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目覚めている人。素敵な言葉。〜#3 広田奈津子さんと東ティモールの人達

こんにちわ、karo.です。

突然ですが、「カンタ!ティモール」という映画をご存知でしょうか?

実は私は昨年まで知らなかったのですが、このnoteをはじめる4ヶ月前の4月、ちょうど最初の緊急事態宣言が出ていた頃ですが、当時「コロナに勝つ」「コロナ撲滅」というような報道が多くて、とても違和感を感じていたので、大好きなメタフィジックス通信さんのコメント欄に

コロナに勝つとか、撲滅とかって言葉にはいつも違和感を感じていて、
コロナ自体はただのウイルスであって別に悪いことをしようとしているわけでもなく、
他の動植物と同じように生存するための活動をしているだけなんだよなぁ〜。と思います。
肉眼には見えないけれど、存在する。っていうことは、彼らは違う次元に存在していて、
私たちの身体の中もそうだけれど、DNAなんかも、やっぱり違う次元のミクロの世界で展開していること。
日々、様々な研究がなされていて科学は進歩していても
実はDNAの90%以上は解明されていないというのは
この次元からの視点では見えないってこと。理解を超えているってこと。
ウイルス自体はただの粒子。細胞に感染してはじめて発現するのだけれど、
発症するまでに時間がかかるという感じは、
たとえば、私たちの「思考」。アタマの中で生まれた思考は、見えないけれど存在はしている。
それがある日、時差を持ってこの3次元の世界に現象として現れる。みたいなことと
とっても似ているかも?と、昨日ふと思いました。
つまりは思考や感情の次元と、もし同じ次元のものであるなら、
この物質的な次元の考え方でどうにかしようとすることは
もしかしたら、あまり解決にはならなくて、、、。
その次元の存在に私たちが影響を与えることができること、といえば
それは愛だけなのかも?
という、自分的結論に達しました。
ということで、今日の瞑想から、
毎日、コロナウイルスに愛を送ろう。と思いました。
ナマステ(笑)

と書いたら、コメントを見た方から同じようなことを言っている人がいますよ。ということで保江邦夫さんのこの動画を紹介されました。そして、この動画の中で保江邦夫さんが映画「カンタ!ティモール」のお話をされていて、はじめてこの映画と広田奈津子さん(監督)の存在を知りました。

まず映画の舞台となっている東ティモールについて、この映画の上映会で広田奈津子さんが説明している動画から一部抜粋して書いておきますね。

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ティモールはインドネシアの東に位置する島なのですが、もともとたくさんの王国があったと言われます。それをポルトガルとオランダが真っ二つにし、東ティモールは16世期から400年にわたってポルトガルの植民地でした。そのポルトガルから独立を果たしたのが1975年。ですが独立した9日後に隣国のインドネシアがティモールに攻め込んだそうです。それはティモール島の東に大きな油田があったためで、インドネシアはこの油田を含めて併合を主張してティモールを占領しました。
ティモールはとても小さな国なので、1日あれば落とすのに十分だと言われていたのですが、そこから24年間かかって、結局インドネシアは勝つことができず、1999年に国連が入って住民投票が行われ、東ティモールは2002年に正式に独立を果たしました。

日本との関係にも触れますが、第二次世界大戦後、日本はインドネシアに、ODAとしてダムや電力などいろいろな開発をするようになり、たくさんのお金がインドネシアに渡ります。インドネシアが1日でティモールを落とせるといわしめるほどの武力はアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパから武器が売られていました。

武器だけではなく、覚醒剤を使うことも含めた軍事訓練もアメリカから提供されていて、それらを買うお金について、直接は日本のODAはそのお金にはならないのですが、2国間援助では7割が日本のお金であったので、間接的に武器を買うお金に使われていました。
ティモールでは三人に一人、20万人が亡くなり、当時こうしたことを、日本のジャーナリストは伝えようとしていましたが、結局、何かの圧力によって形にならず、この戦争は明るみに出ないように出ないように、24年間進められてきたので、日本のほとんどの人がティモールで起きていたことを知らないそうです。
「このティモールをアフガニスタンに変えてみても、イラクに変えてみても
お金になる資源があるところで戦争、紛争が起こされている。
多くの場合それは内紛と呼ばれたり、宗教戦争と呼ばれたりするけれど、
私たちは少し慎重にお金の流れや自分たちが使う地下資源の流れを見ていくといいのかなというふうに思う。」と広田奈津子さんは話されていました。

