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身近なことをより良くしていくこと

いつものように浜辺に横になり、
静かに目をとじ、想いを巡らせていました。

穏やかな波の音に耳を傾けては、
風の優しさにゆったりと身を任せながら、、、。

島の奥の方からは、
甲高い鳴き声が響いてきます。

耳にしたことない鳴き声ですが若鳥でしょうか、
母鳥の背中を追いながら羽ばたいていく姿を、
目を閉じている中でも思い浮かべることができます。

何も変わらないように感じられるこの孤島。

それでも自然の森羅万象の営みを、
そうした自然の些細な変化が支えているのだと実感します。


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壮大な自然を感じていると、
人間はなんとも欲深い生き物だと感じることがあります。

僕もそうかもしれませんが、、、、
たいていの人は、多くを求めて日々を送っていますから。

「自分を大きく、変えてゆきたい」

今の自分の生き方に満足できない、
そんな自分を認めたくはない、
いつでも人は大きく変わりたいとと思うもの。

そんなことを考えれば考えるほど、
大きく夢を見すぎるばかりで、
日々の行動が軽くなりがちです。

大切なことは、大きく変わることではなく、
目の前の小さなことから
少しづつ変化していくことではないか。

日常をより良くしていくという
身近な変化こそが大切なのだと思っています。


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今日はみなさんもよくご存知の
ある経営者のお話です。

日本を代表する電機メーカー
パナソニックの創業者・松下幸之助さん。

彼は世界中で知られるように、
電機メーカーを一代で築き上げた人物ですが、
ではなぜ彼がこのような大企業を作り上げることができたのか。

一般的には、
幸之助さんは数々の発明をした人物だと紹介されます。
確かにそうなのですが、
そこにひとつ加えるべきことがあるんですね。

それはエジソンのように世界が大きく変わるほどの大発明をしたわけではありませんが、
「身近なものをより良くするための発明」をすることで、
その積み重ねで大きな事業へと発展させていくことになるんです。

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彼が、生まれたのは戦前の時代。

これから電気というものが、
本格的に普及していくという中で、
今のように部屋にコンセントが無いような世の中でした。

当時の電気の供給口と言えば、
天井にぶら下がる一つのソケット。

「この小さなソケットから、家中に電気を広げられないものか」

幸之助さんは、
天井に吊り下げられた小さな電球ソケットを改良することで、
今のコンセントのようなものをつくろうと考えつきます。そうして発明されたのが「二股ソケット」でした。

このソケットを使えば、
電球で部屋に明かりを灯しながらも
同時にアイロンも使えるしラジオも聞ける。

幸之助さんの中には何を発明するうえでも
ある共通の思いがありました。
それは「身近な人々の生活を豊かにする」こと。

幸之助さんの事業のヒントになったものの多くは、実は家庭での身近な生活を眺めている時に思いついたことばかりでした。

当時の日本は、女性が懸命に家庭を支えていた時代。
幸之助さん自身、自分のアイデアで、
妻や女性を助けたいという思いがあったのでしょう。

その後、洗濯機や掃除機など家事を手助けする製品を次々と発表していくことで、日本の経済だけでなく、多くの家庭を快適なものへと変えていきます。

彼は、松下電器産業株式会社の周年記念の式典の場で、
まず、奥さんに感謝の言葉を伝えたそうです。

「奥さん、今日までありがとう」

若かりし日の彼は、
企業家になって世界的に知られる人物になることなど、最初から望んではいなかったのでしょう。

身近な生活を支えてくれた奥さんのために、
新しい時代を支える女性の生活のために。

幸之助さんの「身近なものをより良くしていきたい」という思いが、
多くの家電製品を生み出し、やがて人々の生活を支える世界企業へと発展していくことになったのだと思います。


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幸之助さんの生きた時代から数十年の月日が経った今。

電機製品が人々の生活を豊かにしていったように、今ではAiや人工知能の登場で、
人々の生活はまた違う形で、再び変わろうとしています。

連日のニュースを眺めれば感じることですが
新しいものが登場する時、
人は常に危機感や脅威を感じてしまうもの。

仕事がなくなってしまうかもしれないし、
今までの生活のスタイルを変えていかなけない。
そうした不安を抱えることも無理もないことなのかもしれません。

でもその裏で技術を支えているのは、
お金儲けをしようとしたり、利権を貪る人だけではありません。
やはり純粋に人々の生活をより快適にしていきたいという人々の熱い想いがあるわけですね。

僕たちはこうして「note」を見られているわけですが、
そもそもこのインターネットの技術ですらも創成期というのは多くの可能性に胸膨らませる若者の情熱により、
その無償の努力と労力で作り上げられてもいます。

あるものを奪い合うだけでは、
人の心は荒廃するだけですし、
世界も後退するだけです。

世の中が変化することに怯え悲観するばかりでなく、そうした彼らの想いを受け止められる
一人の生活者でもありたいとも思います。

「今よりも少しだけ身近なことを、よりよくしていくこと」


そうした思いが、
自分のためにも、また周囲の人々のためにも
必要なことではないか。

それでは今日も良い一日を。



遥か孤島から感謝を込めて。



いつもありがとうございます。



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時には静かな一日も必要です
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最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。