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私、フラスコ編集部に逆襲します。

映画を通じて様々な視点を獲得するwebマガジン「フラスコ飯店」のまかない担当、イラストレーターのくどうです。

くどう、逆襲したいなと思って。

まずはじめにお伝えしておきたいのですが、フラスコ飯店、近年稀に見るベリーホワイト編集部です。

ホワイトすぎてもう透明なのかなというくらいにホワイトです。

そんなフラスコ編集部にて私は日々ベロベロに甘やかされながらやらせてもらっているのですが、甘やかされたが故に人は我儘になっていくものなのでしょうか。

「もっと描きたいもの描きたい」

私はフリーでお仕事もらっている身なので、そもそも「描きたいもの描きたいなら描けばいいじゃん。嫌なら断ればいいじゃん」と言われるとグゥの音も出ません。グゥ〜〜〜〜……。

だがしかしそうではないの!

描きたいもの描きたいけど「これ描いて欲しいんだよね」とお願いされるのもすっごく嬉しいんです。でもでも嬉しいのに自分の中の2歳児が突然「イヤイヤ期※」をアピールしてくるのです。

※イヤイヤ期は、子どもが成長し「自分の欲求」を認識して相手にぶつけるようになる第一次反抗期のこと。

余談ですが個人的にはこの「描きたいものをひたすら描き続ける人」と、「描きたいものは描くけれどお仕事で指定されるものも描く人」で画家なのかイラストレーターなのかの線引きになっていくのかなとフンワリ思ったり思わなかったりなのですが、これはかなり込み入った濃ゆい話になるのでまた今度チーズケーキでも食べながら話したいな。

兎にも角にも、依頼を頂いて依頼に沿ったイラスト描くということで日々自我、創造欲求、そして承認欲求の間で感情をぶち上げぶち下げ、そしてぶち上げ等させてしまうのです。簡単に言うと感情がタワー・オブ・テラー。

いつだってシンプルでありたいはずなのに

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そもそもなんで大変なのか。

前文で申し上げた通り、嫌なら描きたいものだけ描いてればいい。

ここは職業選択の自由のある国だし、素敵な事にフラスコ飯店はホワイトな現場。納期もありえないぐらいかなり配慮・調整してくれますし、編集部員のみんなは分からないことやわだかまりもソフトに教えてくれて、対話して解消しようとしてくれます。無理強いなんてされないし、抑圧?なにそれおいしいの……?という人達の集まりです。

それでも「ヤダヤダ描きたくないもの描きたくない!」となるのなら、自分でお断りすれば済む話。

だったら本当になぜ?

自分で好きでお仕事を受けてなぜ勝手に感情をタワー・オブ・テラーしているの?

これにはかなり複雑な葛藤があるのです。

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くどう、フラスコ飯店好きなのです。客観・主観両方で面白いメディアだなと思っているので、関わる事ができるのが純粋に嬉しい。故にイラストの依頼を貰うと嬉しいので断りたくない。

しかし他者に言葉で伝えるWEBメディア。もちろん漫画やイラストのみ、動画にしても伝える事はできますがいずれにも言葉というものは現状必要不可欠です。

今フラスコ飯店では、記事をつくるにあたって次のようなステップを踏んでいます。

~記事制作の流れ~

①企画
「何を題材にするか、どう伝えるか」を編集長もしくはライター各々が提案します。

②記事の制作
ライターが執筆し、編集者が客観的な視点を入れてブラッシュアップ。

③イラスト制作
最後に記事に沿ったイラストを視覚情報として入れる。

というフローで記事があがります。

そう、なによりも先行するのはまず記事。

記事が無いアイキャッチイラストはただただ私の個人作品にすぎません。
記事が企画され、作成され、そしてそれに沿って描いたイラストこそをアイキャッチイラストと呼ぶ事ができます。

フラスコ飯店好き、イラストの依頼してもらえるの嬉しいやりたい、記事先フムフムそりゃそうだよね、記事に沿って描くの当たり前だけど制限指定がある、許される範囲内でしか暴れられない。

もっと暴れたい、いやでも好きだから壊したくない以下ループ……。

あと正直なところ、縛られるのはそれはそれで楽だったりする時も。
“描きたいもの” が日々延々と思いつくことができればいいのですが私は制作意欲にバラつきある方なのでお題が用意されているとむしろ有り難いということもかなりあります。結局どうしたいんだろう、なにが描きたいんだっけ、どう在りたいんだろう、と、そんなこんなでかなりの葛藤を続けていました。

