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ゾイド考:ゾイドジェネシス前史

ゾイドの世界観、設定についてアレコレと考察する

隆盛

ゾイドフューザーズの時代以降、ZOITEC社とZi-ARMS社は大戦時の技術の復活と、更なる発展を進めていく。
ゾイドジェネシス放送時の外伝では「前史」ともいえる大崩壊以前のストーリーが展開され、新たな天変地異に備えてギルベイダーの復活、そして「状況に応じて自己を変化させる試作型ライガータイプ」が描かれた。
かつてリヒタースケールがセイスモサウルスを原型機の10倍以上のサイズにまで巨大化させたように、この時代ではギルベイダーを巨大化させることも不可能ではない。
パイロットの要請に応えて自己を変型させるゾイドはCASの発展型ともいえるが、このエヴォルトシステムは、やがて単なる戦術兵器の域を超越していく。
この時代の惑星Ziは技術的な絶頂期を迎えていた。

崩壊

惑星Ziの自然は極めて不安定だ。
過去にも数百年周期で火山が噴火し、大規模な地殻変動で文明が埋没し、その度にゾイド人は発展をリセットされてきた。
宇宙規模の変動にも度々見舞われ、元は三つ存在した衛星も遠い未来には惑星上に落下することが予測されていた。
いつか来る滅びの日に備えて、人々は変動の影響を受けにくい空中に都市を築いた。
それとは別に、移民用の巨大宇宙船を築いて別の惑星に──たとえば地球人たちの母星に脱出しようとした一派もいたかも知れない。
そして、ついに運命の日はやってきた。
惑星Ziに残された二つの衛星の内の一つが砕け、惑星上はポールシフトと地殻変動で全ての文明が破壊されていった。
こんな大異変は自然現象以外に考えられないが──皮肉にも、当時の技術力は人為的にそれを起こせるレベルにまで達していた。
デッドボーダーやデスキャット等の重力兵器搭載型ゾイドも復活配備され、その性能は更に強化されている。
それらを用いて衛星を砕き、地軸を歪ませ、敵対勢力を滅ぼすことも可能なのだ。
敵を滅ぼした後は、惑星の環境が安定するまで空中都市や宇宙に逃げていれば良い。
この大異変は、我々の敵の仕業だ!
奴らだけが生き延びようとしている!
そんな疑心暗鬼が膨らみ、破裂して……ついに最終戦争の火蓋が切られた。

滅亡

大異変の最中に行われた最終戦争──それは想像を絶する地獄だった。
武装も性能もアップデートされたゾイド達が数百機単位でぶつかり合い、大地を無数のキメラが覆いつくし、10倍以上のサイズに巨大化したデスザウラーやマッドサンダーの群れが激突する。
避難民を乗せて空中都市に脱出しようとするギルドラゴンを別勢力のギルベイダーが襲い、巨大なキングゴジュラスがサウンドブラスターでその両者を粉砕する。
何の制限もなく荷電粒子砲や重力兵器、更にはウィルス、生物化学兵器が放たれ、ゾイドどころか生態系すらも根こそぎ破壊されていった。
オーガノイドシステムのリミッターを解除されたデススティンガーが殲滅兵器として放たれ、それに対抗して同様のゾイドが放たれ、戦闘と捕食、そして共食いの果てに、誰もいなくなった。

大異変と人間同士の不毛な争いによって、惑星Ziは生物の住めない環境に変貌し、ゾイドを含めた全ての生物が死滅した。

播種

全てが崩壊していく地獄の中で、未来に再生の望みを託す者たちもいた。
彼らはゾイドに一種の不死性を与えた。
絶対に死なない不滅のゾイド──そんな夢物語を現実のものに出来る技術力があった。
それが軍事目的だったのか、あるいは種の保存が真意だったのかは誰にも分からない。

一つはオーガノイドシステムの応用で、ゾイドコアに数万年もの休眠に耐えられる改造を施した。
これなら戦闘で擱座した機体や、基地ごと埋没した機体でも、遠い未来に掘り起こされて再利用できる。
そして同様に繁殖機能も復活させ、絶滅したゾイドの種を再生する。
これは結果として、環境変化に強い哺乳類型や昆虫型は休眠に成功したが、恐竜型は耐えられなかったことが伺える。

もう一つは、複数のゾイドコアの共生。
コア同士を共振させるZiユニゾンの発展応用だ。
これは片方のゾイドコアが活動を停止しても、もう片方が残っていれば活動を続けられる。時間さえかければ、停止したコアの再生すら可能かも知れない。
この共生型試作機は大異変前には完成していたらしく、空中都市にもデータが残っている。

そしてゾイドのクローニングとBLOXの製造技術。
ゾイド因子からのコアの複製が可能なら、それは実質的な不死を意味している。
人造ゾイドであるBLOXもしかり。
製造できる設備さえ残っていれば、野生ゾイドが絶滅した世界でも兵器や作業機械として利用可能だ。

最後の一つは──真の意味での不死のゾイド。
エヴォルトシステムで自己の機体を自在に再構成し、ゾイドコアすらも再生する、死を超越した無限の生命。

これら不死のゾイド達は文明崩壊後に地中深く埋没し、海中に没し、あるいは空中都市で保存された。
彼らは再生の願いを託され、やがてくる創世の時代を待つことになる。

#ゾイド
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#ゾイドジェネシス

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