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私に還る旅 #6 〜闇夜を越えて、目覚めの朝が訪れる



恐れの元に気がつくと、その恐れは消えてしまう




#6 闇夜を越えて、目覚めの朝が訪れる


ほしふねさんの影絵公演のあと、その夜は、イトナミダイセン藝術祭のメイン会場「てまひま」の離れに泊まることになっていました。

それも、すごいことに!
このnoteで知り合った千尋さんと麗子さんが、車で7時間もかけて、この大山まで来てくれて、私のプログラムに参加していただけることになっていて、同じ部屋に一緒に宿泊することになっていました!


ここで話を遡ると、7月に千尋さんが東京にいらしたときに、千尋さんとは初めてお会いしました。その初対面の時に他にも話は色々あるのに、なぜか「鳥取のイトナミダイセン藝術祭に出ることになった」と、ジュピタリアンヒルの写真を見せて話したのですよね。そうしたら千尋さんが「わ、行く!行くことになると思う〜。」と言ってくれていたのでした。

そのあと、9月にも東京で千尋さんとお会いして、その時に「そういえば、鳥取の話、どうなりました?」と聞かれ、まだ宙ぶらりんの状態だった頃なので、「全然決まってないらしい〜」と話したら、「でも、ここで聞いたってことは多分行くんだと思います!」と千尋さんがキッパリと言ってくれていました。さすがです。

そんなこんなで本当に来てくれることになって、それも麗子さんと一緒に!!!まるで、
ちょろちょろ流れていた川の流れが、どんどん合流していく感じでした。


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そして、「てまひま」に移動する前に、前泊していたまみーたさんに聞いたら、この古代の丘公園の近くに温泉があるので「寄った方がいいよ。」と言われたので、夜に「てまひま」で合流する予定の千尋さんにも連絡をして、温泉にお誘いしました。

私は、先ほど食べた温かな揚げ玄米おにぎりとスープのおかげで、少し落ち着いたのですが、睡眠不足だったのでもうこの時間には相当キテいて(笑)ぼーんやりとしていました。そのままシンちゃんにおんぶに抱っこに肩車状態(笑)で、温泉に連れて行ってもらい、朦朧としながら入口を入ると、

「あ、Kaloさんだ!」

という元気な声が聞こえました。
???と目の前の女性を二度見をしたら、
その時すっかり冬眠していた脳がピピっと反応しました!

麗子さーーん!!!


おふたりが先に温泉に着いていて、顔を見たらなんだか元気になりました。
それにしても、初対面から裸のお付き合い?になるっていうのも、なかなかない、初体験です。
露天風呂に麗子さんと並んで入りながら、麗子さんのほうも、ここまで来る道中で、いろいろなサインを受け取ってきたらしく、その話を聞かせてもらい、私も朝からここまでの二極の出来事を話しました。

本当に不思議な旅です。

そのあと、千尋さんと麗子さんは先に「てまひま」に帰り、
私はシンちゃんを待ちながら、温泉横の青空喫煙所で、夜空を見上げて、一服して、ぼーーーっと、相変わらずピノちゃんのことを考えていました。

どうしているかな?大丈夫かなぁ…。


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温泉にも入って、身体もすっかりあったまったら、
もう足元もふらっふらになりましたが、
なんとか「てまひま」に到着しました。
宿泊はシンちゃんは2階、私たちの部屋は1階の入ってすぐの和室でした。
入ると、千尋さんと麗子さんはすでに布団を敷いてくれていて、
その上で、プチ宴会(笑)が始まっていました。

こういう時、普段の私だったら、翌日、演奏を控えているという緊張で、人に壁を作ってしまい、気持ちがトゲトゲしたりすることが多々あるのです。

でも、この日は、本当に疲れ果てていて、もう何かを完全に通り越してしまっていました。ここまでのピノちゃんへの対応でいっぱいいっぱいで、翌日の演奏への心配やら緊張感を持つ余裕すらなくなっていて。
とにかく猫が無事であればそれでいい。というだけで。

それはかえって良かったのかもしれません。

なので、宴会に混じって、麗子さんのビールを一口いただき、千尋さんの梅酒も一口いただきながら、もうタガがはずれちゃっていたので、
この日のストレスマックスな話を、どしゃ〜...っと、遠方からわざわざ来てくれている、おふたりに、昔からの友達と一緒にいるような気分でぶちまけていました。

(あの夜は本当にすみませーん)

そしておふたりが「お土産〜!」と渡してくれた石。レッドカルサイト。
説明部分には「人生における前進を妨げている障害を取り除く石です。」と書いてありました。
私はその時は「前進ってなにーーっ?!」「ただ歩いていれば前進するわけで前進するために何かをするっておかしいよねー」とかって噛みついていて(苦笑)(今思っても、ほんとにまったく失礼な話)

(穴があったら入りたい…)

そんな、一番年上なのに、完全に子供状態全開になっていた私を、ふたりは包み込むように、めーちゃめちゃ大きな愛で包んでくれていて。

もう私は、本当、クダを巻くだけ巻いたあげく、眠さが限界になり、歯も磨かず、トイレも行きたいけど寒いから行かず、で、気絶するように寝てしまいました。

(せっかく会えたのだから、本当はもっといろいろ話したかったのに)



ーーーー
そして深夜。
夢で、白い光の中に青い光が揺れている映像を見ながら
ハッと目が覚めました。

いま何時だろう?と思いましたが、こわくて時間を見ることができません。

以前、記事にも書いた源太郎という猫が病院に入院中、私は深夜の時刻にハッと何かを感じて、その時に時計を見たのです。
その翌朝に病院から呼ばれ、深夜に亡くなっていたということがあって。
多分その時刻にあちらへ旅立ったのだな。と思ったので

