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年末のご挨拶 by盛岩外四

盛岩外四です。光陰矢のごとしで、今年もあとわずか、です。盛岩にとっての2021年は少々「カオス」な1年でした。特に怪我多く、かなりポンコツになったなー、と感じていました。

振り返ってみると、なぜか、年齢の末尾が「9」の年に大きな怪我をしているのです。人生の節目なのか、油断なのか、巡り合わせなのか、理由は定かではありません。こんなサイクルがあるなんて、自分でも思ってもみませんでした。

「カオス」な状況にあればこそ、自分の行動を見つめ直すいいチャンスです。長い間トレーディングをしていると、相場は好調なのに、「今ひとつ波に乗れない」「調子が上向かない」「回復のきっかけがつかめない」といった苦い経験をすることがあります。

そのような状態が続くと、メンタルにも悪影響を及ぼし、さらに深みにはまってしまいがちです。トレーダーを襲うカオスとは、そういうものです。

しかし、本当に巡り合わせだけの問題なのか、調子の問題なのかそれとも技術的な問題なのか、をもう一度、自分に問いかけるべきだと思います。「地道に基本的なことを検証していたのか」「損益のことばかり気にかけて、上手なトレードをすることを忘れていなかったか」ということを、です。

そして、そのためのデータ収集を怠っていなかったか、です。盛岩もカオスのただ中に落ちそうでした。

それに気づいたきっかけは、高校生の頃から聴き始めたプログレッシブロックの雄、キング・クリムゾンのライブでした。バンドのリーダー、ロバート・フリップ氏は御年75歳。日本でいえば、後期高齢者です。

23歳でバンドを結成し、ファーストアルバムでの演奏はすでに完成の域に達していましたが、それから50年以上が経過した今年の来日公演では、衰えを感じさせないどころか、より研ぎ澄まされた演奏を披露してくれました。

決して派手なギタープレーではありませんが、その卓越した正確さとアグレッシブな演奏、もちろん素晴らしい楽曲に長らく魅了されてきました。

テクニシャンのフリップ氏は、自身の技術に甘んじることなく、少なくとも60歳を過ぎるまでは毎日8時間も練習していた、という話は有名です(事実かどうかは確認することはできませんが)。

彼らの楽曲は、並みのミュージシャンでは表現しきれないほど難易度が高く、初めて聴くと恐らく、カオスな音楽と感じるかもしれません。しかし、聴き込むほどに滅茶苦茶になる寸前で止めた規律正しい楽曲であることが分かります。もはや神業といっても過言ではありません!

そうした楽曲をライブで魅力的に弾き続けられるのは、基礎的な練習をみっちり積み重ねてきたからだと思います。たゆまぬ研鑽と規律がいかに大事であるかを、今回のライブを聴くことで再認識させられました。

それに、彼らの最も有名な楽曲名が「21世紀のスキッツォイド・マン」だったことは(以前は日本語で表記されていましたが、レコード倫の基準が変わり、一部カタカナ表記になりました)、カオスにのみ込まれそうになっていた盛岩にとって、なんとも皮肉としかいいようがありません。

派手なプレーは一瞬で消え去ることがあっても、基礎練習をみっちり積んだ卓越したプレーはそう簡単に消え去ることはないと思います。

トレーディングも同様で、研鑽し続け、油断することなく、規律を重んじ、上手なトレードを追求し続けなければ、と思い知らされた年末でした。

皆さん、よいお年をお迎えください。

盛岩 拝

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