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そして広田奈津子さんがこの映画を撮ることになった最初のきっかけが、10歳の頃、子供の頃から毎日のように遊んでいた近所の森が、宅地開発で伐採され、さら地になってしまったことにショックを受けて寝込んでしまったことからはじまります。

「何がショックだったかって、人間とたぬきのこどもとか他の生き物との間に、何か線引きがあるのだろうか?ということが子供にとって驚きだった」
〜【20140222 上田平和映画祭】広田奈津子(カンタティモール)監督トークライブより

その後、シアトル首長の「父は空  母は大地」という絵本に出会って感銘を受け、世界各地の先住民に会いにいく旅に出て、独立直後の東ティモールに出会われたのですが、現地で歌を歌っていたアレックスという青年の歌が帰国したあともずっと耳を離れず、そこから何度も東ティモールに行くようになり、撮影をされたそうです。2002年から300時間以上撮影され、映画は2011年から上映会という形をとって、全国各地で上映会がされています。

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私がこの映画を知ったのは、先に書きましたがコロナ禍でしたので、ちょうど上映会も自粛のため、開催されていないタイミングでした。予告編を観て、とても観たいと思いながら、なんとかたどり着かないかと、検索をしていたら、広田奈津子さんの上映会監督トークライブの動画が多くアップされていました。東ティモールの人達が、24年という長い戦禍のなかで、9割の家が焼かれて、家族や友人が殺されて、拷問を受けて、大金を散らつかされても諦めなかったこと。ゲリラ戦でもインドネシア兵を捕まえても殺しも拷問もせず、食事を出して、話して、ひとりひとり説得して行ったという、その根底にある自然信仰、彼らを守ってくれていた精霊や宇宙観について、広田奈津子さんのお話が、本当に、とてもとても素敵すぎて、自粛期間中、ずっと観ていました。

