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日経新聞の1面で俯瞰

★「2022年4月現在の改定版」記事を作成しました。

海外・日本経済 / 鳥の目でマクロ経済を概観する

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マクロからミクロ、川上から川下までお金の流れを俯瞰する

日経新聞に載っている記事は、大きく2つに分けることができます。
1つは、日本を含めた世界全体の経済です。国レベルの政治、それによってもたらされる経済について大きな視点で記事が書かれます。
もう1つは、個別の企業や家庭・個人のお金の流れについてです。世界の景気が良くても個人レベルではお金持ちになれない、という例はたくさんありますよね。

最初の国レベルのお金の流れをマクロ経済、もう1つの企業や家庭、個人レベルのお金の流れをミクロ経済と呼びます。

●日経新聞の前半は マクロ視点で経済のページ

さて、「政治・外交」「経済・政策」「国際・アジアBiz」「マーケット総合」の各面はマクロ経済について書かれています。これらは新聞の前半分にかたまっています。ですから、1面から読み進めて、10面くらいまでを眺めれば、「マクロ経済の現在」の概要をつかむことができます。

※2021年5月10日の紙面刷新により名称変更しました。

それから後ろは、ミクロ経済の記事です。つまり、日経新聞は前から読み進めると自然に川上情報→川下情報がつかめるようになっているのです。

●大きな動きを「鳥の目」で読み取る

なにごともそうですが、概要をつかんでから個別のものごとを見た方がわかりやすいですね。日経新聞は、ページをめくるごとに記事の対象が狭くなっていきます。

これらの面は「鳥の目」をもって読むところです。鳥の目とは、鳥が空から地上の獲物をさがすように広い目で見ることです。

新聞に載っているすべての記事を読むことはムリ。ですから、自分にとって大切な記事をつながりを意識しながら読んでいきましょう。そのためには、紙面のどこに・どんなことが書いてあるのかを知っておく必要があります。るので、これからお話ししていきます。

状況報告と数値報告 / 記事のスタイルの違いを知る

日経新聞にはマクロ経済という大きな情報と、ミクロ経済についての個別の情報との2つが載りますよ、とお伝えしました。実は、この2つでは記事のスタイルが異なっています。

●違いを知れば読むスピードが違う

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・マクロ経済では状況情報(〜に向かう、〜の傾向がある)を表現する
・ミクロ経済では数値情報(**年、**円、**%増)を表現する

この違いを意識すると格段に読むスピード・理解するスピードがアップします。

どこからどのような情報を得るか、目的を明確にした上で紙面を開くと効率的な読み方ができるようになりますね。

たとえば、株式投資をするのに国際面や経済面などが気になる人もいると思います。もちろん、日本を取り巻く環境がどのように変化するのかのマクロ情報も大切ですが、やはり「ビジネス」「テック」「投資情報」で、ミクロ経済を確認するほうが効率的ですし、大切ですよね。第3章で詳しく触れますが、株価は、企業の能力(「ビジネス」「テック」)や、財務力(「投資情報」掲載)の盈虚を大きく受けます。具体的な数値が大切なんですよね。

▼「状況情報」の例

イスラム圏7カ国の市民らの入国を一時禁じた米大統領令は、司法判断で効力を失った状態が続くことになった。三権分立により権力の独走にとりあえず歯止めがかかったが、トランプ大統領は入国制限の復活に執着し、最高裁に上訴して徹底抗戦する構えをみせる。混乱の火種は残る

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▼「数値情報」の例

ライオンの業績が好調だ。2016年12月期連結決算は純利益が前の期比49%増の159億円で、03年12月期以来13年ぶりの最高益だった。歯ブラシなど得意分野に経営資源を集中し、シニア層を中心に健康志向を取り込んだ。株価は10日、上場来高値を付け市場の期待も大きい。かつて業績低迷で「眠れる獅子」といわれた姿はすでに様変わりしている。

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