見出し画像

~2019-2020終了 インテルの現在地とこれから~

ご無沙汰してます。筆者は今だに就職活動を続けております。何とか来年から手に職はつけられそうなんですがまだどうなるか分かりません。この後に話すコンテと境遇は似てるかな?笑

さてそんなこんなで我等がインテル・ミラノはセリエA2位、チャンピオンズリーグは3位でグループリーグ敗退、コッパ・イタリアはベスト4、そしてヨーロッパリーグは準優勝で幕を閉じました。
世界的パンデミックが襲い、約3~4ヶ月の中断を挟んだとはいえ過去10年でトレブル(三冠達成した)09-10シーズンに次ぐ好成績でシーズンを終えました。

しっかし長かったシーズンだなあ…(苦笑)

思い起こせば18-19年を終えて4位、スパレッティ退任で満を持してやってきた新指揮官コンテ、憎きユヴェントスの血が入った男を招き入れ補強からチームの根本改革に取り掛かった。

画像1

コンテがやってきた!
(画像はインテル公式Instagramから拝借)

オフにおけるコンテ改革

「憎きユヴェントスの血が」とは言ったもののセリエA3連覇してる腕前は本物。カリスマ性はシーズン前から発揮した。
昨シーズンまでエースとして君臨したものの度々クラブとの衝突が絶えなかったイカルディをPSGにOP付レンタル(後に完全移籍)、素行の悪いナインゴランはカリアリへ、退団希望を以前に表明していたとされるペリシッチはバイエルンへOP付レンタル(復帰次第は今後の話し合いによる決定)で放出。
いわゆるスパレッティの2年間を支えたビック3を手放した。コンテが逆に欲したのはハードワークの出来るCMF、そこでカリアリで頭角を現していたイタリア代表ニコロ・バレッラ、左利きのWBとしてフィオレンティーナからビラーギを、ボールを収め、シュートに完結出来るCFとしてマンチェスター・ユナイテッドからロメル・ルカクらを獲得。チームの方向性をハッキリと補強に示した。

画像7

補強の目玉だったルカク、インテルFWの
移籍金で最も高い男として加入したが実力は折り紙付き、
公式戦34ゴールでフェノメノことロナウドを上回る
数字を残した(画像はインテル公式Instagramから拝借)

ピッチ内におけるコンテ改革

前政権では両ワイドが縦とカットインを交えてイカルディのワンタッチゴールに繋げるケースが多かったがコンテが変えたのは3-5-2のフォーメーションからだ。
守備時は前線からアプローチに行きながら3CBとアンカーのブロゾヴィッチ、2人のCMFでブロックを形成し、相手を外へ外へ追いやりボール奪取、ボールを奪ったらGKも含めたビルドアップの徹底も行なった。
また、スピードのラウタロ・マルティネス、パワーのルカクという2トップを存分に活かす為に高い位置で奪ったら2トップがグッとスピードを上げ、WBがとてつもない運動量でサイドを駆け抜ける超ショートカウンターを実現してみせた。
この戦術において昨季干され気味だったカンドレーヴァが水を得た魚の如く縦横無尽に走り、逆に昨季ブレイクしたポリターノは冬にナポリへ移籍して行った。
アサモアは冬に離脱する前までコンテのスピードと運動量を求められるサッカーに適応してた為に冬以降の離脱は痛かった。
ビラーギもアサモア離脱の間はスタメンだったものの一皮剥けることが出来ず、冬にコンテが補強のリクエストを、冬にやってきたモーゼスはチェルシー時代でコンテのサッカーを知っていたので適応に時間はかからなかった。また、ユナイテッドからやってきたヤングは左右に縦横無尽、瞬く間にコンテのサッカーに不可欠なピースとなった。

シーズンを振り返るとリーグ開幕から6連勝もあり、2位でシーズンを折り返した。CLこそドルトムント、バルセロナの前に屈したものの3位でELに回ることになる。
2月、新型コロナウイルスの影響で無観客試合や試合の延期が挟まれながら試合を強行したもののリーグ中断、ロックダウン前最後の試合であったユヴェントス戦を0-2で落とし優勝戦線から脱落した感は強かった。

画像2

シーズン通して縦横無尽に走り抜き
アンカーとして配給役として
不可欠な働きを見せたブロゾヴィッチ
(画像はインテル公式Instagramから拝借)

