いよいよドル円相場が140円台に突入!
1998年8月以来、24年ぶりの円安水準です。1998年といえば、Windows98発売された年、長野オリンピックが開催された年でもあります。
昔過ぎて、ピンとこない人も多いと思いますが、それだけ滅多にお目に掛かれない水準まで円安が進行しているということです。当時は147円台まで円安が進んでから反転となりましたが、今回はどうなるか。
そのひとつの鍵を握るのが、本日発表される8月米雇用統計です。FXトレーダーが固唾を呑んで発表を待つこの指標、なぜ注目度が高いのか、あらためて確認しておきましょう。
そもそも米雇用統計とは米国の労働省労働統計局が原則、毎月第1金曜日の日本時間21:30(冬時間22:30)に発表する経済指標のことを指します。
全部で十数項目の統計データが発表されますが、注目されるものは主に3つ。「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」です。なかでも「非農業部門雇用者数」は世界で最も注目度の高い経済指標といっても過言ではありません。
そして、この指標は事前予想と大きく乖離しやすいという特徴があり、概ね以下のような傾向がみられます。
事前予想を上回った場合、雇用情勢が好調で米国GDPの約7割を占める個人消費の増加も期待できるという流れから、株価が上昇しドルが買われやすい。逆の結果になった場合には、株価が下落しドル売りが強まる。
なお、事前予想と変わらない数値が出た場合は「失業率」や「平均時給」が材料視されやすい傾向にあります。
ちなみに雇用統計の発表前は取引が極端に控えられ、狭いレンジでのボックス相場になったり、思惑的なドル買い(売り)が出て突発的に動くことがあるので注意が必要です。
さて、それらを踏まえたうえで本日発表の8月米雇用統計ですが、「非農業部門雇用者数」の事前予想は30.0万人増となっています。先月7月は事前予想25.0万人増に対して、倍以上も上回る52.8万人増という驚きの結果となり、ドル全面高の流れにつながりました。
30.0万人増は先月に比べると見劣りする予想ですが、実はアメリカの雇用者数はパンデミック前の数値を上回っています。つまり、コロナ禍で失職した人たちの雇用が回復する段階は過ぎたと考えると、、、パンデミック前の状況で30万人増はかなり強めの数値となるので、今回の事前予想は決して弱いとはいえない水準です。
先日のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長はデータ次第としながらも利上げに対して積極的な姿勢を示しました。今回の雇用統計の結果が予想に近い数値になるか、上回ってくるようだと雇用環境が好調と捉えられ、利上げを後押しすると考えられます。
そうなると、日米の金利差拡大の思惑からドル買いが強まる可能性があります。前回1998年の高値147円台を目指すことに!?といいたいところですが・・・
実は、先日発表された非農業部門雇用者数と相関性が高く、雇用統計の先行指標として注目される経済指標「ADP雇用者数」では事前予想29.5万人に対して結果13.2万人。なんと事前予想の半分にも満たない結果となっています。
「ADP雇用者数」を参考にするのであれば、先月とは対照的に今月は事前予想を大幅に下回る可能性があります。今回の雇用統計も先月に続き、波乱含みになりそうな予感。本日21:30の発表に要注目です!
PS
ドル円が140円台に突入するという歴史的にみても大きなトレンドが発生しています。このようなタイミングで効率よく利益を得るにはどうればいい?
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