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#18.PISCSで始める相互作用評価2.0:アドシルカとクラリシッドの併用

割引あり

(このブログは2024年7月4日に更新しました)

メンバーシップ「薬剤師力を飛躍的に伸ばす!メタ知識道場」へようこそ!

今回は「相互作用の定量的評価」に関するお話です。


※可能であれば私の過去動画を視聴してから読み進めてください。


▼前回(#17)のおさらい動画




「併用する!」と譲らない処方医

今回も事例を通じて「修行」に挑んでいただきます。

注)本事例は私の実体験をもとに脚色したフィクションです。

薬品名はアドシルカ(肺高血圧症治療薬)クラリシッド(マクロライド系抗菌薬)です。

アドシルカを服用中の小児に対し、耳鼻咽喉科で副鼻腔炎治療のためクラリシッドが追加されました、というシチュエーションです。

まずは下記のPMDAリンクからそれぞれの添付文書をご覧ください。

アドシルカ(一般名:タダラフィル)http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/2190030F1
クラリシッド(一般名:クラリスロマイシン)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/6149003F1

前回(#17)とは異なり、この2剤が併用禁忌であることは一目瞭然です。

(アドシルカの添付文書より)
併用禁忌(併用しないこと)
CYP3A4を強く阻害する薬剤
クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)

(クラリシッドの添付文書より)
併用禁忌(併用しないこと)
タダラフィル(アドシルカ)

肺高血圧症の治療中という状況から考えて、変更すべきは抗菌薬の方。

よって、同じマクロライド系でアドシルカとの相互作用のないジスロマックへの変更を提案したのですが、あろうことか処方医が渋ったのです。

「えー、アドシルカを1/2か1/3に減量しても無理ですかねぇ?」

こんな場合、皆さんならどうやって納得して(諦めて)もらいますか?


「数字」を提示できるスキル

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