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Francis“Bolero”について語ります。M6「カサノバ」

英Rough Tradeの中でもある意味突出しオリジナリティある存在のアーティスト、Young Marble Giants。ストイックなリズムマシーン、ミュートギター、そしてアリソンの柔らかでまっすぐなVoのバランスがとても魅力的なのだけど、そこに切り込むように入ってくるソリッドなベースリフこそが肝だと私は思っていて、そんなフィーリングを表現した静かな曲を作ろうとストイックなリズムパターンと刻むギターをバッキングに録音を始めてみた。

フレーズ、アレンジなどしっくりとしてきたところで曲の構成をあれこれ考え巡らせていくと、自然とまた次第にどんどん曲が長くなっていく。いや、でもこれこそが必然!試行錯誤して全体の流れが出来上がったところで、いよいよやっとベースのレコーディングスタート。いわゆるバンドレコーディングだとどうしてもベーシックのフレーズを中心に考えざるを得ないのだけど、もっと気持ちいいフレーズを組み立てることによってアンサンブルをいくらでもアレンジを豊かにすることが出来るのはわかっている。よく聞く話として、あのポール・マッカートニーはベーシック録音が終わってから時間をかけてベースを後からレコーディングしたりもしてたとか。大好きなXTCもそうだと耳にしたことかある。在籍したザ・コレクターズのレコーディングでも、バンドなので基本ベーシックなリズム録りはドラム、ベース、ギターのスリーリズムで一緒に録るものの、そこまでのプリプロダクションに時間をかけてフレーズを試行錯誤するやり方で乗り越えてきた。
で、この曲である。締め切り無く独りでrecしてるのをいいことに、いくらでもベースフレーズを試す時間があるので納得出来るまでクドいぐらい何度も試し仕上げてみた。なかなか饒舌に歌っているベースなんじゃないかと独り納得。
結果出来上がった曲はけしてYMGからはだいぶ離れたアプローチも含まれたものにはなってしまったものの、根幹に彼らに対してのオマージュは少しでも表現できたかとは思っています。

ちなみに詞を作るにあたり漠然とイメージしたのはフランソワ・オゾン監督、シャーロット・ランプリンク主演の映画「スイミング・プール」(2003)。具体的にそのままモチーフにはなっていないものの、視覚的なイメージとしてはここから非常にインスパイアされている。


Francisニューアルバム“Bolero”は絶賛発売中ですよ!

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