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【クラクラ】大工の拠点(夜村)の今【CoC】

……誰か、誰かクラクラをやっている人はまだこの世にいるだろうか。

日本人チームが世界大会で優勝したことをきっかけに、日本での人気も復活してほしいクラクラだが、体感ではユーザー数はピークをとうの昔に過ぎていると言わざるをえない。何がクラクラを不人気たらしめているのか、理由は様々あるだろうしSupercell社はそれを最も知りたい立場だろうが、本記事ではそのことについては掘り下げない。

本記事ではクラクラで恒常的に遊べるモードの1つである大工の拠点(通称「夜村」)について述べる。具体的には、夜村のどこが良いポイントで、どこが悪いポイントなのか整理することを目的とする。

夜村の良いところ

⒈ ユニットが作り込まれている

夜村のユニットは自分の村(通称「昼村」)にあるユニットに+αでアビリティが付与されており、それが夜村でのゲーム体験を面白くさせている。

例えばアーチャーはスニーク能力を持っており、自慢の射撃を数秒間反撃されることなく発揮することができる。これは基本的に近接でぶん殴ることが主体の陸上ユニットとの差別化になっていて、アーチャーを採用することが望ましい配置が一定数生まれることになる。

このようなアビリティに限らず、夜村のユニットはバランスよりも尖った強さを優先させているため差別化が上手くなされていて、ユニットを使い分けることが重要になる。

⒉ 防衛が強めに設定されている

夜村をやればすぐに気付くことだが、夜村は昼村と違い全壊が当たり前ではない。これはユーザー同士の破壊率を競わせるシステム上、毎回全壊では比較が難しくなるからという事情が関わっている。

防衛が強いと、ユーザーは攻める時に相手の配置に対しその場で上手くプランニングしなければ高い破壊率をマークすることができなくなるので、上手くなろうというインセンティブが生まれる。また、強い防衛施設・防衛配置は相手の破壊率を下げることに繋がるため、防衛を強化して少しでも相手の攻撃をいなそうとするインセンティブが生まれる。

いずれにしろ攻撃・防衛両方で上達することを促すような攻守バランスは昼村にはないものであり、夜村独特の利点と言える。

⒊ クラクラの重要な部分は残しつつ、簡素に仕上げている

今日のクラクラ(昼村)が抱えている大きな問題点をご存知だろうか。それは拡張しすぎたゲームシステムが災いしてゲームプレイ自体が複雑化し、もはや初心者完全お断りのゲームとなってしまった点である。これについては施設数の減少などを講じることで昼村は対処しているようだが、夜村にはこの手の心配は不要である。

なぜなら、夜村はとにかく仕様が簡単なことが売りの1つだ。施設数は最高ティア(BH: バトルホールという)でも大した数ではないし、壁は塊ごとにしか動かせない。ユニットは数匹ごとに組まれた部隊ごとにしか変更できず、ヒーローも1人だけ。もちろん呪文や援軍、攻城兵器などは存在しない。
これだけ簡素化されていても「ユニットを上手く誘導して得意な施設に当て、破壊する」というクラクラの根本的なコンセプトはきちんと機能しており、これにはSupercellの懸命な努力を感じる。

この工夫により、どのTHのユーザーでも気楽に始めることができ、昼村と根っこは同じ考え方である程度楽しむことができる。

夜村の悪いところ

しかし、夜村も良いところばかりではない。むしろこれだけの素晴らしい特徴を全て台無しにするだけの悪いところをもってして「夜村は不要」などと叫ばれるのであり、今から紹介するような欠陥は直ちに修正されるべきだと考える(夜村の修正はほとんど行われない為、放置されているという認識が正しい)。

⒈ 資源を溜めづらい仕組み

夜村では対戦相手とお互いの村を攻め合い、その破壊率で勝敗を決し、勝者が1日3回の報酬を受け取る。しかし、その報酬を得る仕組みこそが夜村一番のストレス源となっている。

繰り返しになるが、1対1の勝者だけが報酬を得ることができるので、敗者が得るものは何もない。トロフィーを引かれ、時間を無駄にするのみである。

昼村では検索してヒットした相手の村(しかも攻めるかどうか選択できる)を攻めて、資源施設の破壊率に応じて報酬を受け取る。とはいえ資源施設のみ狙える戦術はほぼないので、基本は防衛施設も破壊しながら攻めることになる。攻めた結果あまり上手くいかなくても、ある程度まで侵攻できていればそれに応じた報酬は得られる仕組みとなっており、負けても完全な無駄にはならない。

