AI vs 教科書が読めない子供たち

初めまして。KOJIです。

ここ数日「AI」に関する記事を毎日投稿していましたが、今回は前回記事でもご紹介した通り、個人的に非常に面白かった且つ、AIに対する理解が深まった書籍を読んだ感想を書きていきたいと思います。ちなみに今回の記事は気付いたら長くなっていたので、時間があるときにお読みください。

誤解だらけのAIブーム

冒頭で俺はなんか間違ってたのか?今まで調べていたことはなんなんだ?真実はなんなんだって思わせるセリフですね。本を開いてすぐに目に飛び込んでくる言葉です。
すぐに興味が湧きました。この本の著者である新井紀子さんですが、数学者として東ロボくんプロジェクト」を主導されている方だからです。「東ロボくんプロジェクト」ってなんやねん、と思われる方もいらっしゃると思いますが、簡単なことです。ロボットは東大に合格できるのか?というプロジェクトを実行されている方です。あとの項目で説明します。
でもロボットが東大に入れるようになったら本当にすごいですね。本の内容に入っていきます。あっ、前置きですが、あくまでも簡単に要約なので実際は読んでいただくことをオススメ致します。

シンギュラリティは絶対来ない

いきなり、書いてました。シンギュラリティは絶対に来ないと。笑
シンギュラリティに関しては前回やりましたので前回の記事を見ていただければと思います。まず、これがわかってないと「AI」のことを本当に理解していないと書いてありました。ここだけ聞くと、やっぱりAIが人類を超えることはないのか。という風に捉われがちですが、この書籍は本当に恐るべきこととその理由を細かく最後に書いてくれています。そこまで行くとタイトルの意味がわかると思います。

AIの定義を理解する

AIというものは現在の世の中に存在しない。なぜならAIとは全てを自らが考え行動でき、自律しているものを「真のAI」と呼ぶということです。

<p>あくまでも、今みなさんが巷で話しているAIは「真のAI」を作り出すための技術であるということです。つまり「AI技術」ということですね。

AI技術とは:自然言語処理・音声処理・音声合成・画像処理

最近はすごい進化してきていますよね。この発展のスピードは人間を完全に凌駕するものだと思われます。実際にIBMのワトソンがクイズ王に勝利したりしてましたよね。

東ロボくんプロジェクト

ここで著者が関わっているプロジェクトの話をしていきます。このプロジェクトが発表された時には、世間的に「もうAIで東大合格できるのか」という誤解を生んでしまったこともありましたが、実際はこのプロジェクトで発見したいことは「AIは何ができて、何ができないか」というプロセスを世に知らしめることです。

しかもここですごいことはこの本の中で、著者は「東大には絶対に合格しない」と言っています。笑

ただし、MARCHレベルの模試に関しては合格基準に達しているということです。めっちゃすごくないですか?完全に私より賢いですね。笑

なぜ、東大に合格できないと言えるのか?

MARCHレベルで合格できるのであれば、もう少し頑張れば東大も大丈夫なんじゃなか?って思いませんか?ここでAIが抱える大きな壁がハッキリとしてくるんです。

ちなみにAIの得意教科は数学と世界史だそうです。逆に苦手科目は、英語と国語だそうです。ここで言われていたのが、「意味を理解できない」ということです。

MARCHレベルの学校でも非常に高いレベルですが、東大に出せれる試験とは、この「意味」が大きく異なることがあるということです。その壁を超えることはできないと書かれています。

まず、数学は公式があるので意味は必要ないですよね。また世界史に関してはAIの中の検索技術が向上したことによって、答えを導くことができているということです。なのでクイズ王にも勝つことができたんですね。

AIの決定的限界”意味

この「意味」という壁について解説されています。例えば、英語の文章問題で"cold"という単語ですが、「寒い」と訳すことができますね。ただ、文章の中にsummer(夏)のことを話している文脈であれば、基本的に"cold"を「寒い」ではなく「風邪」のことと捉えますよね。

ここです。AIというのはディープラーニングを使い、過去のデータから統計的に言葉を選んでいるだけです。つまり、何も考えていないということになります。

ですので、統計的に意味のないものは検索結果から弾かれてしまうということです。

試してください

siriに対して、「この近くのイタリア料理の店」と聞いてください。

また、同じく「この近くのイタリア料理以外の店」と聞いてください。

どうでしたか?2回とも近くのイタリア料理が出てきませんか?この壁が超えれないと著者は強く言っています。ただ、言いたくなりませんか?もっとすごいコンピューターがあれば計算速度が上がって解決できるんじゃないのかと。ここでこの著者は言っています。

「数学は偉大です。数学にできることは限られている」

この数学者である著者が話すこの場面はすごく説得力のある文脈でした。

数学にできることってなんだろう?

その中で著者が言っていた言葉「数学にできることはなんだろう」ここについて解説されていたので要約します。

論理

まずは論理ですね、論理的思考(ロジック)に伝えることで伝わりやすいとかよく言いませんか?

