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報道されない香港の現状について

「香港のデモ、長引いているなぁ。暴れるのはよくないよね」
「なんでこうなっちゃってるの?警察は取り締まれないの?」

そう思われる方もいるかもしれません。

日々日本で流れている情報に私は違和感を感じ、noteに書こうと思いました。

なぜ始まったの?

そもそもの始まりは、およそ5ヶ月前に始まります。
デモの始まりとなった、問題の条例(政府に不都合なことをすれば、中国に身柄を引き渡しされてしまう)は、すでに撤回されました。

しかし、なぜ今まだデモ活動が続いているのか。
それは香港警察と政府に問題があるからです。

警察や政府は何をしたの?

デモ開始の時から香港警察は過剰な武力を使いました。
平和なデモで市民が200万人(香港は700万人の人口)参加しても、その後も様々な形でデモをしても、政府に聞き入れられることはありませんでした。そもそも香港に公平な選挙はないため、デモという形が唯一民意を表現できる場所なのです。

(追記:11/26 区議会議員選挙にて、民主派が圧倒的勝利を納め、民意を表すことができましたことを訂正します。しかし、その民意が現行の親中的なシステムによる行政長官の選出に、どこまで影響するかは不明です)

ちなみに、平和なデモはプラカードなど自分の声明を書いたものを持ったり、言いながら歩く行為です。日本でも「保育園落ちた日本死ね」という国会議事堂前のデモがありましたね。あれです。(怖いイメージがあるかもしれないですが、デモとテロは別物です)

先月覆面法といって、デモ参加者が顔を隠すためにつけているマスクを外させるための法律ができました。顔がバレてしまうと、政府に何をされるかわからないからつけていたものです。その法律は緊急法が執行されたのでできました。緊急法とは、誰の許可なくても行政長官(一番偉い人)が自分で決めて自分で法律が作ることができるようになることです。つまり独裁政治というものです。

緊急法ができてから

日本でも報道されたように、拳銃で、しかも至近距離で若者を二人撃ちました。二人とも警察による警告はなく、正当な武器も持たなくてです。理不尽な逮捕も数え切れないほど。デモに参加した格好でなくても、ランチに行って戻ってきただけの人でも、誰でも容赦無く捕まえています。

拘置所では約3000人の市民が拘留されています。下は12歳ぐらい上は70歳ぐらいまで。多くは10代から20代です。そこでは人権侵害が行われています。警察にレイプされ、16歳の女の子が妊娠させられ堕胎手術を受けました。その情報が警察によってもみ消されそうになったり、他にも別のレイプを受けた女子学生が、勇気を出し顔を出して大学で発表したり。男の子も虐待とレイプされています。

変死体がこれ以上なく増えていて今まで2300人。日々どこかで変死体です。不自然に水に浮かんでいたり、血も流さず高層マンションから飛び降り扱いされていたり、それを警察は事件性なし、「自殺」といってすぐ処理をします。それは警察によって殺された人を、自殺として処理しているのでは、というのが市民の憶測です。よって、最近逮捕された時に逮捕された人は捕まった時に大声で「俺(私)は自殺しない」と叫びます。警察に殺され、死体となった時に自殺扱いされないようにです。

ヤクザと警察

ヤクザと警察は手を組んでいるようです。(韓国の報道取材による)7月21日に地下鉄駅で起きた、白いTシャツをきたヤクザ30名が駅で暴行。デモから帰ってきた市民だけではなく、普通の市民も巻き込まれました。警察に電話しても、理不尽な回答だけで、1時間後に到着。最終的に捕まったのはたったの2名。

これと同様な事件がいくつも起きています。民主派議員の耳を噛みちぎるヤクザ。初期のデモの発起人を刃物で襲撃など。一部東南アジアや南アジアの人も混ざっていた噂もあります。(雇われていた)
警察は南アジアの人が多く、香港の多民族を象徴するような重慶マンションを市民の攻撃の的にする作戦だったようですが、市民はあっさり見抜き、翌日重慶マンションでは、市民を応援し、ペットボトルの水を配布する重慶マンションの南インド系の方が見られました。多民族な香港ならではです。

