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Francis“Bolero”について語ります。M10「セッソマット」

みなさんご存知フリッパーズギター“Groove Tube”でサントラが使用され渋谷系ではもうお馴染みのイタリア映画「セッソマット」(73年)

映画自体はモンドなB級感溢れるお色気映画なのですが、同じイタリア映画でもちょっと前に作られた「ボッカチオ'70」(62年、伊仏合作)と比べてしまうとクオリティこそ低いながらも、イタリアお家芸的なこの味わいが個人的には大好き。まあここでは映画のことはさて置いて、サントラが実にいい感じにグルービーでファンキー。フリッパーズにサンプリングされたのもまさにモンドやラウンジ、レアグルーヴが一部のマニアから脚光を浴びた時代のセンスといったところか。
「性」と「狂気」を合成したというこの造語からタイトルにしたように、人間の内面にある偏愛を歌にしてみた「セッソマット」。

最近、70年代の初期アルバム“sun shower”が再評価されたりしてる大貫妙子さんですが、私は彼女の80年代のヨーロピアンな作品にリアルタイムでどっぷり影響を受けました。

これは彼女の86年ツアーパンフ(色鉛筆のブリキの容器に包まれたもので、彼女の意向からバリ島がイメージされるサウンドが入ったそのシート付き)

当時、大貫妙子さんや高橋ユキヒロさんなどを通じてピエール・バルーの存在も知り、サラヴァレーベルなどフランスの個性的で味わい深い音楽にドップリと影響を受けた。
そもそもが昭和ヒトケタ生まれの私の両親、ひときわ越路吹雪やアダモなどのシャンソンを愛した父からの影響もあってか、ごく自然とフランスの音楽が身体に入っていったというのもあるかと。
そんな意識下で作ったのがこの楽曲。

あと、80年にベルギーのTelexやフランスのJACNOによってプロデュースされた仏アイドル、Lioの1stのようなキッチュなサウンドアレンジもなんとなく意識しました。


ちなみに途中に入るピアノソロは堀江博久くんによるもの。こちらからはあえて具体的な指定はしなかったのですが、彼なりに解釈してくれ、本人曰く楽曲を聴いていたらストラングラーズのWalk on byを思い出し、だったらデイヴ・グリーンフィールドに捧げたいなと思いプレイしてくれたとか。いやいや、さすがバッチリハマってました。有難うございます!

Francis “Bolero”は引き続き絶賛発売中です。


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