そうしたら、偶然にもオンライン上映会が5月に開催されることを知り、映画も無事に観ることができました。本当にシンクロに感謝です。

と、前置きがかなり長くなりましたが、今回の記事は、上映会での監督トークライブの動画の中からいくつか、広田奈津子さんの話された言葉を拾わせていただきました。

自分の体に本当に優しいことをしたら、この世界にも優しいことをしていると思うんですね。
テイモールのことを全く知らなくても、自分が本当に喜ぶ暮らしをしていたらこういう人たち(ティモールの人)に迷惑をかけていることはないと思うのです。
最近よく私の周りでもこだわりのカフェを始めたりだとか、自分で畑を始めたりだとか、そうやって自分の体と向き合ったり世界と向き合ったりする活動がいっぱい生まれていると思うんですけど、そういう人たちがティモールの名前を知らなくっても、きっと幸せのために動いている人って、遠い人の幸せにも繋がっていると思うんです。
なので、知識がなかったということを悪いと思わないでください。
〜映画「カンタ!ティモール」監督トーク 2011.1.16 京都
(どうやってティモールの人たちはこの長い戦禍をあきらめずに独立を勝ち取ることができたかについて)
壮絶な独立運動なんですが、その壮絶な独立運動の合言葉がなんだかおだやかでかわいらしいんですけれども
ネイネイ マイベ ベイベイと言って
ネイネイというのが「優しくゆっくり少しずつ」という意味で
マイベというのが「だけど」という意味で
ベイベイがいつも、「いつまでも」という意味なんですね。
だから少しずつなんだけれども、ずーーーっとやり続ける。というのを彼らは
何世代も何世代もかかって、平和を求め続けたんだなぁ…と思いますね。
〜20130615 カンタ!ティモールSpecialTalk
(拷問を受けた友人がインドネシア兵に)
「僕を殺しても同じだよ。この声は続くんだから。僕一人殺したって同じだ」っていうんですね。
それはティモールでよく耳にしたことですけれども、
自分を殺しても続くよ、それは春が訪れるように、命の営みが続くように、この声は続くから、平和を求めるっていう声は続くから、それは春が訪れるのを止めるのって誰もできないですよね。
命の営みっていうのは止められないよ。ということを彼らはよくいうのですけれども、そういう自分個人の願いというよりも大きな命としての願いとして、平和が求められたのかなと。
〜20130615 カンタ!ティモールSpecialTalk
ティモールの言葉であなたという言葉は「イタ」と言うのですけれども、
「イタ」と言うと、同時に「私たち」という意味になるんです。
あなたと、わたしたちという言葉の区別がないんです。
なので、あなたの子供は私たちの子供になる。私たちの家はあなたの家になるんですね、なので、だからこそ、「あなたが私の娘を殺しましたね」という文章は「私たちは私の娘を殺しましたね」という文章になって、あなたって言うのを自分から切り離さない文化というのが大前提にあると思います。
あなたと私が同じ言葉で語られるのは、ポリネシアとか、太平洋にも見られることで、日本でも相手のことを「自分」と言ったり、....
日本にもそう言った文化が根底にあるんだと私は思います。
それって、命がひとつながりにあって、あなたは私であって私はあなたであるっていう世界にいるといろんなことが楽になっていくと思います。
〜20130615 カンタ!ティモールSpecialTalk
(なぜ、東ティモールの人たちは相手を恨まないでいられるのかについて)自分が見えている世界、外側の世界は自分でもある。自分の体内でもある。あなたがもし私を叩いたとしたら、私は叩かれる経験もするけれども、叩く経験もしている。….
だから、自分がすることが問題であって、という、そういう宇宙観があって、もし叩かれたとして、自分がもう一度叩いたとしたら自分はもう一度叩かれた痛みを経験するということなんですね。それが必要ならばするんでしょうけれど....。 
〜映画「カンタ!ティモール」監督トーク 2011.1.16 京都
(東ティモールは地域によって多くの言語がある)
...マカサエという言語だったと思うんですが、友達という言語がないんですよ。男なら兄か弟、女なら姉か妹と呼ぶんですね。
また、一つの言語では「敵」という言葉が見当たらないんですね。
ポルトガルの支配が長かったので、ポルトガル語の敵という言葉は普通に通じるのですけれども、彼らの言葉で一番近いかな?という言葉を探すと「今は別の方向を向いている誰か」という言葉があるんです。
〜20130615 カンタ!ティモールSpecialTalk
インドネシア軍が占領している時には病院が危ない場所ですから(多くのティモールの人が病院に運ばれて殺されていた)
何かトラブルがあると村の治療師さんに治してもらうんですけれども
その治療師さんが、いくら薬草を処方したり、治療を行なっても体が治ろうとしないケースがあって、それっていうのは、怒りが自分の中で固まって滞っている場合だと。
だから、何日かかってでも瞑想を一緒にして、自分の中で怒りがないか不安がないか、あればそれを流していくという作業をする。
そうじゃないと体が治らない。
だから相手のためにではなくて、自分が健やかであるために怒りを流しましょうということが言われるんですね。
〜20130615 カンタ!ティモールSpecialTalk
コントロールできるはずがない。と知っている人たちは強いですよね。
人が何かをコントロールするということが、本来無理なんだということを、大きな部分とつながってる状態だと人が人を裁けないことや、人が人を縛ることが刹那的にできても、本来成り立たないことがわかってる。
そうすると軍隊はコントロールしたつもりでも、民衆は常に大地とつながるところから自由と得ていたというか、そんな印象がありましたね。
肉体的にも、何世代も縛りようがないというか、今自分の体を縛ることができても、ここからつながっていく命ずっと縛ることは誰もできない。
何世代も縛ることはできない。
ティモールの人は時間の捉え方が、何千年、何万年というスケールなんだな。と。
ティモールは何万年前の遺跡が出たり、古い文化を継承している。
先住民の古い文化を見ていくとどこも共通して祈りというものが必ずあって
そこの土地との関わりというものが必ずある。
今刹那的に安全な道というよりも何千年、何万年と捉えた時にどういうやりかたが、命が続くことなんだろうか。というその選択の結果がその文化の暮らしぶりに見えるのかなと思いました。
〜コロナ 私たちの気づき~カンタティモール広田奈津子監督とのzoom対談より~
コロナに関わらず、コロナが終わったとしても、
他の生き物の場所を奪ったり、他の生き物を奪ってきて
それで人間の社会を回せて、それで経済も上向きになっていく、これでいいじゃん、というやり方が、それはもう、命の方向じゃないということはもう明らかなわけで、私たちが今からどういう選択をしていくのかっていうのは
どんどんクリアになってきているし、それが形になっていこうとしているっていうのが、すごくそれはワクワクしています。
〜コロナ 私たちの気づき~カンタティモール広田奈津子監督とのzoom対談より~
昔の日本の人たちって熊やカモシカが里に降りてくると、「あ、山が貧しくなってるんだなぁ」と言って、柿の木を植えに行ったたらしいですね。
すごいいいなぁ、と思って。そういう感じ。
そこに想いがはせられる。あ、山に食べ物がないんだなー。よっぽどなんだな〜。って。
〜コロナ 私たちの気づき~カンタティモール広田奈津子監督とのzoom対談より~
ティモールの古い神社に舟の絵が彫ってあって、その船に乗っていたのが、船長の場所に乗っているのが「鳥」だったんですけど、
村の人に聞いたら、鳥と人が話をしてたっていう。
同じような話、星野道夫さんも話していて、私は北米でも、ポリネシアンでも聞いていますが、だから単なる伝説じゃなくて、人が生きものから教えをもらっていた。
意思疎通してた時代って人間持ってたんだろうな。って思うんですよね。
…中略)長いこと人類はそこの扉は開けてきたはずで、だからこそ、こんなにたくさんの移動ができたんでしょうし、土壁作るっていうのも多分鳥から教えてもらったんじゃないかとか、いろんなことを多分生き物から助けてもらっていて、この先、私たちが進化して、もう一度その能力、私がただの私じゃない、私があなたでもあるし、私が鳥でもあるし、虫でもあるっていうところに行った時に、じゃあどんななんだろう。もうワクワクしちゃって。
鯨に伝言頼まれて、象に伝えにいくとか(笑)。
〜コロナ 私たちの気づき~カンタティモール広田奈津子監督とのzoom対談より~
アメリカの脳解剖学者が左脳の言語野に脳内出血を起こして倒れるんですけれども、左脳の言語野が機能しなくなるにつれて、自分の身体の境界がどこまでか分からなくなるんです。
全部がつながった状態になってしまう。その学者さん曰く、言語野を刺激することによって私たちは自我を確立して、だから社会が営まれる訳だけれども、産業革命以降、人類は言語野を刺激しすぎてるんじゃないだろうか。と。
文字だとか機械の単調な音だとか、単調な光、人工的な光だとかが、言語野をとても刺激してしまう。
刺激すればするほど他者との境界が明確になっていってしまう。
逆に言語野を休ませるものは、波長の長い夕日だとか、音楽だとか、文字のない世界だというのですけれども、
(中略)....その学者さん曰く、仏教の瞑想しているお坊さんの脳波を測るととても言語野が鎮まっているらしいのですよね。
そういう状態に村の暮らしっていうのは入りやすい。
(東ティモールは)教育だとか信仰だとか、そういうものよりももっと前の土に染み込んでいるかのように渾然一体とみんなと暮らしていると言う環境があって、だからこそ相手も私と同じであるという戦略だとか、教えというものが実行されたのではないかと、私は思います。
〜20130615 カンタ!ティモールSpecialTalk