ロックダウン後、その後のインテル

約3~4ヶ月の延期を経て全試合無観客試合で行われることが決定した中、冬のマーケットで獲得したエリクセンをトップ下に入れて戦術のパターン化。再開後は3-4-1-2の様なシステムで再開した。
しかし再開直後こそ結果が出たもののラウタロの不調やイージーミスが重なり勝てる試合を落とし、エリクセンをはめ込む戦術を断念。戦術の幅の広さを持たせることに不安を残した。
結局カンピオナートはユヴェントスの9連覇を止められず、コッパ・イタリアもナポリに屈した。

成長への間違いない足跡を残したELでの戦い

セリエAの正規シーズンを終えて、インテルはELに勝ち残っていた為、ベスト16のヘタフェ戦からワンマッチ無観客ドイツ開催で闘いの場を移した。
ヘタフェ戦、レバークーゼン戦と苦しみながらエースルカクのゴールで勝ち上がりベスト4進出。この時点でCL制覇した10年前以来のヨーロッパにおいてのコンペティションでベスト4進出となった。
ベスト4ではシャフタールとの激突、この試合はラウタロとルカクのドッピエッタ等で5-0で粉砕し、決勝へ進んだ。

しかしそんなに甘くないのがUEFAのコンペティション、ELとはいえ決勝ではセビージャは徹底したインテル対策を施した。
WBとCBのポケットにインナーラップを通し高さのあるFWにクロスを入れるという至って簡単な攻撃。しかしその配給役としてトップ下にポジションを取っていたバネガを90分通して捕まえられず苦しんだ。
開始3分にルカクのPKで先制されるも先述した攻撃でルーク・デ・ヨングに同点ゴールを奪われるとFKから再びルーク・デ・ヨング、インテルもすかさずブロゾヴィッチのFKからゴディンのゴールで追いつくも後半にD・カルロスにバイスクルシュートを決められ万事休す。
10年振りの欧州のタイトルは届かなかった。

画像3

10年振りに欧州の舞台でファイナルまで上り詰めた。
チームとしての大きな経験値だ
(画像はセリエA公式Instagramから拝借)

インテルが今季得られた収穫、残した課題は何なのか

収穫としては主に2つ

・"ラウカク"

チーム総得点の約半分を叩き出し2人でゴールまで完結させる力があるということを証明して見せた

画像6

2人で公式戦のゴール数は
バイエルン・ミュンヘンの
レヴァンドフスキ、ニャブリに次ぐ2番目のコンビらしい
(画像はラウタロ・マルティネス公式Instagramから拝借)

・バストーニの成長

これは触れない訳にいかないだろう。3バックの左として左利きの大型CB、若干21歳の逸材がレギュラーとして大活躍!ビルドアップ能力も長けてながら持ち前のリーチの長さを活かしたフィジカルコンタクトの強さには目を光らせた

逆に課題としては大きく2つ

・戦術エリクセンの浸透

鳴り物入りで冬に新加入した世界的なプレーメーカーはベンチに温める機会が多かった。ハードワークが求められるチームではあるものの3-4-1-2システムでトップ下エリクセン、ゲームメイクを任せる上でも適任である。間違いなく違いを生み出せる選手なのでこの選手を全面に押し出していきたい

画像4

この男の力無しにインテルの底上げは不可能だろう
(画像はインテル公式Instagramから拝借)

・FW以外の得点と後半の得点数の少なさ

"ラウカク"2人で相当数のゴールを量産することが出来たがそれ以外の選手のゴール数が少ない。中でも途中出場の選手がリーグ戦でゴール決めるなんてことはほぼ見られなかった。先行逃げ切りのスタイルは分かるがサンチェスなどの攻撃のカードが切られるとするなら攻撃の層をより一層厚く、強固なものになると感じた。

まとめ

インテルの現在地は間違いなく上向いている。CL圏内を獲得する為に死に物狂いで戦うチームではなくスクデットを獲得する為に死に物狂いで戦うチームにセリエAの中ではランクアップしたはずだ。また、ELではチームが若い故に経験値不足も露呈した。しかしこういった"経験"は悔しさから後付けされるものだ。

コンテの留任を心から祈りながら、では…

画像5

度々退任報道や解任報道が踊るコンテの進退。
しかし彼の植えつけたもの、スピリットとなる基盤は
間違いなく出来たシーズン。
必ず来季もこの男がベンチで座る姿を見たい
(画像はインテル公式Instagramから拝借)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?