません。
シナリオが面白くなる前向きな変更なら積極的に実施した方がよいと思います。
叩かれて逃げるためにむりやりこじつけた系は格好悪いですけどね。

逃げるグローディーを追おうとするヒメノをリタが止め、ギラが声をかけます。

ギラ「いまは倒す時じゃない。助けるんだ。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

グローディーを倒したら神の怒りは解消しそうな気がしますが。
せっかく「側近」という役割が用意されているのだから、国民の避難は彼らに一任することも可能なはず。(それくらいできる程度には物語の中で成長していてほしい。)
同時に王たちはグローディを追い、仕留めることができれば、国の施設や環境は半壊程度で済むかもしれない。
「助ける」がエモいと思ったのかもしれないけど、人間が生きのこったとしても、国土を全壊させられたら復興にどれだけ時間がかかるかわからない。

リタ「建造物、農作物、その他の損害はやむを得ないものとし、
最優先目標は死者ゼロ。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

「死者ゼロ」って言ってみたかったんですよね、わかります。

物語第一部で、デズナラク8世と決着をつける前、ジェラミーが5国の王に対し、バグナラク国をチキューの国家として認めてほしいと乞い、対し

リタ「国として認めるには、国土、国民、そして国王が必要。」

王様戦隊キングオージャー 第26話

と言っていました。

このあとしばらくして、せっかく認められたバグナラク国はいったん「滅びました」となります。
国王であるジェラミーは健在。サナギム(国民)はゴキブリのようにしぶとくわいてくる。
国の土地そのものが消滅した気配はない。(後ほど出てきますがバグナラク国は地上の5国の直下につながっています。どこまでが範囲なのかさっぱりわかりませんが、地下が地形が変わるほどの影響を受けたら、地上も崩壊するはずです。)
となればこの「バグナラク国が滅びた」は「その土地が居住可能な環境ではなくなった」と解釈するしかない。

今回、神の怒りから避難することで国民は生き延びたとしても、土地が滅びてしまえば、バグナラク国と同様に、国家として成立しなくなるわけです。
まあンコソパが滅びたときもすぐに復旧していたし、実はチキューの国家は壊れにくいか壊れても即時復旧する謎素材でできているのかもしれませんけど。

とまあそれはさておき、神の怒りで発生したセミシュゴッドゾンビが空中を埋め尽くしているにも関わらず、王たちはシュゴッドで空を飛び自国へ戻ります。
もしかしてセミジュゴッドゾンビ、ただ飛んでるだけで無害なのでは。

シオカラ「神の怒りがチキューを覆い尽くすまで、あと8時間43分48秒3333....」

王様戦隊キングオージャー 第47話

しゃべっている間に数秒経過しているので、ずっと小数点以下の33333を擦り続けるのは、まあギャグ描写なんですけど、パソコンの国の人を数字の扱いでアホに描くのは見ていて気分の良いものではありません。(シオカラが特別にアホの子なのはさんざん既出かもしれませんが…。)

各国は役割分担をしながら、国民の避難を開始します。

シュゴッダムでは、ドゥーガが兵を集め、ラクレスに話を継ぎます。

ドゥーガ「ラクレスは、ギラ様の許可を得て、我々に話すことがある。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

ざわつく兵に「静かに」と命じたあと、視線を下げ、少しだけ顔をしかめてから話を始めるドゥーガが良いですね。
ドゥーガはたぶんラクレスに対し憎んだり蔑んだりしているわけではなくて、暴虐の王として振る舞っていた理由も聞いていて、ラクレスもギラと同じように主君として扱いたいのだけれど、兵たちの手前それができず、ギラは「様」呼びなのにラクレスは呼び捨てしなければならないんですけどぐぬぬぬぬ、みたいな感情なのだと思います。

真っ先にセミシュゴッドゾンビにたかられているイシャバーナへは、コーカサスカブト城が救助に向かいます。
変形メカの活躍シーンなんて、なんぼあってもいいですからね。

セミシュゴッドゾンビの攻撃を、クワゴンたちの援護を得て退け、コーカサスカブト城はイシャバーナへたどり着きました。
先ほど王たちが自国に戻る際に悠々と空を飛んでいたのはいったん忘れましょう。