大学への警察による攻撃

先日いくつかの大学に警察は朝から入りました。中文大学では校長がなんども警察や政府に攻撃はやめるよう交渉し、約束にこぎつけても警察はすぐ約束を破り何度も催涙弾やゴム弾で攻撃しました。催涙弾は2500発。アメリカは催涙弾の輸出をやめたので、中国製の毒性が不明のもので発火時は250度にもなる凶器です。ちなみに催涙弾については周庭さんが副作用について話しています

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警察は「頭を狙え」と指示を出しています。中文大学には香港のインターネットの大事な基地があり、インターネットに支障をだし、国外に悪事がバレないようにする狙いがあるのでは、という話もあります。また警察に中国の公安がいることがわかりました。香港のことは香港の警察が担当ですが、中国から入ってきているというのは中国政府の介入を意味します。一国二政府(国は中国だけれど、政府は香港の政府)という制度がもともと香港にはありますが破られています。中国の人民解放軍が香港に入らないのは、その制度を公に破る場合の国際世論を恐れてのこととも言われています。

家族のことや中国では

香港にいる人は中国の深センなどがある広東省にルーツのある人が多く、広東省との親戚と軋轢が起きているケースもあります。中国内では情報操作により、若者の暴動として報道されているからです。​

香港内でも親と子で意見が異なり、家族が疎遠になったり、家出をしたり、警察の親をもつ子が辛い思いをしたりしています。

先日中国の大学や、中国人の海外留学や就職している人から「中文大学頑張れ、香港頑張れと」手書きのメッセージが書かれた写真がSNSで出回りました。このやり方は名前をふせ、所属団体名でメッセージを送るという以前香港でも政府機関に務める人が行ったやり方を真似たものです。中国国内でも中国政府がもっとも恐れる、中国国民の反乱に繋がりかねない香港での出来事を支持する人がいるということです。正直これには泣きました。これはとても危険な行為なため、左手で筆跡が残らぬように書いたり、色々な工夫をして公表されたものだと思います。(中国国内では香港支持をネットに書くだけで警察に捕まります)実際のWEBはこちら

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最近ではアメリカでも反中国のコメントにいいねを押しただけで、中国から永遠に入国不可になった有名人や、買収?されて親中なコメントを出したバスケットボールプレーヤーなど国外にも飛び火しています。

今とこれから

ここ数日はセントラルという香港のオフィス街(品川のような)で三日前に催涙弾が放たれたことで、オフィスワーカーは怒りランチタイムはデモをするようになりました。怒りが臨界点に達しているような気がします。

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しかし平和的なデモでは政府は動かないんです。デモ隊がいるからまだ怒りを表明できます。デモ隊はヘルメットの中に遺書を入れて、戦っています。(動画はニューヨークタイムスによる編集)

民主派の香港メディアで働く記者は度重なる殺害予告や一日数百回もの嫌がらせ電話などを受けたようです。記者も警察のターゲットとなり、インドネシア人の記者が失明したり、逮捕されたり。救急隊員ですら、警察により意図的に排除されることが増えています。

12月にアメリカで香港の治安を守る法案が審議されます。中国政府とアメリカがぶつかる構図になり、中国政府は「中国国内のことについて、干渉するな」という発言を繰り返しています。

日本での報道も親中に偏っていることが多く、警察の悪事は一つも伝えず(特にNH...)、とても悔しかったです。香港は親日の人が若い人を中心に多いのですが、今回親しみを感じている日本に期待をしていたのに、政治的にも報道でもがっかりしているそうです。
隣の人が助けてと言っていたら助ける。地域のことを考える。今流行りのローカルやコミュニティというキーワード。国際間ではどうですか?将来孤立してしまうのはどこの国でしょうか。相手の理解が一番の国際平和へ繋がる第一歩。政治は政治、人は人。

日本政府が中国政府のトップ習近平の訪日を盛んに進めています。しかし日本人に人気のある台湾は、中国政府の次のターゲットとなっています。今日の香港は明日の台湾とも言われています。どうか香港のことに興味を少しでも持っていただけたら、嬉しいです。

私の情報源

私は主にTwitterとFacebookで民主派のメディア(生放送)で追っかけています。日本語でもたくさん情報があるので(色々ありますが)興味ある方は検索してみてください。ここまで読んでいただいてありがとうございました。








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