夜村はその利点をまるきり捨てているので、負けが込むと何も得られない時間が続くことになる。これは時間を割いているユーザーにとって大きなストレスとなる。


また、決着が着くまで次の試合に行けないこともストレスが溜まる原因となっている。

夜村には先ほどの「アーチャー」のようなアビリティを活かすかユニットを小出しにするなどして、敵の配置を少しずつ削る戦術が立派に存在する。この戦術は単体の施設自体は脆い夜村にはよく刺さるのだが、いかんせん時間のかかる破壊率特化の戦術である。
この戦術を受けた側のユーザーは自分が既に攻め終わっているにもかかわらずしばらく何もすることができない。たとえ自分が攻撃に失敗したり早期の全壊を決めたりして勝敗が自分の目には明らかであっても、相手の攻撃を待つ必要がある。


更には、ここまでしてようやくもぎ取った資源も、大抵の場合は明らかに勝利に見合わない過小なものである。

1日3回までの制約がある関係で1つの施設・ユニットのレベルを上げるのに数日がかりで上げる必要がある場合がどうしても多くなり、大工や天文ラボを腐らせてしまう。
後述するが、夜村は開発する施設数や研究するユニット数があまりにも過多であり、常に工事・研究をしておきたいところであるのに、それらは数日待たないと動かせないというジレンマがある。

⒉ 研究ユニット・レベルが多すぎる

夜村の魅力は個性的なユニットであると先ほど述べたが、夜村をつまらなく見せているのもまたユニットである。

夜村のユニットはカンストで概ねレベル18まで上げる必要がある。ユニットは十分に差別化されているためいわゆる〇〇ラッシュで勝てるトロフィー帯はたかが知れており、基本的には数ユニットを混成で使う。そうすると1ユニットごとに18レベルまで上げる必要があるので、全部で必要な研究回数は莫大なものになる。
結果的にユーザーはどれか数ユニットを優先して研究するのが精々であり、幅広い戦術を試すことができなくなる(ユーザーのゲーム体験が容易に陳腐化してしまう)。また、開発の過程で移動砲台をカンストさせる必要が生じるのだが(後述する)、移動砲台を使わない編成は不必要な移動砲台を研究する必要が生じるので、あまり移動砲台を使わない編成は使われなくなる。

夜村のヒーローであるバトルマシンも大工1人には見合わない最大30レベルまで用意されており、当然ながら工事中は攻撃に参加できなくなるから、どうしても開発・研究を進める上で後回しになってしまう。

⒊ 昼村への還元: 6人目の大工までの道のりが厳しい

夜村の大きな到達点の一つに昼村6人目の大工(マスター大工)の解放があり、多くのユーザーはそれを目的に夜村をプレイしている。しかし、それまでの道のりはあまりにも厳しく、達成感よりも苦痛を強いるシステムであり、ユーザーのことを考えているとは思えない。

まず、6人目の大工を解放する(O.T.T.Oの小屋を5レベルに上げる)ための条件は以下の通りである。

  1. 昼村で3つの施設を改造する

  2. 移動砲台を18レベルまで研究する

  3. メガテスラを9レベルまで開発する

  4. バトルマシンを30レベルまで開発(研究?)する

条件2, 3, 4が非常に厳しい条件であることは既に述べた通りであろう。条件1はここまでで述べたことは無かったが、マスター大工を昼村に1週間〜2週間派遣させるものである。常に工事し続けたいユーザー側の立場からすると2週間夜村が手付かずになるのは避けたい状態であり、大工の本が半ば必須となる。

総括

以上、2022年秋現在の夜村の現状と課題について述べた。夜村は非常にストレスフルなモードだが、その分見返りの6人目の大工の恩恵は大きい。夜村は2023年に大規模リニューアルが予定されている。本記事で挙げたような悪いところが何らかの改善を施されたならば、既存の昼村限定でプレイしているユーザーがより夜村もプレイしてくれるようになるかもしれない。

余談

事細かに見てみると欠陥の目立つ夜村だが、幸い簡素化されているため操作する手間がほとんど要らない。何かの作業をしている合間に部隊を一気に放って放置しておいてもユニット次第ではそこそこ勝てる。夜村育成は昼村のための苦行と割り切り、あまりにムキになってやらないことを強く勧める。

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