事故物件 隣同士の部屋にしよう、と持ち掛けてきたのは圭太の方からだった。 「ちょっと古いんだけどね」 そう前置きして圭太が見せたアパートは築年数が俺たちの年齢の二倍ほどもあることを除けば、駅からの距離や間取りなど、求めていた条件は概ねクリアしていた。その築年数に関しても、『昨年リフォーム済!』という文言とともに載せられている内観写真を見てからは気にならず、ほとんど即決といった感じでそのアパートを借りることにした。なにより家賃が安かったのだ。 「幽霊でも出るんじゃねぇ