見出し画像

ハースストーン(潮の玉座) 機雷ローグの構成とプレイの考察

2022年6月のハースストーンは,深淵に眠る海底都市のミニセット「潮の玉座」が追加された環境ではじまりました.僕は,いわゆる「機雷ローグ」でレジェンドに到達することができました!また,今月で約140勝を稼ぎ,ローグ通算500勝にも到達しました.今回は,この機雷ローグのデッキ構成とプレイングについて書きます.僕のランクはレジェンドの3000位程度で,レジェンド到達者の中では下位1割くらいかと思います.ですので,真似して上位に行けると言える自信はありませんが,参考にしてもらえたら幸いです.

機雷ローグ デッキリスト

僕が現在主に使用しているデッキのリストはこちらです.統計情報サイトのHSReplayでは,死角からの一刺しと墨隠れの伏兵を抜いてダメージ呪文を採用したリストが最も多く使用されているとのことで,その勝率はほぼ50%でした.対してこのデッキは,ダイヤ帯~レジェンド達成までに27-13(68%),レジェンド到達後にデッキ変更の検討を経て元に戻し,昨日27-21(56%)を記録しました.

AAECAaIHAqH5A+2ABA7+7gPT8wON9AOh9AO9gASRnwT3nwT7pQT8pQSIsAS3swSJ0gTj0wTl0wQA

墨隠れの伏兵とシャッターシャンブラーは,最新ミニセット「潮の玉座」で追加されたローグのクラスカードです.それ以外は従来の機雷ローグの形を踏襲しています.シャッターシャンブラーの能力は,「断末魔ミニオンを使用すると即破壊される」というもので,これによって機雷を破壊するのに手間をかける必要がなくなったため,死角からの一刺しを抜いているリストがほとんどになりました.ですが,これから書くように,このデッキのプレイングでは死角からの一刺しとシャッターシャンブラーは「入れ替え」ではなく「併用」するのが良いと思いました.

基本的な勝ちパターン

機雷ローグの勝ちパターンは,機雷の断末魔「相手のヒーローに4ダメージを与える」を,「味方の断末魔は2回発動する」という効果を持つスノーフォール墓地を利用して複数回発動し,8ダメージを何度も与えて30点以上を狙うというものです.機雷そのものは2枚しか入れることができませんので,この断末魔によって勝利するには,その他のカードによって断末魔の発動回数を増やす必要があります.機雷自体の破壊以外に断末魔を発動させる手段は以下のものがあります.

  • スペル「怪しい情報」でデッキから機雷を引く.

  • ミニオン「フォーセイクンの将校」を先に場に出しておき,機雷をだすことでフォーセイクンの将校を機雷のコピーに変身させる.

  • 武器「偽滅の刃」を装備し,雄叫び効果で機雷の断末魔を付与する.

スノーフォール墓地の効果は使用ターンを含めて3ターン持続するので,その間にこれらの効果を3回使うことで8点×3=24点を出す,残りの8点は偽滅の刃によるヒーローへの攻撃やミニオンで補う,というのが基本です.機雷ローグはこれを平均6ターンで達成する速攻型のデッキです.体力の上限は30点ですので,回復手段がある相手の場合はあらかじめそれなりのダメージを稼いでおく必要があります.その性質上,装甲により30点を超える体力を獲得できるウォリアーは大の苦手です.ウォリアーに当たったらほぼ勝てないと割り切る必要はあります.

死角からの一刺しが役立つ理由-負け筋から考える

機雷ローグは相手の攻撃を防ぐ手段がとても少ないので,機雷の断末魔を発動できずに試合が長引くとたいていの場合負けてしまいます.速攻型の常で,使えるマナも引けるカードの枚数も少なめですので,いかにマナを節約するか,不要なカードを引かない(入れない)ようにするか,が重要です.