数字を見たら、何かが確定されてしまう。

なぜかその時、そう思って、怖くて、時計を見ないまま、外に出て別棟にあるトイレへ行くことにしました。


そしてタバコを取りに戻って、庭に出て火をつけて、また夜空を見上げて、
今度は源太郎、そしてピノちゃんの兄弟だった源次郎、それから兄にも
「今はそっちに連れて行かないでね」とお願いしました。

この時もまだ、心配はおさまっておらず、明日の帰りは夜の便だけど、演奏が終わったらもっと時間の早い便に変更して帰ろう。と、考えていました。



そして、実は大山に来る時に一番楽しみにしていたのが星空だったのですが、この夜は雲もあったので、星はあまり見えなくて。

でもその夜空にひとつだけ、雲の間からしっかりと光を放っている星があって、ずっと見つめていたら、なんとなく、ピノちゃんと繋がっているような感じがしました。なので、その星が雲にまたかき消されてしまうまでの間ずっと、その星に思いを送りました。



そうしてほどなくして、布団に戻ったのですが、

今度は眠れない。

あ!と思って明日の演奏用の荷物から、
いつも一緒に寝ているレムリアンクリスタルをごそごそと出してきて、
布団の中で握りしめていたら、いつのまにか眠っていました。


ーーーー
次に目が覚めたら、もう明るくなっていて、7:30くらいでした。
寒くて布団から出たくない…。
でも、猫を見に行ってくれるひで。さんから7:50くらいに連絡をもらう約束をしていたし、8:30には会場へ出発と言っていたので、意を決して起き、急いで顔を洗いに行って、歯を磨いて、着替えました。
バタバタ用意していると、すぐにひで。さんからビデオ電話が入り、ピノちゃんの無事な姿を見せてくれて、「ピノちゃんは顔合わせの時とあまり変わらない。見た感じ元気そうですよ。」と言ってくれたので、ああ、事前に会っておいてもらって良かった。安心した〜。
ひで。さんにお願いして良かったー。と思いました。

ビデオ電話を切った後も、LINEでごはんの様子などの写真を送ってもらいながらやりとりをしていました。
私は、タバコを取りに行って、昨日の深夜にタバコを吸った場所に腰を掛けて、LINEのやりとりをしていて、足元をふと見ると、もしかしたら昨夜、私が落としたのかもしれない、と思われる小さな白いホカロン(貼るタイプ)が落ちていて、そのホカロンの上側になった粘着面のところに、なんと。ゴキブリが引っかかっていました。

え?この寒いのに?ゴキブリ?

でも、なんだか透き通るように茶色い羽のキレイな色をしたゴキブリで。

はぁ〜〜〜〜〜....。って思いました。


以前、記事に書いたのですが、私にとって、ゴキブリは恐れの象徴的存在なのです。そして何年かはまったく見なくなって、逆に最近は年に1-2回くらいは、死骸を見たり、外で歩いているのを見かけることがあって、それは私にとって、その時に内側で感じている恐れのサインだと感じていました。

そのサインが、今。寒いこの季節に、ここ大山という場所で
私が使っていただろうホカロンにくっついている。って...。

目が釘付けになってしまい、しばらく見ていたのですが、
すぐに誰かに呼ばれて、その場を離れました。



昔はゴキブリを見ただけで条件反射で怖かったのですが、
最近は以前ほどは怖くなくなって、ともすると話しかけたりしています。
多分これは私の中にある「恐れ」という感情との向き合い方が
変化したからだと思うのです。

そしてゴキブリ(=恐れ)とは出会う機会がほぼなくなっていたのですが、ゴキブリ(=恐れ)自体は存在しているのですよね。


私はこれまでずっと抱えていた猫への執着と死(=失うこと)への恐れが、この旅で、あきらかに全開マックスになっていました。
でも、特に今回の出来事は
昔、源太郎を亡くした時に抱えたトラウマと完全に重なっていました。
源太郎と同じ腎臓の不調。逝く時に傍にいられなかったこと。
これはずっと握りしめていた後悔だったので
だからこそ、これまで、同じことが起きるのではないかという恐れから、
ずっと旅に出ないようにしていた。のですよね。

今回のピノちゃんへの心配は、
私が過去に握りしめていた恐れが炙り出てきていたのですよね。
私は、過去の幻影を今に重ねて現実をも作り出していたのだなぁ
と気がつきました。


この朝にそこまではわからなかったのですが、
このゴキブリを見たときに、なにかわからないけれど今起きていることのサインだというのは理解ができ、これは私の中の「恐れ」の現れ。
だからこそ逆に「恐れなくても大丈夫なもの」だってことがわかりました。



そしてふと見ると、ホカロンの粘着は弱かったのでしょう。(よかった)
そのゴキブリは粘着を脱して、庭から軒下へゆーっくりと歩いていました。

その姿は、お日さまに照らされていて、なんだか美しい。と思えました。
それにしてもこの季節外れのゴキブリは、もしかしたら
私だけに見えた天使だったにかも。ある意味、虫の知らせ?かも?ですね。

そして目の前に現れてくれたその子に
「気をつけてね。どうもありがとう。」と伝えて、
やっとスイッチが切り替わりました。




もう、大丈夫。




ここでやっと大山にココロが降り立ったのです。

さて、いよいよジュピタリアンヒルにむかいます!

(つづく)

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イトナミダイセン藝術祭、11月13日まで開催しています。





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