なお第34話で「地球」からチキューに戻ってきた時に、宇宙空間でシュゴッドゾンビの群れに突入するシーンがあったのですが、あのときはキョウリュウジンを登場させるためにクワゴンが負傷していたので、微妙に別のシーンでした。

とりあえずエレガンスちゃんはかわいい。

それでまあ、なんやかんやあって、うまいことみんな避難しました。
各国の地面に穴を空けたらバグナラク国に繋がっていたくだりは、もう面倒なのでスルーします。

とりあえず地下でもコガネちゃんはかわいい。

地上の国の国民たちを受け入れたバグナラク国の王ジェラミーは、国民であるサナギムに語ります。

ジェラミー「お前さん方の頭には、戦って勝つことばかり。
でも今は、手を差し伸べて助けてる。どんな気持ちだい。」
サナギムたち「ウレシー」
ジェラミー「これを、これからのバグナラクの生き方にしよう。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

ここ、単品だといいこと言ってるんですけど。

そんなの、ジェラミーが王を名乗ってバグナラク国を認めてもらった時点で完了してないといけない程度の、あたりまえのことなのでは?
国家として認められたバグナラク国の国民は「戦って勝つことばかり」で、他国とどのように共存するつもりだったの?

それに地上の国民たちがどれだけ事情を知っているのかわからないのですが、サナギムは(ゾンビでも生身でも)ザコ戦闘員としてずっと地上を攻撃し続けていたわけで、そんな連中の国に招かれたって、いくら非常時とはいえ信用できるとは思えないのです。筆者なら、地上人を殲滅するための罠かもしれないと思います。

まあコガネちゃんがかわいいので、さらっと流しましょう。

シュゴッダム国では、ラクレスが最後まで残って国民を避難させていました。
ほぼ完了したと思ったその時、目の前に車椅子の女性が現れます。

女性は段差につまずき車椅子から落ちますが、倒れるときにいったん膝で体重を支えてから手をつき、そのあと地面に転がっています。
足が不自由であれば、車椅子から落ちた時点で体全体で倒れ込みそうなものですが、まあそんなことしたら痛いですからね。不自然でも順番に着地しましょう。

女性は17年前の神の怒りで家族を亡くした怒りをラクレスにぶつけます。
当時キッズだったラクレスは改めて自分の無力さを噛みしめることになりました。

車椅子の女性に向けて、ギラとラクレスでいいこと言ってる感じなわけですが、一刻を争って避難しているのに、悠長な寸劇やってないで、とりあえず引きずってでも避難した方がいいんじゃないでしょうか。

あとたぶん、おばちゃんも性格悪そうだからご近所さんとかにも声かけてもらえずに、車椅子なのにひとりで逃げ遅れたりするんだよ。てゆーか近所の人も、性格悪いおばちゃん相手でもこんな時くらい一緒に逃げてやれよ。シュゴッダム国民、全員ゴローゲか?(まあだいたいそんなもんな気はする。)

とかまあいろいろ気になりすぎて、せっかくラクレス様がかっこいい感じで過去の雪辱を果たそうとしているのに、まったく頭に入ってきませんでした。
ギラは空気過ぎるし、どさくさに紛れてしっかり最後まで残っていたドゥーガさん有能。

ラクレス「17年前の落とし前をつけさせてくれ。」
ギラ「きっとそういうと思った。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

ギラの右肩のマントっぽい装飾は四次元ポケットか?
取り出したオージャカリバーZEROをラクレスに手渡します。

前にもありましたが、剣を渡したときの効果音がやたらと重そうで、とはいえ不自然ではなく、覚悟の重さの演出だろうなと思えます。
本作は全体的に効果音がとても良いので、こういうのが「日頃の行い」というやつですね。

