見出し画像

ゾイド考:フューザーズの時代

ゾイドの世界観、設定についてアレコレと考察する


別天地と新たな価値観

第二期ゾイドのバトルストーリーはBZ版ジェットファルコン付属のファンブックEXを以て一応の完結を迎え、実質的な仕切り直しが行われた。
舞台は東方大陸に移り、時代も100年以上が経過し、同じ惑星Ziの物語とはいえストーリーの連続性は断絶する。

東方大陸は中央大陸とは国家体制も生態系も全く異なる別天地だ。
大国同士の破滅的な戦争を目の当たりにしたことから、東方大陸の人々は小規模な都市国家を建設して暮らしている。
惑星Ziにおいてはゾイドなくして生活は成り立たないというのに、その限りある資源をひたすら損耗し、挙句の果てに絶滅に至らしめるような大国間の戦争は、彼らにとって理解し難い恐怖でしかなかった。
東方大陸は大異変で野生ゾイドがほぼ絶滅しているため、希少な生物を使い潰す中央大陸や暗黒大陸の価値観とは相容れない。
フューザーズ劇中では人造ゾイドのBLOXであるウネンラギアが「野生ゾイド」と呼ばれているが、これは大異変後に崩壊した東方大陸の生体系を維持するための代替種として「放流」されていると考えられる。
大異変から200年近く経過してしまっては、東方大陸の住人は本物の野生ゾイドなど見たことがない。
彼らにとっては、「放流」されたBLOXこそが野生ゾイドなのである。

新生命の創生

前述の通り、東方大陸ではBLOXが「放流」された。
絶滅した野生種の代替として生態系を支えるためだ。
他にもレブラプター等も野生化しているのが確認できる。
野生種として生きていくには繁殖しなければならない。
しかし人間によってメカ生体化されたゾイドは生殖機能を失う。人造ゾイドのBLOXには最初から備わっていない。
なので、オーガノイドシステムやキメラの応用で機能の復活と付加を行う。
ネオゼネバスと協力関係にあったZOITEC社の技術なら十分に可能だ。
こうして「放流」されたBLOXの中には、大戦の生き残りらしき機体も混じっている。
特にジェットファルコンは大戦末期にごく少数しか生産されなかった機種だ。わざわざ「放流」のために新造したとは考えにくい。
これら大戦時の残存機にはライガーゼロとのシステムリンクが生きており、100年の時を経てZiユニゾンを果たした。
その内の一機、フェニックスは長い時を経て明確な自我、そして魂すらも獲得している。
野生化したBLOXは、既に人造ゾイドの枠を超え、新たな種として成立したと考えて良いだろう。

ゾイドの再開発と発展

フューザーズ劇中では、ライガーゼロのCASのことはパイロットのRDすら知らない。
ゼロ自体が別の大陸で100年以上前に作られた希少な機種であり、各アーマーもとうに生産が終わっているのだから当然といえる。
CAS自体は専門家なら知っている一方で、ライガーゼロフェニックスや凱龍輝といったネオゼネバス戦末期の機体データは記録から抹消されている。
ほぼ同時期に開発されたゴジュラスギガが治安局に堂々と配備されているのにも関わらず。
話の都合と言ってはそれまでだが、リヒタースケールによる意図的な情報統制の可能性も考えられる。
リヒタースケールが世界征服に必要な決戦機として注目した、BLOXとの合体機構を持った機種のみが劇中人物に「データベースにもない未知のゾイド」と認識されているからだ。
尤も、中には独力で大戦時のデータを掘り返したのか、地道な調査で適合するBLOX個体を見つけ出し、マトリクスドラゴンへの合体を果たしたような連中もいるのだが……。

高性能機のデータを独占したリヒタースケールは、大戦時の記録を元に復元、再開発を行った。
バーサークフューラーのデータから凱龍輝を復元し、野生化していたエヴォフライヤー&ディスペロウとのシステムリンクを復活させた。
ライガーゼロのデータを元にエナジーライガーを再開発し、更には大戦時には未完成のまま終わったエナジーチャージャーをレイコングとのユニゾンで完全制御した。
発展したバイオテクノロジーと工業力を以てセイスモサウルスを10倍以上のサイズに巨大化させ、究極の決戦ゾイドとして完成させた。
フューザーズの時代は惑星Ziにおける技術的な絶頂期と言って過言ではない。
これら大戦時の技術の再生と更なる発展は、ゾイドジェネシス前史である破滅の日に繋がっていく……。

#ゾイド
#ZOIDS

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?