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個人投資家の皆さま、脳のショートカットにはご注意を!

2軒のラーメン屋が並んでいます。さて、どちらのラーメンを食べたくなる?友人は「A店が美味しい」と言っていたが、店内を覗くとA店はガラガラで、すぐ隣りのB店は行列ができるほど繁盛している。

あなたは即座にこう考えるはず。「きっとB店のほうが美味しいはずだ」。これは心理学で「認知的倹約家」と呼ばれるもので、いわば見た目で結論づけるショートカットのこと。実は、十分な知識や情報を持たない場合、脳は極力少ない労力で物事を判断しようとするという。

たとえば、書店で山積みになっている売れ筋ランキングや上半期ベストセラーであれば、さほど検証することなく良い本に違いないと考える。金髪よりも七三分けの黒髪の青年のほうが、真面目で仕事ができる印象を直感的に抱いてしまう。ジーパンにTシャツ姿の若手ドクターより、白衣を着た老医師のほうが信頼できると思い込む。

いずれも慎重なジャッジではありませんが、脳は無意識にそのように働くので厄介なのです。これが一杯1000円のラーメンなら気にしませんが、株式投資となると、そういうわけにはいきません。

目の前で上昇している株価チャートをみて、まだまだ上がると決めつけるのは愚の骨頂!買った途端に急降下なんてしっぺ返しを食らうのは、その銘柄の中身を見ていなかったからです。投資家が売買判断を行う際は、ひと呼吸おいて見た目判断ではないかと自問自答してみることです。脳のショートカットには十分ご注意を!

ただ、企業の業績が良いことが明らかであっても全体相場が下落する場合はつられて売られることもあります。日経平均の株価チャートだけでは、見極めることが難しい相場下落のサインがある!?

着眼大局という相場観からアドバイスするなら、外国人投資家の動きは要チェックです。先日、WEBラジオ番組『週刊 株と共に生きる!』(略して、株イキ!)にリスナーさんから以下の質問がありました。

Q:株イキ!放送内で外国人投資家が買い越しとか売り越しといったお話が出てきますが、どのように活用していくのですか?

(窪田先生の回答)
東京証券取引所が、毎週第4営業日の午後3時に「投資部門別売買状況」をHPを通じて公表しています。(通常は木曜日、祝日等非営業日がある場合はその分後ろ倒し)

これは資本金の額が30億円以上の証券会社50社からの情報を基に、需給面から東証の取引状況をつかむうえで大変参考になる資料です。

日本の証券取引では、海外投資家の占めるウエイトが約7割あります。海外投資家の動向と国内の個人投資家の動向にある種の傾向があるので相場の流れを見るのに参考になります。

ざっくり言えば、海外投資家の買い越しが多いということは、これから先は日本株が上がると判断して買ってきているというサインと解釈できます。逆に、売り越しが多いということは利益確定、もしくはロスカットを行っているサインとみます。

自然災害や戦争といった予期できない出来事が起きる場合を除いて、数週間程度、売買代金に偏った動きがみられるときに注目されます。

海外投資家は、国内の個人投資家に比べて行動が速いのが特徴で、今後、企業業績がよくなりそうだと判断すれば、足元で景気が減速している状況でも買い越しが増えるケースがあります。

反対に、企業業績の好調が続いていても、海外投資家の売り越しが続くようだと、日本企業の業績の天井圏になると判断して、利益確定しているようだと解釈したりします。

個人投資家は海外投資家の売買の傾向に意識せずに、買い続けてしまうケースが多いので、海外投資家が売り越しに転じているときに、その受け皿になってしまうことで高値掴みとなり、その後、株価が下落した際に、含み損を抱えてしまうことになるわけです。

約7割を占める外国人投資家の売買状況は、やはり看過できないということですね。全体相場の流れに乗っていく方が、楽に利益を上げることができるのですから。

PS
ほっこりするオマケ動画↓↓↓

確かに流れに乗ってはいるのだが、
本来の目的が成就されることはないだろう(笑)

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