ベトナム人女性との恋 中編
ロアンと香嵐渓に行く約束をして、僕は準備に取り掛かった。
ちなみに香嵐渓とは愛知県のもっとも有名な紅葉スポットで屋台などの飲食店もたくさん並び夜にはライトアップされてとてもきれいな場所である。
こんな感じ
僕は結構せっかちな性格なので物事をはっきりさせないままダラダラするのがあまり好きじゃない。この人が好きだなーとか付き合いたいなーと思えば何もしないでいることは出来なくてとにかく何かできることをしてすぐ告白して結果を求める。
つまり恋愛のポチポチ病患者である。そんな僕がFXでもポチポチ病に悩まされたのは必然のことでそのおかげでかなりの額のお金を失った。
恋愛でももっと時間をかければうまくいくような恋愛もポチポチのせいでうまくいかなかったこともある。でもその反面もっと早く言えばよかったー。とかもっと早くやってればよかったー。とかという後悔は少ないというメリットもある。
が全体的にはポチポチ病はいい結果をもたらさないことが多い。
話がそれたが、ということで僕はロアンに僕の彼女にならないかという話をその日にすることにした。
まずは日本語があまりうまくないロアンにどうやって僕の気持ちを伝えるかだ。もちろんロアンは実習生なので日本語はある程度できるから気持ちを伝えるだけなら全然問題ない。しかし、それでは絶対うまくいかない確信があった。
もっと心を動かすようなことを考えなくては上手くいかない。
基本的に僕の思考はやると決めたらうまく行かなそうだからやめるではなく、何とかうまく行かす方法はないかという感じになる。
なのでロアンに告白をするのロアンに伝わる言葉だけでは上手く行かないことはわかっていたのでもっと心を動かすような内容を伝える必要があった。
考えた結果言葉ではなく手紙で心を動かす文章を書き、それを渡して読んでもらうことにした。でも僕が日本語で手紙を手紙を書いても伝わらないのでそこはいろいろ考えて秘策を練った。
その日のデートのプランは確かこんな感じだったと思う。
朝10時ごろにロアンをアパートの下まで迎えに行って、通り道のハンバーガー屋さんでブランチを食べる。結構有名なハンバーガー屋さんでハンバーガーセットだけでも2000円くらいはしたと思う。もちろん当時の僕にとってはハンバーガーに2000円などかなりの贅沢だ。しかも二人分だから4000円。
だが評判通り出てきたハンバーガーは見た目も映えていて味もすごくおいしかった。ロアンは実習生なのでこんな高価なハンバーガー食べたことないだろうし、きっと写真も撮りまくっておいしいと喜んでくれるだろうという期待に包まれて僕ば楽しみにロアンを観察していた。
しかしロアンはあまり笑顔ではない。なぜだ??
そのまま見ているとポテトばかり食べている。
詳しくは覚えていないが確かにそこのポテトは北海道のジャガイモでどうとっこうとか書いてあったと思うがお店の看板商品の一つだった。
確かごく少量の塩のみで食べる食べ方だ。
ロアンはエンスタ映えするそのハンバーガーに手を付けづそのポテトを黙って食べていたが少ししてから、なんとケチャップを要求しだした。
別にケチャップが悪いわけではないのだが、そのお店はかなりこだわりがあるお店らしく、店内の壁に
「当店のポテトはほにゃらら・・何とかなので少量の塩のみでお食べください。その他の調味料やソースはお出ししません・」
というようなことが書かれてあった。
もちろんロアンはそんな日本語の張り紙なんて読んではいないと思う。
店主はグルメサイトのレビューでも少し変わった頑固者で有名な人だったので心配だった。
僕は一応ウェイトレス?の多分奥さんに
ケチャップってないですよね?
と聞くだけ聞いてみた。
何に使うのですか?
ポテトです。
提供していません。
ともちろんお断りされた。
ロアンにケチャップはないよと伝えると顔をしかめて味がない。と言い出した。僕はそのポテトはジャガイモの風味がすごくしてこだわりのポテトにふさわしくすごくおいしいと思ったから、ロアンをはじめベトナム人は辛い物ばかり食べてるからこの繊細な味がわからないのかな?と思った。
でもまだ評判の高いハンバーガーがある!きっとこれは美味しさにびっくりして喜ぶに違いないと楽しみにしていた。
ロアンはポテトを食べるのを止めてついにハンバーガーに手を付けた。
手に持って口に運ぼうとした途中で手を止めてこちらも見て言った。
食べにくい!なんでこんなに食べにくするのか!
飲食店ではあるあるだと思うがインスタ映えを狙って食べやすさよりも写真映えを狙った大きさになっていたりすることがよくある。このハンバーガーもそうだった。大きく積み重ねられた肉を野菜とチーズとバンズはとてもロアンが一口でかじれるものではなかった。
そんなこんなでやっとロアンがハンバーガーに口をつけてかじりだした。
僕の方はもうとっくにハンバーガーもポテトも食べ終わっている。
僕はロアンが食べるのを見ていた。
一口、二口、三口と無言で食べ続けて半分ぐらいまで食べてからハンバーガーを置いて言った。
マックの方がおいしい。
まぁまぁでかい声だった。
店内はテーブル席3席のみの小さなお店だった。
店内が凍り付いて厨房から誰かの殺気が発せられているのがひしひしと感じ獲れた。
僕は冗談ぽくそんなことないやろー。と笑ってごまかすしかなかった。
そこからもう少しハンバーガーをかじっていはいたが量も多かったせいもあると思うが4分の1ほど残してお店を出た。
当然会計の時は嫌な空気に包まれ奥さんは普通なら必ず言うであろう「ありがとうございました」も一切なく無言でお釣りを渡してきて僕たちはお店を出た。
この時点で僕はこのベトナム人女の空気の読めなさに結構腹がったっていた。
会計は4000円と少し。
これでこんなに嫌な思いをしたランチデートは初めてだった。
しかし何はともあれランチは終わり、次の目的地
豊川稲荷に向かった。