しかしこの葛藤の末にたどり着いた答え、それが逆襲。

イラストレーターからライターへ、

逆襲します。

イラストレーターがライターに縛りプレイをさせます

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葛藤の沼の中で、くどうの中の2歳児が不意に叫びました。

「よくよく考えたら、ライター陣ばっかり書きたい映画や書きたい内容を自由に選べるのずるい!!!」

そうなんです。そう、本当にそうなんです。

ライター陣は好きな映画や題材を選んで記事を書く、そしてその記事によってイラストレーターは縛られる……。

わたしはライティングが苦手です。(ライターの方々は本当にすごい。本当に)ライティングはできないけれど、イラストを描ける。

あれ?というかそもそも、記事先行なんて決まり誰が決めたんだろう。

そんなルールがあると明確に聞いたことってそういえば無いよな。学校でも習ってないし。

描きたいもの描いて、イラストに沿った記事をライターにつけてもらおう。

ということで、イラスト先行でライターを縛っていきます。

伝わる、伝えるはどこまでいけるんだろう

「この1枚の絵から感じた事を5000字以内でレポート用紙に書いてください」
みたいな、なんだか学校の授業のような企画ですが、個人的に実験のようでワクワクしています。

それこそ店名にあるように「フラスコ」の中身を眺めて「これとこれは順番を入れ替えて混ぜるとどうなるのか?フムム…」という感じです。

逆襲の流れ

①くどうがイラストを描く
くどうの「好き」だったり、記事として読んでみたいと思った映画や本から感じた感情を込めて描きあげます。もしかすると映画でも本でもなんでもなくただただ本能のままに描きたいイラストをあげる時もあるかも。

②イラストをベースにライターさんへ記事を依頼
イラストの依頼を頂く際によくある「色味は青系で」「犬をどこかに入れてほしい」「小林聡美さんが朗読していそうな空気感で」「“川が彼女の為に流れていて”という文章をどこかに入れてほしい」「あとはお任せします。○○さんのセンス信じているので」などのやり取りが私とライターの間で行われたりするのかな。

③あとは待つ。そして読む。楽しむ。

要約すると、くどうがやることは、なににも縛られず、ただただ好きなイラストあげるだけ、です。


何の為に絵はあるのか。何の為に描くのか。

自分の描いた絵が他者にどう伝わっていくのか、どこまで元々込めた感情が抽出されるのかドキドキです。


連載企画「イラストレーター・くどうの逆襲」
Coming Soon……


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ここ最近のフラスコ飯店🥢

わたしがお気に入りの記事を紹介していきます。

お笑いコンビ、ハライチ岩井氏のエッセイと映画パターソンの記事。生活をおもしろくするのもつまらなくするのも自分なのかもと、見つめなおすきっかけになりました。

文中に出てくるラジオ「ハライチのターン!」はフラスコ飯店編集部員の9割が聴いているらしいです。わたしは残りの聴いていない1割だったのですが先日「このラジオを聴くことは最早フラスコ編集部のマスト義務だよ(圧)」と編集部員に言われくどうも聴き始めました。私は今2016年のハライチを楽しんでいます。そんな前からやってたんだとアーカイブの多さに少し尻込みしつつ。

Perfumeの歌詞から考察、推理して架空と身近がつながっていく感覚を味わえる記事になっていて好きです。ちなみに著者、編集者、アイキャッチイラストを描いた人間(私)の3人共が「わりかしマニアックな濃度のPefumeヲタ」という裏事情もおすすめする理由のひとつです。

「最近」と言うには記事公開からわりと日が経っている記事ですが、すごくすごく好きな記事なので。ひとつのテーマに沿って映画・書籍・音楽 …… などなど媒体を横断した鑑賞セットを考案する「定食」の企画。

当回は「社会に着せられたいろいろを一旦脱いで、たった一人の、愛おしい生命体としての “自分” を取り戻す」というテーマの記事です。“フェミニズム”について個人個人が考えることは今の時代では必要なことになってきています。繊細だと構えてしまいがちなテーマですが、“今から知ること、気付くこと”へ、フランクに肩を叩いて連れ出してくれる感じがあって好きです。

◎著者近影

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