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いきなり!ステーキから学ぶ株式投資

おはこんばんちはふぉれです。


株式投資って投資判断として
企業の業績や社会情勢を見るファンダメンタルズ
値動きの傾向や統計から見るテクニカル
この2つがよく挙げられます。


個人的な感想ですが、株式投資に成果を出していくには基本的に業績の良いところをいち早く読み取って、なるべく安く買うことだと思いますのでファンダメンタルズに重きを置いてます。
テクニカルのお話は一旦無しにしますね。


業績からいち早く読み取る言えばつまり決算資料からどんな事が予想されるかということですが、投資を始めてすぐできないと思いますし必ず当たるものでもないです。

業績が良い会社はしっかり時価総額が上がっていきますので、予想の精度を少しずつ上げていきたいものですね。


では企業が現在どうなっているかというのは過去の予想の答えな訳ですが、それを決算を遡りながら学んでみようという事を今回のテーマにしてみます。

いきなり!ステーキと決算

今回教材とするのが「いきなり!ステーキ」の事業を展開する

3053 ペッパーフードサービス

から考えていきたいと思います。
いきなり!ステーキって食べたことありますか?
僕はブロンコビリー(3091)が好きなので行ったことありませんが"肉マイレージ"とか呼ばれるポイントシステムには毎日食べる猛者がいたり濃いファンは多い印象を持っています。

ちょっと皆さんにお聞きしたいのですが、
このいきなり!ステーキのお店

行こうと思えば近くにありましたか?

まぁご近所レベルではなくちょっと車を走らせればぐらいの距離ですね。
行こうと思えば行けたんじゃないですか?

そんなペッパーフードサービスの一番古い決算がこちら

売上高63億円で4億ぐらい毎年残っている企業でした。
自己資本比率も40%超えまで回復して財務も良かったんじゃないでしょうか。


しかし現在このペッパーフードサービスは苦境に立たされています。
その原因として

"大量出店"


これがかなり大きいと言われています。

これを見てください。
HPで出されていたお知らせです。
アクセルベタ踏みですね。
出されていたのが2017年10月18日ですがその時の株価と決算を見てみましょう。

株価も乗りに乗っている。
売上高362億、23億ほど本業で儲かっていたんですね。
これ2018年度の決算なんですけど大量出店したおかげで売上高がなんと635億円

予想もすごい。
2019年は売上高935億円だろうと書かれてます。
この決算だけ見てたらまだ株は買われる内容です。
予想を織り込みに行きますから。

でも自己資本比率めちゃくちゃ下がってますね。
これって財布からお金出まくってるとか借金しまくってるとかじゃないかと思います。

どっちもですね。
出店するための商品や設備もついてきますから色んな負債が増えてます。

予定通り資産は建物が激増してますね。
計画は進行してるんだなぁと見て取れます。

ペッパーフードサービスは拡大を続けて決算からも予定通りだと読み取れます。
いきなり!ステーキって2019年には450店超えていたらしいです。
馬力ありますよね。


でも考えてみてください。
450店となると47都道府県で各地で約10店と考えても相当多いですが、地方では儲からないので出店しない所もあるはずですよね?
となると人口のそれなりに多いエリアに450店がおのずと集まります。

これ近いイメージはラーメン屋さんぐらいの密集度になります。
しかも豚骨、醤油色んなラーメン店だから成り立っている距離感なのに全部いきなり!ステーキです。

ステーキって誰もが日常的に食べますか?
1人2000円を超えてくる単価です。
しかもいきなり!ステーキに行きたい時はA店とB店どっちでも行ける。
するとどうなるか?

いきなり!ステーキ同士で
お客さん奪い合いになりました。


その証拠がこちら

あれ?売上935億円は?
全然届いてないじゃん
まだ出店が追いついてないのか?
いや"予定通り"だった。
営業利益が減っているから経費はちゃんと増えているんだ。

そういうことです。
需要に追いついて供給が飽和してしまったんですね。
あと経営理論も知っておくとより危機感が増します。

仮に客単価3000円、10席、客が2回転しかしないステーキ店があったとしよう。1日の売り上げは6万円、家賃、人件費、原価はそれぞれ1万8000円で、利益は売り上げの1割、6000円となる。

 しかし仮に、半額の1500円で出したとしよう。原価率6割という「逆ボッタクリ価格」の上、立ち食いにして回転を早めたら、席が8回転したとする。売り上げは10席×8回転×1500円だから12万円。原価は10席×8回転×900円だから7万2000円。しかし家賃と人件費は変わらず1万8000円だから……。

 12万円-7万2000円-1万8000円-1万8000円=1万2000円

 あれ? お客さんに普段3000円で出す肉を1500円で出しているのに、利益は倍増しているではないか。

これが創業者、一瀬邦夫氏の一世一代の発明だった。
2017年12月27日

参照:ITmediaビジネス online

アクセルベタ踏みのいい時に出た記事ですから褒められてますね。
回転率をとにかく意識したこの経営方針
お客さんが"飽きた"んです。

セブンイレブンですら
"半径500m以内から客層が変わる"
と試験を重ねこの距離感を設定しているのに、ペッパーフードサービスは試験もせず借金でとにかくアクセルを踏み"予定通り"に出店しまくった。

その結果今回の決算が出た。
この時点で株を持つのはかなり危険だと判断して損切りできる読みが大切だと思います。


次予想できることは
◯不採算店舗が大量に出始める
◯品質低下
◯悪評や悪記事が立つ
◯客足さらに減少
◯ボーナスカット、時給悪化でサービス低下
◯退店費用で財務圧迫
◯配当停止

負のスパイラルですね。
実際そうなりました。

◯店舗数維持ためフランチャイズ大量募集

も出てきました。
個人事業主に経営を任せて看板貸しと売上中抜きですね。

ここでは敢えて優待廃止を書かないです。
ペッパーフードサービスには株主優待があります。

これ自社食事券ですよね?
つまり値引きしてでもステーキは売れますよね。
こういう類は基本的に廃止にほとんどならないです。
利益率の減少だけですから会社は一応痛みません。

クオカードとか外部委託(ギフト)とかそういうものは簡単に改悪、廃止されます。
考えればごく普通の事ですけど予備知識です。

脱線しましたが株式投資は業績を読んで自分なりにストーリーを立ててその株は

"安いのか"
"価値が無くなっているのか"

見極めないといけません。
このストーリーが合ってるか間違っているかは後で分かりますが、
事業内容や市場反応、常識、自分だったらどう利用するかなど身近に落とし込んでイメージしてみてください。
それを繰り返す毎に精度が上がっていって買う株の選定がさらに鋭く、早くなると思っています。

鋭いと買われる可能性が、早いと周りが気付く前から買える可能性が高まります。
その方がきっと儲かりますよね。

もっと深掘りできる内容でしたがこの辺で終わります。
僭越ながら今回は悪い例として挙げました。
ペッパーフードサービスは未だ苦しい状況です。
社長の一瀬さん、色々と言われてますが戦後から苦しい時を乗り越えて当時ビーフステーキが食べられずみんなに食べて貰うため起業し、支えてくれた奥さんを早くに亡くしそれでも頑張ってこられた方らしいです。

不器用な面は決算からも読み取れますが是非気が向いたらいきなり!ステーキへ食べに行ってあげましょう。
ペッパーランチはダメです。
売却しちゃったんで笑

※2020年7月3日IRにて発表


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