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vol.11「企業型DCの枠が増えるって話」

 2024年3月28日、「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」が開かれていて、ここで企業年金(DB・DC)やiDeCoなどの私的年金の在り方について議論されています。ここでも、加入年齢や受給開始可能年齢の引き上げなどに触れられています。

 iDeCoの2024年12月改正についてみていくという話ですが、そもそも確定拠出年金というのは、2022年4月から続く、様々な改正の真っただ中であり、今年2024年12月でいったんは区切りがつくのですね。こういう感じです。

・2022年4月1日 企業DC、iDeCo受給開始時期の選択肢拡大

・2022年5月1日 企業DC、iDeCo加入可能年齢の拡大(掛け金期間という意味)

・2022年10月1日 企業型DC加入者のiDeCo加入要件緩和

・2024年12月1日 DB併存企業のDC拠出限度額の変更

・2024年12月1日 iDeCo拠出可能額の変更

こんな感じで、「iDeCoって、2024年で何か変わるの??」と、初耳という方も流れは押さえておきたいもので、2024年12月で何が変わるの?というと、DB併存企業のDC拠出限度額の変更、iDeCo拠出可能額の変更という2項目なんです。順番に解説しますね。

<DB併存企業のDC拠出限度額の変更>
→確定給付型の企業年金(DB)でもカバーされている会社員の方が影響を受ける改正です。現在、企業型DCの拠出限度額が、現在の一律27,500円ですが、これが、DBの給付水準(他制度掛金相当額)に応じて事業主ごとに決定される仕組みへ変更されます。

 現在の企業型DCの拠出限度額を整理しましょう。

・企業型DCのみを実施する場合:月額55,000円
・DBをあわせて実施する場合:月額27,500円

これが2024年12月1日以降は、月額55,000円から他制度掛金相当額を控除した額が、掛金拠出限度額となるということです。これ、どうしても「文」だけでは理解が難しいですが、以下別添資料も併せて確認してください。


<iDeCo拠出可能額の変更>
→上記と合わせてですが、iDeCoの掛け金額も変更されます。ここも難しいんですが、今、確定給付企業年金(DB)でカバーされている人のiDeCoの拠出可能額は、月額1万2000円かと思いますが、ここが、次のようになります。

iDeCoの拠出可能額=5.5万円-他制度掛金相当額-企業型DC事業主掛金額(上限は2万円に引上げ)なので、12,000円しかiDeCoを掛けられないという会社員の方がいますよね。そういう方では、上限額20,000円ですから増額できるという方も出てきますし、一方で、iDeCoの掛金の上限が小さくなったり、掛金を拠出できなくなったりすることがあります。

 企業年金では、DB、DC(マッチング拠出制度含む)、iDeCo、などがあって、これらの「公平性」を保とうとすると、今回のような改正になると理解するといいでしょう。各制度の上限という定めではなく、55,000円というプールの中で、掛け金を決めていくという感じで理解するといいかもです。


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