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【香水メモ】DUSITA Le Pavillon d'Or

  Le Pvillion d'Orは、タイ出身のピサラさんが立ち上げたブランドDUSITAの香水だ。2019年のFIFI賞では"Niche Customer Choice"部門を受賞したそうで、ブランドの中でも知名度の高い香水と言える。

 DUSITAというブランド自体は香水沼界隈ではきっと多くの人が知っていると思う。私も「名前は知ってる、でもどれから試せばいいのやら…」と非常に気になりつつも踏み出すことができずにいた。そんな時、公式が「ボトル購入でサンプル全種+お好きなサンプル3本」という太っ腹も太っ腹、ブラックフライデーもびっくりの大出血キャンペーンを敢行していたため、この機会を逃してはならぬと飛びついたのである(しかも170€以上どこでも送料無料で、50mlのボトルは確か全て170€以上なので無料になる、関税はかかるけど)。ちなみに、このキャンペーンは数か月前に終わってしまったけど、公式をちょこちょこ覗くといつも何かしらのキャンペーンをやっている(私調べ)。気になる方は時々チェックするといいかもしれないです。
https://www.parfumsdusita.com/

 そして全種試した結果として、私はLe Pavillon d'Orをボトルにして正解だった。次のボトル候補もできたけど、Le Pavillon d'Orが今のところ一番好きだ。香調は以下の通り。

The Opening,
A fresh green Wild Menthe Citrata uplifts the soul in thrilling harmony with the sparkling floral sweetness of endlessly seductive Honeysuckle Extrait.

At the Heart,
The elegance of rare Boronia Absolute adds a fruity floralextravagance, perfectly complementing the opulence and power of golden-honeyed Frankincense Green Sacra. The gentle herbal warmth of White Thyme Oil adds relaxed refinement.

The Base Notes,
The soft vanilla & toasted rum barrel fragrance of English Oakwood is blended with a classic, clean & woody Sandalwood Spicata. Two spectacular base notes creating a long and sensual dry down.
※公式サイトより引用

   自分用に香料だけ抜粋しておく(簡略化してごめんなさい)。
 トップ:ベルガモットミント、ハニーサックル
 ミドル:ボロニアアブソリュート(ミカン科の花)、フランキンセンス
 グリーンサクラ、ホワイトタイムオイル
 ベース:バニラ、ラム酒樽、サンダルウッド

 ムエットにプッシュすると、柔らかいミントとグリーンが広がる。同じブランドのERAWANにも通じる、温かくて少し苦い干し草っぽさがある。甘いお香のような匂いが底を漂っていて、この特徴的なグリーンとお香がアジアっぽいニュアンスを含み、香水全体の方向性を定めているのではないかと思う。
 時間が経つと、ミントが消えてジューシーかつとろけるようなハニーサックルの甘さが顔を出してくる(ハニーサックル大好き)。Fragranticaの香調にはフィグリーフとあったので、ジューシーな印象はここからも感じるのだろうか。透き通っているけれどとろりと甘い。ジュースの蜂蜜色と香りがよく合っていてまさに「黄金」のイメージだ。冷えた飴を舐めているようで、心地よい。古い木材のような香りがベースにいて、これがラム酒樽?最後まで主張することなく消えていくけど、目立たずとも全体を支えるいぶし銀的な格好良さがある。ハニーサックルやフィグリーフだけだと、若い、カワイイ印象になるかもしれないが、ウッディなベースのおかげでエイジレスで奥行きのある感じだ。もっと年をとっても、纏い続けたいと思う。 

 私の少なめ香水経験値で判断するのも何だが、Le Pavillon d'Orは唯一無二でDUSITAならではの独特な感じがする。心地よくて面白い香りだけど、わかりやすくいい匂いかと言われると違う気もする。例えばこれを纏った人と街ですれ違ったら、「わぁ素敵!」という感動よりも「何の香りだ?」という疑問が先に来るはずだ。でも、決して不快じゃない。何に似てるだろうと思いだそうとするけど、絶対に思い出せない。だって似ている香りがないから。不思議だな、面白いな、と思いながらしみじみとDUSITA沼にはまっていく…Le Pavillon d'Orはそんな沼入りを華麗にエスコートする香水、なのかもしれない。

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