見出し画像

Francis“Bolero”について語ります。M5「トロピカル・サイレント・パルス」

Francisのニューアルバムを作っているという感覚すらなく購入して間もないまだDTM初心者の頃、チェコ共和国産の“frau Angelico”というガジェットなリズムマシーンをおふざけで購入して遊んでたりしてました。

たまたまなんとなく組んだリズムが面白かったのでDTMに取り込んで曲を作ろうとしていたところ、まだ慣れていなかったからか何かの間違いでデータがバグり、録音したはずの音がビローンと伸びた感じのものになってしまいしばらく途方にくれる。気を取り直し残されたあるパーツを聞いてみると、なんとなくドラマチックなパートや気持ちいい音色があるじゃないか!だったらこれを元にエディットして曲を作ってみよう!ということでかなり実験的にスタートしたこの楽曲。

いわゆるオールドスクールテクノ的なアプローチで組み立ていくとどんどん楽しくなっていく。まさにクラフトワークのこの曲のようなシンセソロやムーグのポリフォニックなハーモニーなど、気持ちのいい要素を重ねまくりさらにご機嫌なアレンジに。

そして転調したパートをもうひと工夫どうしようかと考え、ここはなんとなく気分でThe Birdsのようなサイケなコーラスハーモニーにしようと決めた。

80年代、若さゆえ自分では全く追いついていない“知”というものに対する憧れからか、工作舎の「遊」をほとんど理解しないまま背伸びして読んでみたりしていた。その流れでSFやニューサイエンスにも興味の幅を広げてみていた頃、購入したG・レオナード著「サイレント・パルス」(工作舎)。

サブタイトルに「宇宙の根源リズムへの旅」とあるように、人間の置かれた環境=地球、ひいては宇宙のリズムが有機体である我々の肉体にも存在していると問う本。その中にあるフレーズ、“particles like electrons and neutrons dance with me”(「電子と中性子のような粒子が私と踊ります」)が、この非常に有機的なビートにピッタリだと感じてそのままサビのフレーズに。そしてこのサビのサイケ感がもたらす要素と繋ぐものとして、あえてトロピカルという言葉を強引に合わせてみました。もし粒子レベルのビートそのものがトロピカルだったりしちゃったらサイケにイカれててもう最高じゃないですか!

そんな気分ですんなりと出来上がったのがこの“Toropical Sirent Pulse”です。

Francisニューアルバム“Bolero”絶賛発売中!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?