先ほど説明した断末魔の発動手段のうち,偽滅の刃の雄叫び効果を使うためには条件があります.それは,偽滅の刃を装備する時点で機雷の断末魔が一度でも発動していることです.このデッキは速攻型なので,4ターン目あるいは5ターン目には偽滅の刃(4マナ)を装備しておきたいです.もっとも確実なのは3ターン目に「怪しい情報(3マナ)」を使用することです.怪しい情報は機雷を引いた上に追加で断末魔を発動させるこのデッキのキーカードです.
それができない場合は,とにかく機雷を引いて場に出し,断末魔を発動させる必要があります.この時,機雷を破壊する手段として使われるのがシャッターシャンブラーと死角からの一刺しなのですが,シャッターシャンブラーは機雷よりも「先に」場に出して雄叫び効果を発動させる必要があります.また,フォーセイクンの将校も機雷に変身させるためには先に出す必要がありますので,この方法を成立させるには「シャッターシャンブラー→フォーセイクンの将校→機雷」という手順を踏むことになります.この順序がネックで,3ターン以内に順序良くカードを展開できるとは限らないのが攻めの遅れにつながります.
これに対し,死角からの一刺しは機雷の「後に」機雷を破壊するために必要なカードです.機雷を場に出したままだといろいろな対策の隙を与えてしまうので,できれば間を置かずに機雷→死角からの一刺しと行きたいところですが.幸い現状では出した機雷が不発になることはあまり多くありません.
ですので,死角からの一刺しは後から引いてターンをまたいでの使用も十分にあり得ます.
機雷ローグは守りが少ないデッキだと書きました.その中で貴重な守りの手段は,フォーセイクンの将校による敵ミニオンへの攻撃です.機雷に変身して2/2のミニオンとして敵と相打ちになるのが,攻防一体の動きです.つまり,シャッターシャンブラーに頼りすぎてしまうと,フォーセイクンの将校を出すタイミングも遅れ,その分敵ミニオンへの攻撃も遅れて,相手の攻めを許してしまうという負けパターンにつながりやすくなるのです.死角からの一刺しによって「機雷の起爆は後でも大丈夫」という選択を確保しておくことで,フォーセイクンの将校をとにかく速めに展開するチャンスが増え,偽滅の刃を装備するタイミングも速くなり,勝ちパターンの達成が容易になるのです.この際,機雷を破壊するのは他のダメージ呪文でも構わないのですが,死角からの一刺しはコスト0というのが圧倒的なアドバンテージです.他のリストに入っているネファリアンの牙や邪道刺しは2マナなので,将校と機雷を出したターンにはほぼ使うマナがありません.また,破壊したターンに偽滅の刃を装備するマナも残せません.これによって展開は最悪2ターン遅れますので,このデッキには致命的なロスとなります.
結局,相手本体にダメージを与える可能性よりもこの展開の遅れが響く形で負けが増えているのが,死角からの一刺しを採用しないリストの勝率が低めになっている原因だと考えています.

ミニオンはどれだけ必要か?-隠蔽の帳のパワーバランス

このように,怪しい情報による理想的な展開以外でも,とにかくフォーセイクンの将校と機雷だけは速めに確保したいです.そこで重要なのが,ミニオンを2体引くことができる「隠蔽の帳」です.ミニオンをたくさん入れると,その分将校と機雷を引く確率も下がりますので,極端に言えばほかのミニオンはできるだけ入れたくないわけですが,さすがに相手ミニオンへの対策や断末魔ダメージ以外でのダメ押しを考えるとそうはいきません.そこで,十分な力のある最低限のミニオンだけ入れていくことを考えます.
強いミニオンの筆頭は「ワイルドポーのノール(十面相のマエストラと併用)」です.他のタイプのローグでも当然採用されているミニオンで,変装中にローグ専用カード(このデッキでは機雷以外の28枚)を1枚引くごとにコストが1下がります.使用できるマナがタイトなこのデッキにおいては大変重要な特性です.十面相のマエストラ自体は強くありませんが,ノールの能力がそれ以上に強力に発揮されるため必須となります.
墨隠れの伏兵は多くのデッキには入っておらず,僕なりの評価です.墨隠れの伏兵は2マナ1/4の隠れ身持ち,攻撃時には攻撃力が+3され無敵になるというミニオンです.隠れ身持ちであることから,少なくとも1回の攻撃は期待できます.また,攻撃時に無敵のため,敵のミニオンを一方的に倒すことができ,相手はこれを放置するのが厳しいことが多いので,反撃としてさらに1回ミニオンの攻撃を受け止めることができます.差し引きで1ターン以上の時間稼ぎになるので,勝ちも負けもあっという間の機雷ローグには合っていると考えています.ノールが引けなければ,2ターン目に出してしまってよいミニオンだと思いますので,採用しています.隠蔽の帳で引くミニオンとしては,すぐに出す余裕がないのがネックです.
デファイアスの親玉エドウィンは,カードを引きつつ自身を強化する能力が強く,中盤に突入してしまった場合に大量のカードを引く可能性を持っています.しかし,その能力を発揮するためにはだいたい6マナくらい必要なので,序盤に使う隠蔽の帳で引く分としては「ハズレ」といえます.このカードについては,現在ほかのスペルカードに交換することを検討しています.

以上,ざっとですが僕の使用している機雷ローグについて,とくに死角からの一刺しが有用だと思う面について述べました.とにかく決着がはやく,試行回数を重ねやすいデッキなので,興味を持ったらぜひ試してみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?