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Have a nice day

 土日は大して生産性のない行為をして終了してしまうのであらかじめタイムスケジュールを決めておいて、ある程度それに沿った過ごし方をした方がいいのではないかという気がしてきた。
 時間通りきっちりではなくとも最初から今日はアレをする、コレをやるなどタスクを決めておき、タスクが終了すれば自由時間、というように決めれば多少は休日の過ごし方も改善する気がする。

 しかしスケジュールを決めたとて息抜きにスマホなんかを見ると際限なく時間が溶けていくので、やはりスマホや漫画なんかの娯楽の時間もある程度決めておいた方が良いのだろう。そうでもしない限り永遠に日曜日の夜に「明日から真面目に人生と向き合う……」というぼんやりした決意を繰り返さざるを得ない。

 だがこのnoteを書いている間にもすでに集中力が切れかけ、全然別のことをしたくなる衝動に駆られている。
 温泉行きたい、寂れた静かな旅館で夏目漱石読みたい、高級感漂う寿司屋で逆にコーンツナマヨ軍艦みたいなチープなモン食いたい(コーンツナマヨ軍艦を食べることが生き甲斐みたいな人がいたら申し訳ない)、謝送金以外の妥当な理由でいきなり口座に4630万円振り込まれたい、ピザポテトとコーラ飲み食いしながらホームシアターで映画観たい……と様々な雑念が脳内に現れては消えていく。
 僕は誰かが真剣な話をしている時に頭の中で全然別のことを考えてしまう癖があるのだが(例えば年配の偉いおじさんが話してる時に「この人は生涯でエロ動画をどれぐらい視聴したことがあるんだろう」とか思ってしまう)、やはりこれは良くない。車の運転とかするのに向いていない。最近ペーパードライバー講習を受けたのだが、運転に集中するのだけでえげつない体力を使う。

 集中力を上げるのにはどんなことをすれば良いのだろう。読書をすると集中力が高まるとか言うけど、普段活字に触れている時間が多いわりに全然高まっていない気がする。と思ったがよくよく考えてみたら僕はひとつの本を集中して読むというよりは気になっている本を複数同時並行で読んでいるので、そもそもスタイルが集中力がない奴のそれなのだ。あとで調べたら真偽は不明だがマルチタスクは逆に集中力を低下させるみたいなことがネットに書いてあって妙に納得した。

 やはりなんだかんだしっかり睡眠をとるのが一番効果的なのだろう。しっかり寝られた日は目覚めがいいしやる気もそれなりに漲っている気がする。逆によく寝れなかった日は一日中眠気に脳と身体が支配されて、まともに一日を過ごせない。平日の労働中とかひどい時には1日30回ぐらい欠伸を嚙み殺している。よく寝ることは体にいい。当たり前のことである。しかし当たり前のことを行うのは難しいのだ。寝ると明日が来てしまうから寝たくない。
 平日を生きる僕にとって「明日」は恐怖の対象でしかない。「明日」にポジティブな感情を見出すことが出来ないのだ。そして同時にこれは「明日」を充実した日にさせるだけの力がない己の軟弱さをも表している。僕は自分の外側から降りかかる面倒事を恐れている。それはもしかしたら、外側から侵入してくる負の要素を撃退するだけの強固な正の感情を己の内面に持ち合わせていないことの証左なのかもしれない。
 何かひとつ、胸に信念というか「明日」を自分の手で創造していけるほどの熱情があれば憂鬱な月曜日を迎えなくて済むのだろうか。

 まあ要するに簡単に言うと平日、労働が終わった後に心の底から楽しめる何かを持てたら良いよな、という話だ。
 労働を楽しくする工夫を凝らせば労働が苦じゃなくなるという意見もあるけど、労働を楽しいものに変革させるにはだいぶ時間がかかりそうなので。労働をゲーム感覚で楽しめとか言うけど、僕はそもそもゲーム自体をそこまで好んでやる方ではないのだ。
 最近趣味の幅を広げたいと思って「没頭出来る趣味」みたいなワードで検索をかけて調べたり見たりするのだが、見てみても心の底から楽しそうだなと思えたことが正直あまりない。
 僕には何かを「楽しそうだな」と思う感性や、興味という感情が致命的に欠落しているのかもしれない。もしくは成長過程で喪失したのか。いずれにせよ、退廃的な人間であることは間違いない。

 ただ、そんな僕でもどこか果てしなく遠くへ行きたいという願望だけは人一倍濃くある。一人ではるか彼方へ旅立ち、今まで経験したことのないような環境で人生を送ってみたい。

 日曜日の夜にこんなことを書くと月曜日が嫌すぎて労働をバックレる予定の奴みたいであるが、ちゃんと明日も精神を擦り減らしながら労働に従事する予定なので安心してほしい。


おわり

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