尺八は仕事でも趣味でも特技でもない

たまに人から「良い趣味をお持ちですね」って言われる。
尺八を吹いてるとそう言われることがある。

でも俺にとって尺八は趣味じゃない。なんでかって言うと、別に俺は尺八が好きじゃない。
じゃあ、仕事かっていうと、尺八の収入はほとんどないから、仕事です,とも言えない。
じゃあ、特技かっていうと、過去に山ほど上手い人達を見てきたから、俺レベルで特技とも言えない。
じゃあ、使命感か?例えば伝統文化を残したいみたいな。それも違う。俺は尺八を後世に残したいとか、広めたいとか思ってない。(もちろんこれは、後世に残したい、広めたいという気持ちを持っている人を否定してるわけじゃない)

じゃあ何なのか。俺は「何でもない」と思っている。
尺八は俺にとって仕事でも趣味でも特技でもない。何でもない。
人と繋がるのに便利だから吹いてるだけだ。

尺八とか音楽全般は人と繋がるのに便利なツールであり、今俺が吹ける楽器が尺八しかないから吹いてるだけだ。
尺八よりもっと表現しやすくて、使い勝手がいいツールができたら、そっちに移行する気マンマンだ。フルートとかでもいい。(でも俺はフルートをやり始める気がない。今さら面倒だ)

言葉で話すことや書くこと、動画配信なんて良いツールだと思う。
でも音楽は、やってみると分かるけど、他のツールじゃなかなか代えがきかない。
音楽を演奏したときの人との繋がり方は、話すことや書くこと、動画配信とは全く違う繋がり方をする。そして、音楽はしばしば普段壁に感じているものをやすやすと越えて行く。

尺八は音程も不安定だし、早いパッセージも吹きずらい。
そういう意味でははっきり言って他の楽器やったほうが手っ取り早い。
尺八にはおそらく尺八独自の魅力がある。たぶん。でも俺はよく知らない。
もし尺八の魅力を知りたい人は、これを読むのを辞めて「尺八 魅力」とかで検索したらいい。

でも俺は魅力を感じてなくても、まあ俺が吹けるのは尺八だけだし、俺の演奏を好きな人もいるから、俺は吹くけど。
  

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