不正レビューの手口(2)

前回は古典的なASIN使い回しの手法と見分け方を紹介した。この方法は注意深く見ればすぐにわかる上に通報されれば今まで蓄積してきた☆5を全て失うことになるのであまり頭のいい方法とは言えない。

不正セラーがどういう方法で実現しているのかは後回しにして、不正なレビューの見分け方について解説したい。
もちろん、ここに書いたことが100%ではない。100%識別する方法があるならAmazonはとっくに対策をとっているだろう。
あくまでも「不正レビューの疑いがある」という話であることを念頭に置いて読んでもらいたい。

セラー時代の経験から断言するが、商品レビューはめったに書かれない。
ましてやポジティブな評価は数%書かれれば御の字、と言った世界だ。
その中で、新製品が発売されてすぐに☆5が続くということは非常に稀である。

自分が購入したいジャンルの商品を見て、非常に評価が高いものを見つけたら、まずレビューを「新しい順」でソートしてみよう。

(典型的な自作レビューでスタートダッシュを狙った商品。5件のレビューは取扱い開始から間なしに投稿され、5件全てが捨て垢である)

そして前回書いた「Amazon.co.jp での取り扱い開始日」と見比べてみる。発売直後に☆5がざっと並んでいたら要注意だ。

次に☆5をつけたレビュワーの名前を順にクリックしてみよう。
・日本人のフルネーム
・その商品にだけ☆5をつけている(レビュー数1)
この2つは重なっているアカウントはかなり怪しい。
また、名前の部分が日本人名でなくても、その商品以外にレビューしていないレビュワーの☆5が並んでいる商品は気をつけたほうがいい。

(自社の商品に☆5をつけるためだけに作られたアカウント。捨て垢である)

だがまだ確証はもてない。偶然が重なることもあるだろう。
次に、「カートを入れる」の下にあるセラーの名前をクリックしてみよう。

(店舗名をぼかしたためによくわからなくなっているが、ぼかしてある部分はセラー情報へのリンクになっている)

するとセラーの情報が表示されるページに飛ぶ。

セラー情報ページの左上に「(セラーの名前)のストアフロント」というリンクが見えるはずだ。
そこをクリック。

するとそのセラーが売っている商品が(おそらく)人気順に並んでいる。その中から適当な商品を選んで、同じようにレビューをチェックする。
☆5しかない商品があったら、それをチェック。
その商品にも☆5をつけているだけのアカウント(レビュー数1の捨て垢。上のスクショ参照)が並んでいたら、不正レビューの可能性は非常に高くなる。

それを確認したら、セラーの情報が表示されるページに戻って、セラーの情報を見てみよう。
中国の住所が書かれていただろうか?セラーの名前が ABCDE JP などといかにも日本法人ぽく書かれていても結局は中国の住所しか書かれていないことが多い。
もちろん不正セラーは中華だけではなく、日本にもたくさんいる。

・050で始まる電話番号
・担当者が女性(かつなぜか名前がローマ字)
・住所がレンタルオフィスやマンション、アパート(こちらもローマ字の事が多い)

こういう情報を載せているセラーには電話してもまず誰も出ない。そして複数の店舗をAmazon内で運営していることが多い。これもAmazon規約違反である。

私は不正レビューを見つけるために半ば意地になって手間をかけていたので、最低でもこのくらいは見ていたが、普通に買い物を楽しんでいる方はこんなことはまずしない。
ただ☆の数を見て、ざっとレビューを読んで褒められていたらそれで購入を決めるだろう。

Amazonを訪れる大半のライト層を欺いているのが、不正セラーなのである。

最後に一つだけ。彼ら不正セラーはいくらでもアカウントを量産して自分たちの商品を買ったように見せかけて偽のレビューを書き続けることができる。
そのことは忘れないでもらいたい。

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