「行き違いで送付しております」は適切か?
大手健康食品会社からセミナーのDMが届きました。
そこにこんな一文が書かれていました。
何だか違和感のある文だなと思ったのですが、考えてみるとなかなか味わい深いものがあります。
私の頭の中で、以下のような思考の流れが生じました。
最初の印象:ん、なんか変な表現だな。
次の印象:でも、よく考えてみればむしろ正確な表現なのかな?
最終的な印象:やはり、これは不適切な表現だ。
1.最初の印象:ん、なんか変な表現だな。
こういう時、普通はこんな感じで書くものだと思います。
2.次の印象:でも、よく考えてみればむしろ正確な表現なのかな?
プロセス簡略化のために、申し込み状況と照らし合わせることなく一律に発送している可能性もあります。
そうであれば、「~~の場合」などと言わずに、「行き違いで送付している」と言い切った方がより正確と言えるでしょう。
3.最終的な印象:やはり、これは不適切な表現だ。
全員に一律に発送する行為が(俗語的誤用表現で言うところの)確信犯的に行われていて、申込み完了者を除外するプロセスが存在していないのであれば、それはもはや「行き違い」とは言えないでしょう。
逆に申込み完了者を除外するプロセスが存在しているのであれば、全員に対して、
と言い切ることは虚偽です。(大げさな表現ですが)
確実に「行き違い」となることを前提とした断り書き(謝罪文)は矛盾しているのです。
4.結論
結局、今回取り上げた断り書きは、慣習的表現からも外れているし、論理的にも誤っているということになります。
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