見出し画像

『ラストマティーニ』(北森 鴻著)を読んで

こんにちは、Frankです。

短編集の巻末にある、薀蓄のある書評を引用しながら、感想を述べさせていただきます。

 ◆

物狂おしいほどの日中の熱気がふと途切れ、息をひそめていた涼気が蘇る。・・・

冒頭、もう少し引用したかったのですが、胸が詰まって手が止まってしまいました。2010年の1月25日、筆者の北森氏は心不全のため48歳という若さで亡くなられました。残念です。

この物語は一人のプロフェッショナルのバーテンダーが自らの引き際を決める物語。言わずもがな、ミステリー性が盛り込まれています。

ビアバーのマスター工藤による謎解きとともに、料理の描写が光っています。私自身、グルメ通ではないのですが、興味をそそられる料理が何度か登場します。

商社マン時代、酒に溺れる日本人の海外駐在員をたくさん見てきた私。自分を見失ってほど飲むお酒とは、いったい何だったのか・・・。

正直、そんな疑問に答えてくれる小説が読みたかったのですが、私の商社マン時代の泥臭さとは無縁の、清々しいドラマ設定でした。

北森氏のご冥福をお祈りします。

 ◆

『ラストマティーニ』ではありませんが、北森鴻氏の参考図書をご紹介しておきます。良かったらご一読ください。

邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルⅣ (新潮文庫)
https://amzn.to/3DTbLlb

【出典】実践文学の達人https://frankyoshida.com/experts-at-literature/?p=174

#実践文学の達人
#ラストマティーニ
#昼活  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?