ギラ「避難計画、最終段階。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

からの、ギラとラクレス並び立っての王鎧武装。
直前までがいろいろアレで頭に入ってきませんが、ここはかっこいいシーンです!俺は詳しいんだ。

ギラのクワゴンが体内から出て戻ってくるのに対し、ラクレスのオオクワガタは後方から飛来するという差別化が図られています。
いまごろ気づいたのですが、ラクレスのオオクワガタのシュゴッド、どこにいるのでしょう。ZEROは野生のシュゴッドの能力を使わないなら、カリバーZEROからオオクワガタのイメージが出て戻るのではないのか。

そして久しぶりのロボットてんこ盛りフォーム、ゴッドキングオージャー降臨です。

巨大化してローリングバスターライフル謎のビームを放出すると、セミシュゴッドゾンビが一掃され、ついでにグローディーも降ってきました。
巨大化ギミック…うっ、頭がっ…。

グローディーは怪人態に変身し、巨大化して、ゴッドキングオージャーと対峙します。

グローディー「死は冷たい。死は静か。だからいい。」

王様戦隊キングオージャー 第47話

グローディー、ちょっと前にジェラミーの永遠の命ギミックを撃ち込まれて、生者になってるんですよね。

みんな「命の力を思い知れ!」

王様戦隊キングオージャー 第47話

今のグローディは生者だから命の力を知ってる(略)。

エネルギーをチャージしたゴッドアントが剣と合体して炎に包まれ、必殺剣からの敵爆発四散。
アップになった上半身を背後から染める朝陽。
口元がキモくないロボットってやっぱりかっこいいなあ。(しみじみ)

倒されたグローディーは、夏映画の舞台になっていた「死の国ハーカバーカ」で目覚めます。(というか死んでいます。)

さんざん「死は静か」とか言っておきながら、実は死の国はうるさかった、という皮肉なオチなわけですが。

夏映画「アドベンチャー・ヘブン」は、劇場公開の後、「完全版」と称するバージョンが円盤やストリーム配信で公開されています。

時間が経っているのでネタバレで書きますが、この完全版では、スタッフロールのあと、ハーカバーカに現れたダグデドが、初代国王ライニオールを攻撃し消滅させるシーンが収録されています。
少なくともダグデド本人は、ハーカバーカと現世を行き来する性能があるわけで、そもそもグローディーを作り出したのもダグデドらしいですから、「グローディーをハーカバーカに送ったから処理完了」として良いのかどうかは疑問が残ります。

まあそういった、(細かいとは思えないけど)ツッコミどころを飲み込めば、グローディにふさわしい悲惨な結末だったとは思います。

次回 第48話「さらば、親愛なる民よ」予告

リタ「ゼロを発動する。」

王様戦隊キングオージャー 第48話予告

劇中で「ゼロ」を冠する既出のアイテムは、オージャカリバーZEROとキングオージャーZEROくらいだったと思います。
粉砕されたと噂のキングオージャーZEROがこっそり復元されていたら筆者的には胸熱です。
最近、スズメの姿を見なかったのは、キングオージャーZEROの最終確認に出かけているのでしょうか。

あとなんか最後に宇宙船(着陸ポッド)みたいなものが地上に降下するシーンがありました。
噂の宇宙人コスプレのエキストラさんが登場するのでしょうか。
というか舞台が宇宙人のいる星になったのか、宇宙人がチキューに来たのかどっちなんだ…。

筆者は以前、王様たちが新天地に旅立つエンドを予想していました。
第48話の予告も「さらば民よ」と言っているので、王様たちはチキューからいなくなるようにも読めます。

リタとカグラギが後継者探しをしていたことも旅立ちエンドの補強材料になるような気がしますが、カグラギはけっきょくスズメを後継者にすることができず、他の王に至っては後継者?何ソレ?状態だったので、なんだかんだチキューに居座るエンドもあるのかな、と思っています。

本作も残り3話とのことで、ダグデドと決着をつけて、いまだ表に出てこない不穏なカメジムとの決着をつけて、新天地に旅立ったりチキューをまとめたり、キョウリュウジャーとかブンブンジャーがアシストに出てきたりと、まだまだイベントは盛りだくさんです。
第二部のダグデド編になってから、筆者的にはかなりネガティブな話を書き散らしていますが、終わりよければなんとやらと言いますから、残り3話でメカを活躍させてくれれば許すいい感じに大団円になることを願っています。

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