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スーパーマリオが戻って来た!

前FRB議長のジャネット・イエレン氏が女性初の米財務長官に就任したばかりですが、今度はイタリアの新首相にマリオ・ドラギ前ECB総裁が就任しました。

新型コロナ感染拡大で深刻に落ち込んだイタリア経済を回復に導くことが出来るか、期待が集まっています。日本経済新聞によると、支持率は7割超!菅内閣の支持率は30%半ばなので倍ほど違います。

なぜ、これほど高い支持を得ているのか?答えはECB総裁時代にあります。彼がどのような手腕を振るって来たのか経歴について少し触れておきましょう。

2011年11月に彼がECB総裁に就任した当時は、ギリシャの債務危機がイタリアやスペインに波及し、ユーロ崩壊とまで囁かれるような深刻な状況でした。

そんななかロンドンで行った講演で「ECBはユーロ存続のためにあらゆる措置を取る用意がある。わたしを信じて欲しい(ビリーブ・ミー)」と発言。国債購入額を無制限とする大規模な量的金融緩和策を実施し、危機回避に導いたことで「ドラギ・マジック」と称されました。

その後も、世界の主要中央銀行で初めてマイナス金利を導入するなど大胆な行動力と判断力は高く評価されています。

現在、イタリアの新型コロナ感染者数は270万人超、死亡者数は9万人を突破しています。(2021年2月14日時点)日本の死亡者数は約7000人ですから、10倍を超える死者数が出ていることになります。

また新型コロナウイルス感染再拡大を受けて、先日公表されたIMFの世界経済見通しでは、日本やアメリカが上方修正されている一方、イタリアは前回時より2.2ポイントの下方修正。ユーロ圏で景気見通しが最も悪化しています。

このような深刻な状況下での首相就任は、ECB総裁就任時と状況が重なります。ドラギ・マジックの再発動に期待が高まるのは自然な流れといえるかもしれませんね。彼の持つ優れた指導力で世論の期待に応え、コロナウイルス感染を封じ込めると共に、景気回復の足掛かりを作って欲しいものです。

なお、マーケットもドラギ新首相の誕生を好感し、ドルに対しユーロ買いで反応しています。前イタリア首相の発言はマーケットに対して大きな影響を与えることはありませんでしたが、ECB前総裁という肩書を持つドラギ新首相の発言なら、話が少し変わってくるかもしれません。今後の彼の発言には注目しておきたいですね。

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ワークショップが開催された2012年11月といえば、まさにドラギ氏がECB総裁として手腕を振るっていた時期です。当時の複雑な欧米マーケットの状況についてもグローバルな視点で語られており、興味深い内容となっています。

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