論理を紐解くと、A=B B=C なのでA=Cということです。

すごく簡単に解説すると・・・

私はバナナを食べる=バナナは栄養価が高く食べやすい

朝は時間がない=朝食は時短で済ませたい

私の朝食は時短で済む、栄養価の高いバナナを食べる</p>

これが論理ですね。論理というのは次の答えが必ずわかるものです。

でもこの論理でも説明のつかないことが出てきます。

確率

例えばサイコロはどうでしょう。この高さからこの投げ方で、この場所に投げれば必ずサイコロ目は1が出ますとか、有り得ないですね。笑

この問題に直面し、考え出した方法が確率です。

サイコロとは面が6個ある。それを何回も投げ続けると6分の1の確率で1の目は出るということがわかってきます。これと同じように複数の条件でも確率を使うことで人類は、この場合の確率は。という形で言語化できるようになってきました。ただし、また論理でも確率でも説明ができない事態が起きてきます。

統計

そもそも統計というのは、なんでそうなるのかわからないけど、今までの経験上こうだよね?みたいなものです。例えば、親しい友人の口癖を見てみましょう。

親しい友人だと、このパターンは必ずこう言った事を言う。またはこう言った行動を起こすみたいな事が有りませんか?あくまでも確実ではないが、可能性が高いみたいな事です。不確定要素が多い中で、それを統計をとる事で答えを導き出す事ですね。

数学の限界とは「論理・確率・統計」の3つしか表現方法がないといこと

つまりこう言う事です。何かを表現する際に、この3つに落とし込めない場合は覚えさす事ができないと言う事です。

例えば、「太郎は花子が好き」なんて言うのは全く君がわからないと言うことになりますね。そもそも「好き」と言うものは数学的に表現できないからです。

この辺りでハッキリしますよね、AIができること、できないことが。ですので、今現段階で表現できない事がある以上、シンギュラリティは絶対来ないと言うことです。

ここからがこの書籍の本番です

現段階でシンギュラリティが来ないと言うことは、僕たちの仕事が奪われことはないと言うことですよね。

いいえ。奪われます!と書かれています。笑

AIは人間を超える英知を持つことはないけども、あなたのライバルになると言うこと。

AIによって消える仕事

ここで著者が重要な事を書いていました。「勘違いしないでください、AIが代替する領域は遥かに広い」と言う事です。怖いですね〜

まず、なくなる仕事は株価トレーダーや銀行で言うところのバンカーは必要なくなると言う事ですね。花形ポジションですよねー。そのポジションも必要なくなるんです。だから本書では、半沢直樹がいらなくなると言う風に書かれていました。笑

本書にも「なくなる仕事」と言う職業をいくつかあげていました。ここでは詳しくは控えますが、著者は面白いくらい素直に書いてくれていました。

AIにできない仕事、あなたにできますか?

これを聞かれたときは笑いましたね。確かに!!と正直に思いました。

この本の一番面白いなと思ったところです。この書籍はストーリー性を欠かさずに現実を忠実に話してくれているので、本当に面白い部分だと思います。

シンギュラリティは来ない、そしてAIには決定的限界がある、でも仕事は奪われる。笑

こんな状況でも残ると思われる仕事

本書にはコミュニケーション能力と読解力と書いてあります。

どう言うことかと言うと、AIが苦手なのは意味を理解することや、数学では判断できない事ですね。そこで著者はそもそもどれくらい意味が理解できないのかを判断するために、大学受験が終わったピチピチの生徒にテストをやっています。

奇数と偶数の和

・いつも奇数になる

・いつも偶数になる

・どちらにもなりうる

※その3択を選んだ上でその理由を答えよ

これが大学生に出したテストです。しかも、本書では「この問題は人生を分ける答えになります」と書いてありました。

結果から言うと、奇数ですね。なんでですか?理由はと聞かれます。笑

式があります2n+(2m+1)=2(n+m)+1です。

答えれた方いらっしゃいますか?僕は無理でした。

基礎的読解力テスト

この結果を受けて著者はこう思います。

そもそも文書を理解できていないんじゃないのか?と言う着想を得て、基礎的読解力テスト(RTS)が実施しています。書籍には多くの例文が記載されていますので、気になった方は是非ご覧になってください。

帽子を被っていないのは全て女の子だった

スニーカーを履いていいない男の子はいなかった

こういった問題です。笑

スッと理解できましたか?しかも、この文章は嫌がらせで作った問題ではなく、過去に文科省が出している教科書や新聞に掲載されている文章から作成しています。

本質の問題

ここで、本質です。先ほどのテストで答えを正解できたのは30%です。

と言うことは、3人に1人は間違えたと言うこと。つまりは中高生はテストができないのではなく、そもそもの問題文を読む読解力がないので読み取る事ができていないので、正解するはずかないと言う事が、一番大きな問題だと言う事です。

問題文の答え方を教えていた教育現場の方は、そもそも問題文が理解できていなかったのかーっと言う事で愕然としたそうです。

著者がいう一番大事な事

ご察しの通り、読解力が全てということでした。笑

何を隠そう、この本の一番どんでん返しがテクノロジーの本ではなく国語にまつわる、「読解力」が大事という本でした。笑

そうですよね。そもそもAIは意味が理解できなかったんですよね。

人間の優位性は、AIになくて人間が持ってる読解力やコミュニケーション能力です。

この読解力がない人類は必ず、AIに仕事を奪われるということでした。

ここで大事なのは、どうやったら「読解力が伸びるのか?」ということですね。これもまた面白くて、過去のデータをみても読解力がどのようにして高くなるかという実証がなかったということです。笑

まだまだ面白いことは記載されていましたが、レビューはこの辺りにしておきます。AIと今後の人類、自分がどうすべきか、子どもたちに何を話してあげればいいのかなど、たくさん思う事がありました。今日も非常にいいアウトプットができました。

明日もよろしくお願いいたします。KOJIでした。

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