2017年に急逝されたアレックスさんが、2011年の東日本大震災を受けて日本の皆さんにメッセージとして広田奈津子さんが受取った伝言を最後に。

またアレックスさんの日本での追悼の会の動画はこちらです。映画の背景なども広田奈津子さんが語られています。

「自分たちの仲間が十人にしか見えなくて、対するものが大きくて巨大で千人にも見えても、もしそれが本当に命に沿った仕事、命が喜ぶ仕事であれば、亡くなった人たちがついていてくれるから、それは1000どこじゃないから、絶対に大丈夫だから恐れないで、続けてください。
仕事の途中で命を落とすことがあるかもしれないけれど、それでも大丈夫だから恐れないで。
もしどうしても仲間が十人にしか見えなくて心細くなったら僕たちのことを思い出してほしい。
東ティモールはとても小さかった。あの巨大な軍を撤退させるなどできたら奇跡だと笑われた戦いでした。
でも最後にはその軍も撤退しました。それは夢でも幻想でもなく現実に起きたことで目に見えない力も僕らを支えてくれたから、どうか信じてください。」
〜アレックスの伝言より

現在も映画の上映会は開催されていませんが、リクエストがあればコロナの状況にもよるとは思いますが開催ができるようです。ご興味がある方はぜひHPをご覧ください。また、ここに拾った言葉以外にも魅力的なお話が本当にたくさんありました。YouTubeに広田奈津子さんのトークライブが多くアップされていますので、ご覧になってみてくださいませ。











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