見出し画像

8.土御門教授語録 ≪感情と身体の不思議な関係≫

悠斗君は、チョットだけ気になっていた、人の感情と身体は関係があるのか、またどうして関係するのかという疑問を、土御門(つちみかど)先生に訊いてみたくなりました。
 
悠斗君が尋ねます、
先生、人間の感情は、怒ったり、泣いたり、不安になったり、嬉しかったり、いろいろですが、そういう感情と、人間の身体の健康というのは関係しているものなんでしょうか。
 
先生は、
おお、核心的な良い質問だね、まぁ、公式な見解は出されていないんじゃが、ワシは明らかに関係している、というか、むしろ連携していると考えているんじゃ。
 
考えてもみなさい、
人は緊張すると冷や汗が出たり、鼓動が激しくなったりするじゃろ、恐怖を感じると手足が震えたり顔の血の気も引く、鼓動や呼吸も速くなる、
逆に嬉しいと心も身体も軽くなり、時には鼻歌を口ずさんだりしてしまうじゃろ、友達と楽しく騒いだり、お喋りに熱が入ると少しくらいの風邪なら治ってしまったという経験は無いかのぅ、
これらは気持ちと身体が関係しているという明確な証拠じゃ。いちいち説明せんが、考えればこんな事象は枚挙に暇がないくらいにあるじゃろ。
 
悠斗君は、そういわれればそうだなぁ、と素直に納得。
 
先生は、更に続けて、
それは、自律神経というものを介して、身体にその感情が伝わり、そしてどう対応するかが人間の意識とは無関係に脳から指令されるんじゃ、と。
こんな大きな感情でなくても、ちょっとした不快感でも、ごく小さな喜びでも、そのたびに、人の自律神経は動き回るんじゃ、忙しくせわしなく動き回るんじゃ、
人間はそういう動物なんじゃ、まぁ、早い話が自律神経に支配、制御されているのが動物なんじゃがなぁ。感情が変わるたんびに身体の制御も勝手に変わるんじゃ。
 
しかし、まぁ、古代から人類はそういう自己防衛システムで外敵からの脅威を防御、或いは攻撃・反撃してきたんじゃ、今でもその遺物が別の形で人間の身体を支配、制御しているというのが妥当な解釈だと思うがなぁ。
 
先生は、ごそごそと、机の引き出しから何かを引っ張り出してきた。これは、感情と身体の関係を示す図なんだ、と言って、見せてくれました。


まず、左の感情を書いた、大きな◎『喜ぶ、楽しむ、笑う、有難いと思う』からのスタートじゃ。当然、心がリラックスし、自律神経の内の副交感神経が優位になるんじゃ、そうすると、それに伴って免疫力(白血球)の中のリンパ球が増加し、また分泌系では幸せホルモンや癒しのホルモンが分泌されるんじゃ。それらによって身体も修復され、癒され、気分も爽快に、元気になるというサイクルを回ることになるんじゃ。まぁ、これは極端に書いているんじゃが、大きな流れとしては間違っていないはずじゃ。
 
まぁ、トータルとして自律神経の交感神経と副交感神経のバランスで、人間の身体は防御、制御されているということじゃな。
現代人はこの自律神経のバランスが大きく崩壊して、常に交感神経が優位と言われているんじゃな。当然、白血球の中の顆粒球が増多になって、活性酸素が大量に生成されて、極端な場合には自身の正常細胞さえ攻撃してしまうんダ。
 
先生はおもむろに真顔になって、チョット難しくなったけど、ここからが本題じゃ、と。
 
心を楽しく、喜び、笑顔で、有難いと感謝しながら暮らす割合、頻度を上げれば、活性酸素の生成は激減し、不調も低減すると言われているんだ。まぁ、人間は『意志感情』を用いれば意外と簡単なんじゃがな。
犬や猫でも感情はあると言われているけれど、物理的に『怒る』状況になった時にだけ『怒る』んだ。人間は物理的状態が良好でも、楽しいはずの家庭でも、『怒ろう』と思うだけで感情を爆発させられるんじゃよ。DVはその典型じゃ。
 
それゆえに、いつでも、どこでも、何度でも『仲良くしよう、大事にしよう』なんじゃよ。これこそが人間の人間たるゆえん、他の動物にはまねできないことなんじゃ。『意志感情』でこそ人間は身体を良い状態に近づけることができるんじゃよ。
『笑う門に福来る』とか『泣きっ面にハチ』という言葉通りなんじゃな。古いがなぁ、ハッハッハッハー。
 
 
イヤイヤ、悠斗君は、先生の言葉ひとつひとつに、妙に納得してしまいました。何となく衝撃すら覚えてしまいました。
先生に丁寧にお礼を言って、研究室からスゴスゴと帰って行きました。
折角の二度と無い人生、仲良く楽しく幸せに生きましょう(H/P 書窓けやき通り)
 #幸せエッセイ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?