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大晦日のおはなし

2020年の大晦日、毎年の恒例となった年越しそばのお蕎麦を買いにいつものお蕎麦屋さんへ向かう

いつもはそこの娘さんと息子さんも売り子として駆り出されてるはずだけど

どうやら今年は2人ともいないようで


密にならないようにお店の前の道路でポツンポツンと待ってる人達の中、私は裏口から店長さん達が忙しく働いてる厨房に顔を出した


そこには、一年で1番忙しい蕎麦屋の祭りが起きていて、控えめに「お疲れ様です」と声をかけると「おおーー、いらっしゃーい」とテンション高めで迎えてくれる


皆さんと軽く言葉を交わしながら待ってると、普段は看護師さんでお蕎麦屋さんのお手伝いに入ってない奥さんの姿が見えた

「久しぶりー」から始まって、妊娠のこと含め近況報告しつつしてたら、ふと「自然に授かったの?」と

あれ?なんか聞き方にクセあるな?と思いつつ


「医療の力お借りしました!なんたって産む時39ですし!授かれないかと思ったりもしましたー」と素直に話すと

「うちの娘も頑張ってるんだけど…」と


たしか、30代前半??だっけ?と思いつつ

「若いから大丈夫ですよ」なんて答えてしまう私


SNSで『若いから大丈夫って言わないでほしい』なんで言葉を見たりしてたのに、自分もやっぱりその言葉を出したりして

それに驚いたりもしつつ、やっぱり38歳の自分よりは若いことに羨ましさを感じたりしたんだろうな


それに対して奥さんは「もう35歳だからね、ばっちり医療の力をお借りしてるのよー」と

詳しく聞いていいものかわからず、とりあえず

「なかなか授からないと精神的にキツいですよね、2回目の移植でなんとか授かれましたけど、不妊治療に進むまでがうちは長くて(夫が病院拒否)…」と自分の話をすると


「2回目!?よかったじゃないー、うちはもう7回目かな?」と


回数でも年数でもないけどね。

でもやっぱり身近なひとが、自分より若いひとが7回の移植を乗り越えてる事に驚いた


でも、何にもできない 

私はたまたま2回目だったけど、【これがよかった】みたいなものの手応えなんてないし

(実際そんなものないんだろうと思う)

それがあったとして、そんな事を軽々しく言うような精神はない

だって個人個人で状況は違うし、本当に何故かなんてわからないから

娘さんに関しては10センチ程度の子宮筋腫があったり、わかりやすい?原因もあったようで手術を乗り越えてからの移植でもあったらしいのだけど


まだ結果としては授かっていなくて、お休み期間を持ってるんだという話


祈るしかできない

子供を望む人に、天使が舞い降りますように



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