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4.土御門教授語録 ≪健康に生きるには≫

#幸せエッセイ
今回は、
チョット変わっていて少し小難しいんですけど、そしてちょっとお年なんですけど、何故か学生たちには人気がある土御門(つちみかど)先生に、悠斗君がズーッと気になっていたことを、尋ねました。
 
先生、多くの人、と言うよりほとんどの人は年をとると病気になって、そして亡くなってゆくような気がするんですけど。そして、自然死というのは全体の10%あるかないかと言われていますよねぇ。健康に、そして自然死で逝くことは本当は珍しいことなんでしょうか、年をとっても健康に生きる方法はないんでしょうか。
 
土御門先生は、幸福人文学という風変わりな学問を専攻され、定年をとっくに過ぎているが後任がいないため、乞われて未だに教鞭をとっておられる、これまた風変わりな先生です。
 
 
先生は答えます。
人間は恐らく基本的なことを忘れているんじゃよ。生きる基本を。
人類は野生動物の一種、つまりゴリラやチンパンジーと同じ仲間だと言うことをね。地球に生まれ、地球上で生きている動物だと言うことを。
 
 
一つ目は、地球上の動物は、朝日と共に起き、夕陽と共に休むということじゃな。
明るい朝陽でセロトニンが分泌され、元気に爽快になるんじゃよ、陽の光を浴びるとビタミンDが作られ、筋肉もつくられ易くなる、更にはその後、十五、六時間くらいすれば、それがメラトニンに変化し、眠気を催しぐっすりと眠れるようになっている。それだけでなく、サーカディアンリズムといって、一日の昼と夜のリズムで体温やホルモン、免疫力さえ、変化するようになっているんじゃ。そんな自然界の動物、生き物としての体調維持のためのリズムを全く無視して生きているのが人間なんじゃ。
 
二つ目は、野生動物は文字通り、動く生き物なんじゃよ。人類は何万年、何十万年という歴史の中で、狩りや農作業をして生きながらえてきた。筋肉を使って、心臓や肺臓を動かし、全身に酸素を供給し、新陳代謝を促し、健康を維持してきた、それが今ではほとんど身体を動かさず、汗もかかず、日がな一日テレビやスマホやゲーム機など、小さな画面ばかりを凝視しながら暮らしているじゃろ。
 
三つ目に、食べ物じゃな。長い年月人類は、食べ物に事欠き、飢餓に瀕しつつ生きながらえてきた。だから、食べ物が無くなっても、最悪、人間は自分の身を栄養に変えてでも、少々の飢餓には耐えられるようにできている生き物なんじゃ。今は過食、飽食に明け暮れる時代。そして、俗にいう『美味しいもの』は、脂肪と糖でできている、取り過ぎると不調を発生させてしまう事に繋がるんじゃ。人類の身体は、偏食、過食に耐えるようにはできていないんじゃよ。このほんの数十年の間に人間の食習慣は大きく逸脱し過ぎたんじゃ。
 
四つ目は、人間の身体の身を守るための防御態勢じゃ。敵への瞬時の防御や攻撃ができるように、また逆に、疲弊した身体を癒し、修復するように、自律神経と言うものが制御しているということは知っているじゃろ。
自律神経の交感神経と副交感神経でバランスを取って自身の身体を維持・制御しているんじゃが、現代人は、そもそもネガティブな感情が多過ぎて、自律神経のバランスが偏り過ぎで、まともに人間の身体の制御が行われていないんじゃよ。特に高齢になるとあちこちに不調が進行・蓄積し、免疫力も低下して、自身でその不調を処理しきれなくなって病に伏せることが多くなってしまっていると考えられるんじゃよ。
 
現代人は、高度に進化した文明の中でも、苦しい生き方を選択せざるを得なくなっていると考えるしかないかもなぁ。一つ目から三つ目は、生活習慣の問題だなぁ、食事と運動を含め、毎日をどう暮らしているかにかかっているんじゃな。
 
 
悠斗君は、更に聞きます、
四つとも本来あるべき姿に戻せば健康で、長生きできるんですか?
まあ、自分で出来る自信は全くありませんけど。
 
土御門先生は答えます。
まあ、人類の本来の生き方を選択すれば可能じゃと思うがなあ、君がやって、模範を示してくれんかのぉ、わしも知りたいゾォー、ハッハッハー。
 
文明が進んで、生活環境は太古の時代とは雲泥の差、食べ物だって狩りをせずとも、お金出せばたらふく食べられるんだから。食の選択は困った問題だなあ。また、自律神経のバランスも何をどうすれば良いのか、みんな知らないんだから、難しいかもなあ。
 
まあ、人生の生き方にはいろいろな選択肢がある、自然の摂理に則って生きる生き方もその一つじゃ、そういう選択肢があるという意味では幸せかもしれんなぁ。
 
悠斗君は言いました、
でも、出来る、出来ないはともかく、なんか少しは分ってきたような気がしました。
もっと一つ一つ深く聞いてみたい気がしますが、またの機会が有ればと思います。
人は病気で身罷ることが宿命づけられている訳ではないことが分かり、なんか少し安心できたような、気が楽になったような気がします。
 
人は、老化の問題は別にして、健康で人生を終えることは決して夢物語ではないような気がしてきました。
先生、今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
折角の二度と無い人生、仲良く楽しく幸せに生きましょう(H/P 書窓けやき通り)
 
♯幸せエッセイ

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