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米雇用統計発表前に整理!

本日、9月の米雇用統計が発表されます。今回もドル買いを後押しする結果になるか!?発表前に前回の雇用統計発表以降に起こった出来事について整理しておきましょう。

史上最大の為替介入!

もっともサプライズとなったのは、やはり為替介入でしょう。政府・日銀がドル売り・円買い介入を9月22日に実施。円買い介入は24年3ヶ月ぶり、介入規模はなんと過去最大の2.8兆円です!

21日にFRBが3回連続で0.75%の利上げを決定し、さらに政策金利の引き上げは当面しないという日銀黒田総裁の発言などで大きく円安が進行、146円台突入は時間の問題・・・そう多くのトレーダーが考えたであろうタイミングでの電撃介入でした。

日本単独での介入は難しいとされたなかでのサプライズ的な介入実施は、145円の防衛ラインを死守するという断固たる姿勢をマーケットに示したことになります。実際、146円目前だったものが1時間も経たずして140円台半ばの水準へと6円近くの下落となりました。

「介入効果は限定的」といった意見はあるものの、基本ドルロングというスタンスが一変、ドルを買いにくくなったというトレーダーも少なくありません。ファンド勢の警戒心も高まったことでしょう。

約25年にわたり米欧日の大手金融機関に在籍した金融コンサルタント河内勝彦氏によると、日本の介入は長期でみると負けたことがないといいます。

ポンド相場も大荒れ・・・37年ぶりの安値更新!

9月6月に発足したトラス新政権が23日に最大公約としていた大規模減税を柱とする経済対策を発表。減税総額は5年間で約450億ポンド、これは過去50年間で最大規模となります。減税というと聞こえはいいですが、恩恵を受けるのは大企業や富裕層に限られるとの批判が続出。

さらに、一連の経済対策は借金が財源になっているとして、財政悪化への懸念からポンドが急落。あわせて国債の利回り上昇(価格は下落)、株価下落のトリプル安に見舞われる事態となりました。

26日にはポンドは対ドルで1.0300ドル台まで下落し、37年ぶりの安値を更新。日本では24年ぶりの円安ですが、イギリスではそれを上回る37年ぶり!

この異常事態を収拾するためにイングランド銀行は長期国債を無制限で購入するという形で市場介入を実施。さらに、発表からわずか10日で高所得者に課している所得税率の減税案の撤回を発表しました。

これらを受けてポンドは大きく反転しましたが、再びドル買い優勢になるという見方もあります。

豪中銀のハト派サプライズ!

また、日本、イギリスときて、今週に入りマーケット関係者をザワつかせたのがオーストラリアです。オーストラリア準備銀行は4回連続で0.5%の利上げを行ってきました。4日に実施された金融政策会合でも0.5%の利上げ実施がコンセンサスでしたが、蓋を開けてみると0.25%の小幅利上げに留める決定を行いました。

世界の主要国が足早に金融引き締めを実施しているなかこのハト派的な姿勢はサプライズ!主要国の金融引き締めペースが緩むとの期待が広がり、一時ドルが売られる展開となりました。

さて、こうした状況のなかで、今晩発表される9月米雇用統計ですが、市場予想は非農業部門雇用者数が+26.3万人。前回の31.5万人増よりも伸びは鈍化していますが、悪くない水準です。失業率は前回同様3.7%予想、平均時給は前月比が前回と同じく+0.3%、前年比は小幅鈍化の+5.0%が予想されています。

概ね予想通りの結果になるようであれば、米国の利上げペースに変更はないという思惑からドル買い材料となるでしょう。ただし、事前予想を大きく上回るサプライズとなり、急速にドル買いが進行するようなことがあれば、要注意です。2度目の介入実施が視野に入ってくるからです。

前回の介入で5円超の下落となったことを忘れてはいけません。
ストップロス注文もお忘れなく!

「新規注文が執行されたら、ただちにストップロス注文を入れることは常にすべきことだが、為替介入の可能性が高まった場合、ストップロス注文を置くことはよりいっそう重要になる。」by マクロFXトレードの女王

(書籍『FXデイトレード・スイングトレード』第25章より)

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PS
各国の協調介入によりドル高を是正し、アメリカの貿易赤字を削減することを目的としたプラザ合意が発表されたのが、37年前の1985年9月22日です。

ポンドが対ドルで37年ぶりに安値を更新!
日銀・政府が24年ぶり9月22日に介入実施!

妙なシンクロニシティですね。

PPS
相場の動き方が荒いときほど、トレーダーの感情も大きく揺さぶられます。なぜ、損をしてマーケットから撤退を余儀なくされるトレーダーが後を絶たないのか。

それは感情に任せ、思慮を欠いたトレードが主な理由です。マーケットで勝者となるためには、常に冷静に振舞い、その時々の状況に機敏に反応しなければなりません。

では、どのように感情を制御し、利益を得ればよいのか?
その答えはここにあります。

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