Vol75. 大切なことはディアゴスティーニが教えてくれた。

マーケティングで大切なことは全部デアゴスティーニが教えてくれる【行動経済学の7つの効果】というとても読みやすい記事があった。
http://cibea.jp/kantsubo/deagostini/
大学で行動経済学の授業を受けたこともあったので、思い返された。

1.単純接触効果(ザイアンスの法則)
2.価格のアンカリング効果
3.希少性の原理
4.イケア効果と投資した時間への価値
5.授かり効果(保有効果)
6.コンコルド効果・埋没費用(サンクコスト)
7.マグニチュード効果(マグニチュードエフェクト)

1.
例)デアゴスティーニのメインの宣伝方法であるテレビスポットCMは、どんなシリーズの場合でも、創刊日の2週間前から前日まで放送されている。
→何度も情報に接触させるということは、自然と商品に対する好感度が高まっていき、やがて良い商品だと思ったり、欲しくなったりすることにつながる。

2.
例)デアゴスティーニの創刊号は、必ず2号以降の価格よりも安く半額~1/4程の値段設定になっています。
→最初に見た「通常価格」を基準と考えるため、創刊号の割引価格をよりお得に感じる。

3.
例)デアゴスティーニの創刊号は書店などで多くみかけるものの、実は2号以降は、号数を重ねる毎に発行冊数が減っていきます。
→「この機会を逃せば二度と手に入らないかもしれない」と、思うと人はその商品を欲しくなる。“数が少ない物”は、“いつでもどこでも手に入るもの”よりも貴重で価値(満足度)が高い。

4.
例)デアゴスティーニの模型商品は、“自分で労力をかけてつくる”
→人は、自分で労力をかけて作ったものに対して、出来合いの完成品よりも高い価値をつけることがあり、これを「イケア効果」と呼びます。「人は優れた技術よりも“時間をかけた”という“目に見える努力”を高く評価する」傾向がある。

5.
例)デアゴスティーニの商品は、何号にもわたって創刊されるので、未完成の模型を“完成までずっと保有しつづける”。
→人は、自分が一度所持・保有した物に対して、市場に出回っている新品の物よりも、高い価値をつけることがある。人は商品やサービスを手にした時の嬉しさよりも、失う時の悲しみの方が大きい。

6.
例)ディアゴスティーニの創刊号から6ヶ月分、すでに購入した状態だったとする。その時にもし、「ここで継続購入を辞める」という選択肢や「7ヶ月目以降の費用より安い完成品の城を買う」という選択肢があったとしても、どちらも選ばず継続購入してしまう。
→ここで辞めればこれまでの投資が無駄になってしまう」という思いが合理性よりも優先され、継続してしまう。

7.
例)デアゴスティーニは創刊号からすべて揃えると、完成までに数万円~10数万円の費用がかかります。しかし、一回数百円~数千円の“分割払い”にすることで、人はその合計額の大きさを正確に捉えられなくなります。
→人は、小さな金額を提示されると、それが分割だとわかっていても、一括払いの時の金額よりも安く感じて支払いやすくなる

デアゴスティーニには、以下の5つの商品カテゴリがあるけど、商品開発の段階から徹底したリサーチを行っていて、創刊したシリーズは100号を超えるものでも、必ず全て最終号まで発行している。
【デアゴスティーニの商品カテゴリ】
①学習して上達を目指すコースもの
②そろえると百科となるデータファイルもの
③集めていくコレクションもの
④ビルドアップ(組み立て)もの
⑤DVD/CD

結果として商品の質を高めて、常にリピーターやファンを増やし続けている。
クラウドファンディング後に一般販売を行う。または、クラウドファンディングで事業群を立ち上げて、ブランドを確立した状態で一般販売へ乗り込んでくことで、勝率を上げて勝負できるという戦略を練る時に、ディアゴスティーニのやり方はだいぶ参考になりそう。

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