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【令和最新版】壮大な世界を、壮大な音楽と共に旅をしたいあなたにオススメのゲーム

 お世話になっております、金曜日です。本noteは「ゲームとことば Advent Calendar 2023」に寄稿させていただいた記事になっております。テーマは 「○○な人にオススメしたいゲーム」ということで、このカレンダーを追っていけば年末年始に遊ぶゲームの候補が見つかるかもしれませんよォ~~~!!

場違い感が否めねェ~!

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 昨今、日本における“ソシャゲ市場”を支配している多くのゲームが、中国企業と韓国企業が開発したものであることも珍しくなくなった。今回私が紹介するのは、その中でも奇をてらったりマイナーなものではなく、世界中で常に上位の売上を出し続けているAAA級タイトル「原神」についてである。

都内に住んでいる人は街の広告などで死ぬほど見かけるらしい。

原神とは?

 上海米哈游网络科技股份有限公司(以下:miHoYo)が手掛けるオープンワールド型アクションRPGゲームである本作は、架空の世界『テイワット大陸』を舞台に、プレイヤーは離れ離れになってしまった兄または妹を見つけるため世界を奔走する。いわゆる典型的な“ソシャゲ”らしく基本プレイは無料で、キャラクターや武器を多く手に入れたい場合は課金をすることでゲーム内の通貨を増やすことができる。
 世界観はいわゆる『剣と魔法と冒険モノ』である。炎や水などの『元素力』と呼ばれる力を操り、架空の魔物と戦い、訪れる国や町の人々と交友を深めていくことで物語は進んでいく。本作の舞台である『テイワット大陸』には日本がモチーフとなる国『稲妻』が登場するが、その国は『幕府』と呼ばれる組織が民を統治し、兵士は腰に刀をぶら下げている…と説明すれば、どのような文明レベルなのかわかりやすいはずだ。

世界観を形作る2つの“壮大さ”

 原神の最大の魅力と言えばカッコいい/かわいいキャラクターと、そのキャラクターたちが織りなす壮大な物語である。しかし、そういったものの紹介はネット上で探せば1キャラ1ストーリー粒立てて考察や魅力を展開するような記事が山ほど出てくるはずなので、本記事ではそれ以外の2つの魅力について触れていこう。

壮大な世界-国ごとにがらりと変わる景観

 オープンワールドゲームの醍醐味は、訪れた場所の景色を楽しむことにあると思う。miHoYoにおける3Dゲームの特徴は、アニメや漫画の世界がそのまま3Dに落とし込まれたようなグラフィックビジュアルにある。以下の画像は実際にゲーム内で訪れることのできる国々を、スクリーンショット機能でそのまま撮り収めたものである。

プレイヤーが最初に訪れる国、モンド。中世ヨーロッパがモチーフとされている。
政府が存在せず、「西風騎士団」と呼ばれる自警団が存在する「自由」の国。
古代~中世の中国がモチーフの国、璃月(リーュエ)
軍事力・経済力に優れ、人間以外にも仙人と言われる存在が広大な土地を守護する「契約」の国。
江戸時代の日本をモチーフとしたテイワット唯一の島国、稲妻(いなづま)
とある理由から内戦が起き、国境が封鎖されている「永遠」の国。

 テイワット大陸には7つの国が存在し、現時点で実際に訪れることのできる国は5つ。上記3つ以外にも、古代エジプトやインドなどをモチーフとした知恵の国「スメール」や、産業革命期の西ヨーロッパをモチーフとした正義の国「フォンテーヌ」などが実装されている。どの国にもマップ上の雰囲気に一定のコンセプトが存在し、大陸中を歩き回るだけでもかなり楽しい。
 また、時間経過の概念もあり、同じマップでも夕方や夜ではまったく違う景色を見せることもある。テイワット大陸を歩き回り、自分だけの絶景スポットを探してみるのも良いかもしれない。

テイワット大陸の夜。時折、天の川を観測できる。


壮大な音楽-国ごとにがらりと変わる演奏

 私が特筆したい原神の魅力は、まさにこの章で紹介する原神の音楽についてだ。miHoYoはゲームに登場させるBGMに深いこだわりを持っており、
そのこだわりようと来たら、原神がリリースされる前から特設サイトのお知らせコーナーに長文で制作秘話を書きなぐるほどである。

https://genshin.hoyoverse.com/ja/news/detail/104530

開発者共研計画——『原神』音楽制作秘話01

 miHoYoの音楽に対するこだわりの最たるものは、それぞれのモチーフ国に合わせたオーケストラの用意であろう。西側諸国の国々をモチーフとしたモンド、スメール、フォンテーヌなどの楽曲収録には『ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団』が演奏を務め、中国がモチーフである璃月(リーュエ)は『上海交響楽団』が、そして我らが日本のモチーフである稲妻(いなづま)は『東京フィルハーモニー交響楽団』と、三味線や尺八、箏や和太鼓などの代表的な和楽器演奏者たちが演奏に関わっている。
 以下の動画は、原神公式アカウントが公開している演奏動画である。筆者が特に好きな2曲を披露しているので、是非とも聴いていただきたい。

 どうであろうか。たかが基本プレイ無料のゲームだと侮っていたのであれば、きっと度肝を抜かれたはずだ。1曲目は町の、2曲目は戦闘BGMであり、両曲とも稲妻の領内を歩いていれば耳にする機会が多いもの。この優雅な音楽と共に、江戸情緒溢れた架空の世界を闊歩する体験は、必ず無駄なものにはならないはずだ。
 今回は日本モチーフの国があり、特に筆者が好きな曲でもあったので上記の動画を紹介したが、もちろん他の国にも良曲揃いが多い。ただ、紹介するにはいささか楽曲数が多すぎるのが難点だ。なぜならば、これを書いている12月現在で、原神のゲーム内外で使われたBGMは実に900種以上もある。(原神wiki調べ)キャラクター紹介ムービーから、もうプレイできない季節限定イベントのBGMまで、原神はあらゆる状況下に、ありえない頻度で新しく音楽をこさえて、あまつさえどの曲も素晴らしいクオリティであるために、紹介しきるには時間も文字数もまったく足りない。なお、原神のBGM自体は公式youtubeアカウントにてプレイリストにまとめて公開しているため、原神をプレイするかどうかはさておき、まずは雰囲気を感じ取るために聴いてみるのもいいだろう。きっとあなたの気に入る曲があるはずだ。

壮大な世界で、壮大な音楽と共に

 ここまで原神の2つの魅力について紹介したが、万が一この記事から興味を持ちプレイしようと思った方には、このゲームは“ソーシャルゲーム”であることをあらかじめ伝えておかなければならない。プレイアブルキャラクターのほとんどはガチャで手に入れる必要があるし、(マルチプレイには対応しているが)ストーリーを進める上ではほとんどソロプレイであるにも関わらず、ストーリーを進めるにはプレイヤーレベルを上げる必要がある。そのプレイヤーレベルを上げるにはありとあらゆる任務をこなさなければいけないため日数を要求され、巷で言うところの“盆栽ゲー”であることを理解してプレイする必要がある。買い切りのゲームが好きだ!という人には多くの理不尽や不便さを強いられるだろう。
 それでも私はこのゲームを、あなた方にプレイしてほしいと思う。そんな理不尽や不便を強いられる中で常に上位の売上を維持しているのは、それだけこの原神というゲームが魅力に溢れている証左であると言えよう。物語、キャラクター、音楽、世界観…全てに中国のオタク集団・miHoYoのこだわりが詰まった「原神」を、この年末にプレイしてみるのはいかがだろうか。


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