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コン、成人式参戦。

コン、成人式に参戦!
成人式に行ってきました!

と言っても、別にコンは新成人として招かれた訳ではありません。
コンは、もう何年も前に成人を済ませています。当時、成人式は行きませんでしたが…

じゃあナニしに行ったのかと言うと…簡単に言えばボランティアです。
コンは今年から、自立支援を目的としたスクールに参加することになりました。その活動で、成人式の開催準備や後片付けのお手伝いに参加させてもらう事が出来ました。

ご存じの通り、コンは発話障害吃音を患っています。

コンは吃音症者滑らかに喋ることが出来ない人間です。
言い間違えや伝え損ないが許されない場面はモチロン、吃音症状が出やすい日や、発話する気になれない日、コンは筆談をします。
普通の人に比べると、かなり高い頻度で筆談をしていることになります。

特技と言えるほどではないスピード感の速記。完璧とは言えないけれど、ある程度は伝えるコトのできる文章構成力。
一般の方に比べれば筆談に慣れたコンに、指令が下されました。

「聴覚障害のある新成人のお手伝いをせよ」

午前の部、午後の部。
それぞれ一人づつ、コンはつきっきりでお世話させていただきました。

場内アナウンスを聞きもらさず、書き留めてお伝えする。会場の雰囲気、ざわざわ具合などを教えてあげる。
そして、コレが一番の大仕事スピーチの速記

式が始まると何人もの人が、長い時間スピーチをしました。
コンはソレを、ザザッと字にし続けました。と言っても、喋っていること全部を完全に字に書き起こすわけではないです。それは無理です。
ザックリとした要約文にする、そんな作業をし続けました。

壇上には手話をする人も立っているのですが、大きな会場なので見ても意味が分からないそうです。それでコンの出番となったわけです。

耳は聞こえない、それでも成人式に参加してオトナになる自覚を持ちたい。スピーチの内容をちゃんと受け止めたい。そんな風に考えられる立派な大人になりそうな新成人の役に立て嬉しかったでした。

一方で、コンは先に大人になった者として恥ずかしくもなりました。
偉い人たちのスピーチを、要約文にし続けましたが…正直、うんざりする様な内容でした。「日本、そして世界が今、抱えている問題を解決るのは君たちだ!」「若い世代が支えなければ社会は破綻する!」
新成人のみんなに期待している、と言えば聞こえはいいですが、コンには若者に問題を押し付けているように感じてなりませんでした。

政治家の方のスピーチは、完全に自分の選挙活動でした。投票権を持った人達へのアピールの場、そうとしか考えていないのでしょう。若者の門出を祝う真心は一切感じませんでした。

思えば、成人式の会場にも沢山の不手際がありました。
手話の問題が、コンとしては一番気になりました。壇上に手話さんを配置する。この行為が、聴覚障碍者の為になっていない。コンの様に筆談担当者を呼んだという事は、式典運営者の方々は分かっていたワケです。
コンがお手伝いさせていただいたお二人は、事前に相談があったので対応できたのですが、式の参加者の中には人知れず、とても見にくい手話を何とか見ようとしていた人がいたかもしれません。
全ての人に、満足いくような対応をすることはできません。それでも「とりあえず対処する気があるアピールだけしとけばいい」という姿勢が、「利用者の目線を考慮しない手話配置」から感じられてしまいました。
先に大人になった世代が作った式、それがこんな有様か…。
自分自身の日々の体たらくもフラッシュバックして、オトナとして恥ずかしく、そして申し訳なく思いました。

コンを含めた大人たちの不甲斐なさを反省しつつ「今からでも遅くない、立派は無理でも、今よりましな大人に近づく努力はしよう」そんな意気込みを抱きました。

ところで!
コンは、てっきり成人式は、18歳が参加するものだと思っていました。
成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを、サスガのコンも知っています。ただ、成人式は20歳の人が対象でした。成人っていったい何なんでしょうね。
ごく一部で、対象年齢が18歳の成人式が開催された地域があるそうです。
え?成人式って、公の行事じゃないの?全国で統一されてないの?
もー、しっかりしようよオトナ!

そんなこんなで、オトナとして至らない点ばかりの自分たちを恥じつつ、コンなりに一生懸命にお手伝いさせてもらい、成人式は終わっていきました。

午前の部でお手伝いさせてもらった方とそのご家族に招かれ、お食事を頂きました。ぜひお礼をしたい、そう言ってくれたのです。自分でも反省点の多い筆談っぷりでしたが、それなりにお役に立てたようで安心しました。
家族以外の人とご飯を食べるのは苦手ですが、正直お断りしたかったですが、「お姉さんと妹さんもご一緒に」と言ってもらったし、めでたい日にご厚意をお断りするのも無粋なのでお招きにあずかる事になりました。正直お断りしたかったですが。

こういう人付き合いを、空気を読んで参加できたのは、コン的にかなり大きな進歩でした。
数年の時間差で、成人としての自覚が出てきたコン。少しでもマトモな人間いなれるよう、今年は頑張りたいと思います。
では、今回はここまで。

おしまい。
ばいばい、またね。

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